伝説の女勇者
「え、なんだって。あのおばちゃん、勇者だったのかよ」
僕が口を開く前に、ゾロが口を開いた。
「まあ、ルーラは過去の話はしたがらなかったからな」
「ルーラさんって、あの伝説の女勇者のことですよね?私は彼女に憧れていたんです」
やや場違いな大きな声に、皆がレクサの顔を見る。
クロン爺は少し考えてから、口を開いた。
「うむ、そうじゃ。彼女は語りたがらなかったが、ここの皆には知ってもらう必要があるな」
「伝説の……女勇者?」
「なんだよ、兄ちゃ……いや、デュロ。お前も何も知らないのかい」
「はい」
ルーラは、そういえば自分のことは何も語ろうとはしなかった。ただ客から漏れる言葉から、過去にだいぶ荒くれていたと聞いたことがあるだけだ。
「昔、この世界に大きな異変が起きたことがあった。あちこちの村に魔物が出現して、人を襲い始めたのだ。その原因は、キシル山脈の山奥にあるのではないかという憶測が流れていた。
ただ、それまで人も魔物も、お互いに干渉せず平和に生きていたから、調べに行くための部隊がなかったのだ。
そこで当時の王は困って、腕に自信のあるものを募って、急遽パーティーを作ろうとしたのだ」




