クロン爺の隠していたこと
まさか。
「いや、僕です。プラムで居候している無能のデュロ」
もはや、自分でも狼狽えて何を言っているのかわからない。
「ルーラ、儂がわかるか」
クロン爺も声をかける。意外と落ち着いているのが、少し気になった。
「ルーラ?」
一方ルーラは自分の名前にすら、不思議そうな反応を見せていた。
「ま、まあ。何があったか知らないけどよ、ちょっと寝ぼけているんだろ。な、な。
とりあえず、リタの魔法が切れないうちにずらかろうぜ」
「そうですね。ゾロさんの言う通りだわ」
そう言って、レクサはルーラを助け起こす。ルーラが重装備であるにも関わらず、軽々としたものだった。
そのあと、皆無言で乗り込み、ゾロゾロ号は出発した。ルーラを救出できたというのに、重苦しい空気が漂う。
移動を開始して、1時間ほど経過した頃だろうか。隣に座っていたクロン爺がボソリとつぶやいた。
「やはり、ダメだったか……」
今がチャンスだ。僕は意を決して、クロン爺に尋ねた。
「ダメだったかとは、どういうことでしょうか」
「いや……気にしなくていい」
「いいえ、ずっと気になっていたのですが、クロンさん。何かをご存知ですよね?」
クロン爺はやや目を見開いて、僕を見つめた。
「仕方あるまいな。こうなったら、皆に知ってもらう必要があろう」
クロン爺はゆっくりと、言葉を選びながら話し始めた。




