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謎の音
「じゃあ、すぐ出ようか」
クロン爺は、ルーラのことが心配で仕方がないのか、落ち着きがない様子だ。
「ちょっと待ってください。この三人で行くんですか?」
僕は思わず声を上げた。
レクサは勇者だが、パニック障害を抱えている。薬はできたものの、どれぐらい効果があるかわからない。クロン爺は高齢で、足腰はだいぶ弱っている。そして僕は戦闘能力が0だ。この面子で、あの魔物だらけのエリアを抜けるのは無謀すぎる。
「ちょっと、儂らだけじゃ難しいかな」
「だと思います………」
しばらく、皆黙り込む。各々考え込んでいるのだろう。
この沈黙を最初に破ったのは、レクサだった。
「ねえ何か、変な音が聞こえてきません?」
確かに、ガラガラガシャガシャと空き缶を引きずるような音がする。
さらにその音が、だんだんと大きくなってきた。
「おわ、ありゃあ、なんじゃあ」
クロン爺が音の主を見て、大声を上げた。




