深まる謎
「だから、ルーラが失踪したときに、『レスリンの泉じゃないか』とおっしゃったんですね」
「デュロくん、その通り。レスリンの泉は、ルーラにとって因縁の場所。可能性があるとしたら、多分そこにいるのではないかと思ったんじゃ。それに……」
「それに?」
クロン爺は、一瞬とても寂しそうな目をしたような気がした。
「い、いや、何でもない」
クロン爺の反応に、妙な間が空く。
「それでよ、ルーラ達のパーティーはどうなったんだい」
この空気感を打破するように、ゾロが口を挟んだ。
「ルーラさんたちは、キシル山脈の奥で魔王を発見したんです。そして戦い、魔王の首をとって奇跡的にパーティーはほぼ無傷の状態で帰ってきた。人々は彼女のことを『伝説の女勇者』と称えたんです」
クロン爺の代わりに熱く答えたのはレクサだった。
なるほど、だからレクサはルーラに憧れていたのか。レクサも家族を魔物にさらわれていたから。
しかし、いくつか腑に落ちない点がある。
なぜルーラは、そんなに強かったのか。
そして、なぜこの村の人は、英雄のはずのルーラの過去をあまり知らないのか。
逆にレクサとクロン爺はなぜこんなに詳しいのか。
僕にとっては「違和感」しかないことが沢山ある。
「まあ、話始めたらキリがない。とりあえず出発しよう」
そう切り上げるクロン爺を見て、僕は思った。この人は多くの何かを隠している。




