皆の想い
「ごめん、言い過ぎたよ」
そう口にする僕の目には、レクサの顔に、朋美の顔が重なって映る。一度、朋美と大喧嘩したことがあった。朋美はいつも僕の役に立とうと頑張るのだが、彼女自身の悩みには指の先程も触れさせてくれなかった。全く何もなかったかのように振る舞う。それが辛くて、今みたいに僕は彼女に声を荒げてしまったのだ。
「いいえ、私が悪いの。ごめんね、デュロ。いつも私のこと考えて動いてくれているのに」
「レクサや。ここにいる皆は、同じ想いだと思うぞ。言うまでもなく」
クロン爺の言葉に、ゾロも大きく頷く。
「うん、俺たちはルーラを助けたくてここまで来たんだ。この奥にある真実が何なのかは知らないが、だからといってその気持ちは何にも変わらねえ。
みんなでこの先に行くのが、俺たちの願いだよ」
「本当に皆さん、ごめんなさい」
とうとう瞼にとどまり切れなかった涙が、ボロボロと頬を伝ってこぼれ始めた。
「誰も悪くないんじゃよ。皆の想いは一つ。さあ、後少しでレスリンの泉に着く。皆、気をつけて進もう」
クロンの言葉を合図にしたかのように、皆ゾロゾロ号に乗り込み始めた。この先に一体何があるのだろうか。僕は、ようやくわずかな恐怖が、心の中心に湧き出しているのを実感した。




