ゾロの妻
ゾロゾロ号から降りてきたのは、黒の服に包まれた、黒髪の妖艶な女性。肌の色は透き通るほど白く、瞳の色と唇の色は鮮血のように赤い。恐ろしいほど美しいが、まるで魔女のようだった。これが噂のゾロの妻か。
「リタ、お前なぜ!」
ゾロのおやじが慌てふためく。
「なぜって、は? お前さんが何かゴソゴソしていたら、誰だって怪しいと思うだろうが。
んで、このポンコツ号でルーラ探しに行くわけかい?」
「ポンコツ号とは何だ」
「ポンコツをポンコツと言って、何が悪いんだ。このポンコツ」
登場早々、二人がいがみ合い始めた。なるほど、全くウマが合わなさそうだ。
「あの、『メイラ』で働いているレクサと申します。はじめまして」
見るに見かねたのか、レクサが妙なタイミングで自己紹介を始めた。気のせいか、表情が固く見える。
「あーら、はじめまして。かわいいお嬢さん。私このポンコツの妻、リタです」
シパアアアアアアアアアアン
ゴトリ。
次の瞬間、思い切り平手打ちをされたような音が響き渡り、何かが転がってきた。
それを見て、一人をのぞいて皆が大声を上げる。
なぜなら、転がってきたのは、リタの首だったからだ。




