突然出現したもの
「お、お、その声は……」
ワンテンポずれて、ゾロが、リタに気が付き振り返ろうとする。
「運転中ですよ。後ろみないで!」
それを見たレクサが、注意する。そしてその直後、ゾロが大きな声を上げた。
「おお、おっ。アー―――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーーーッ」
ガラガラガラガラ。ドンドンドンドン。
大きな音を立てながら、ゾロゾロが前後左右に揺れ、急停止する。その弾みで僕は前方に放り出され、前のシートに頭をぶつけた。鈍い痛みが走る。
「ちょっと、何やってんだい。いくらあたしが美しいからって」
「ち、違う違う。みんな、外に出てみろよ」
ゾロの声は震えている。
「一体何なんじゃ……」
今の衝撃で、さすがにクロン爺も目が醒めたようだ。
そして僕も含め、皆がおそるおそるゾロゾロ号の外に出た。
最初は、何がどうなっているのか全くわからなかった。
頭が追い付かなかった。
やがて、目の前の状況を認識しても、やはり理解できなかった。
そこにあったのは ≪穴≫
巨大な黒い穴がそこにはあった。森も道も魔物も空も何もない、漆黒の巨大な巨大な穴が。
一体、これは何なのだ。
何なのだ⁉




