パーティー結成!か?
「いやねえ、ルーラさんが行方不明だってんでねえ、俺にも何かできねえかなあと思って。
で、うち防具屋だろう? 余った材料使って、コイツ作ってたのよ」
ゾロは自慢気に「新幹線」のボディをポンポンと叩く。その瞬間、何かネジが落ちるような音がした。
「実は趣味で発明家やってましてね。女房には不評で捨てろって言われるんだけど。
で、これ自慢のお手製の車『ゾロゾロ号』。石炭があれば、いくらでも動きます」
皆が興味津々にゾロゾロ号を取り囲む。正直僕から見た感じは、夏休みの宿題の工作レベルだ。しかし、この世界の住民にとっては、充分凄く見えるのか、皆感心のため息を漏らしながら、興味津々に眺めている。
「ゾロさん、これ凄いわ。最先端の技術を持ってらっしゃったのね。見直しちゃった」
特にレクサの感心ぶりは著しく、少し目が潤んでいるようにすら見える。
「いえいえいえ、それほどでもあるかな」
「で、このゾロゾロ号に乗って、ルーラの捜索をしようというのだな」
「そうっすよ。クロン爺。こいつは5,6人は乗れますし。その辺の魔物からも身を守ってくれる。
ドラゴンクラスだとぶっ壊されるかもしれないが、この辺りにドラゴンはいない。
スピードも馬ぐらいは出るんですよ」
「ありがたい。貸してもらうぞ」
ゾロはニヤニヤしながら、僕らの顔を見渡した。何か言いたげなことがあるようだ。
「それでね、あのう………」
「なんだ」
「お願いがありましてね」
「なんだ、言ってみろ」
「俺も捜索隊に加わってもいいですか?」
僕らは思わず、クロン爺と顔を見合わせた。ゾロはどちらかというと臆病で(妻からも逃げ惑うぐらいだから)、捜索隊に加わりたいなどというキャラではないからだ。
「もちろんウェルカムですよ! ゾロさん。でも、奥様としばらく会えなくなりますよ。ご心配じゃないですか?」
「いや、会えないの万歳。えっと、というか、お互い一人の時間も大切かなって………」
僕はとっさに理解した。ゾロは、家に帰りたくないから同行したいのだ。
「えっ、でも素敵な奥様が………」
「はいはい、確かに素敵な奥様で。えとちょっと気が強くて、気が利かなくて、すぐに何か投げてくるわ………化粧が妙に濃いだわで」
ゾロのおやじ、最早何を言っているのかわからない。
「誰が化粧が濃いって」
ゾロゾロ号の中から、ドスの効いたハスキーな女性の声。
皆が声の方向に顔を向けた。




