かつての仲間
「治せるかどうかはわかりませんが、やれることはやってみようと思います」
僕は率直に答えた。解離性障害なら、決め手はないものの治る可能性はある。
ふとした拍子に記憶が戻ることがある。それを「僕が治した」と言えるかどうかは別だが、少なくとも僕は
「治りうるものだ」と彼に伝えたかったのだ。
「そうか」
静かに答えるクロン爺の瞳の奥には、切なさや哀しさといったものが見て取れた。彼のルーラへの想いは、きっと僕の想像を超えるものがあるのだろう。それはきっと、「気がある」という下世話なレベルの話ではないのだ。
「実は、儂たちはな、昔ルーラとパーティーを組んでいたんじゃ」
「儂たち?」
「あとはアタシだよ」
後部座席のリタが口を挟む。
「アタシと、クロン、ルーラでパーティーを組んでいたんだ。そのときもあの『歯』の化け物が出てな」
なるほど、そうだったのか。ルーラ達はあの化け物に合うのは初めてではなかったのか。緊急事態省が結成されたのは、それがきっかけか。
「えっ、じゃあお前いくつなんだよ」
運転席のゾロがさらに口を挟む。
「うるさいわね。レディーに歳を聞くもんじゃないよ。このポンコツが」
「いやだって、ルーラやクロン爺さんと組んでたってことは、結構な歳……」
「うっさい!」
にわかに夫婦喧嘩が始まった。確かにゾロの気持ちもわかるのだが、歳を知らないまま結婚していたゾロにも驚きだ。
そして、ふいにルーラに目をやったとき、僕は驚いた。




