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無能な僕はこの世界で、精神科医の夢を見る  作者: 精神科医Tomy
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36/112

安否

「シャドウか……。その名前、(わし)は久しぶりに聞く。ん、ということは?」

「そうです。すぐゾロさんの店に行かないと」


 レクサは、言うや否や、防具屋の方に向かって駆け出した。

 同時にクロン爺も駆け出そうとしたが、バランスを崩してよろめく。

「くそっ」


「クロンさん。兄ちゃん。俺たちは、こいつに乗っていこう」

 いつの間にかゾロはゾロゾロ号に乗り込んでいた。クロン爺と僕も、彼に誘導されるままに乗り込む。乗り込んだ瞬間、ゾロゾロ号はガクンと揺れ、急発進した。


「うお」


 予想外のスピードだ。僕もクロン爺も、シートの上部の取手に必死にしがみつく。何度か村の交差点を急旋回し、やがて防具屋が見えてきた。


 窓から見える防具屋には、立ち尽くして足元を見下ろすレクサの姿。何かが転がっていた。僕達の方に気が付いたレクサが、悲し気に此方(こちら)を見る。


「くそ、ダメだったか!?」

 クロン爺が叫んだ瞬間、ゾロゾロ号は停止した。

 ゾロ、僕とクロン爺は、転げり落ちるように降りた。


「だめ、こっちに来ないで」

 レクサの悲痛な声がする。しかし、その言葉を守る者は誰もいない。


 その数秒後、僕たちは物言わぬリタを目撃することになる。

 彼女は防具屋の前に倒れていた。頭部から胴体にかけて、左側が綺麗な弧に削り取られていた。


 血の海であることにも臆せず、ゾロは(ひざまず)いて、亡骸(なきがら)を抱き寄せていた。

 最早声は出ない。ただゾロの背中が、ずっと震えていた。


 僕達も、何も言えなかった。その時間が無限にも感じられた。



 


 

 


 


 

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