異常
全身の身体の火照りに、僕は眠りの深淵から引き上げられた。まだ目は開けぬとも、外がだいぶ明るいのがわかる。そして、いつもより暑い。あることに思い当たり、寝ぼけた頭が水をかけられたように急にはっきりする。この感覚はまさか。
僕は、目を開けた。いつもなら、天井窓から差し込む光が僕の首元に当たっているはずだ。しかし、その光は僕の足元に当たっていた。陽が、もう高くなっていた。
まさか、僕は寝坊したのか。
僕は飛び起きて、ベッドから降りた。
今、何時だ。
慌ててベッドから飛び降りる。周りを見渡したが、いつものような残飯の入った麻袋はどこにもなかった。代わりに扉の下の隙間から差し入れられた、一枚の小さな紙を見つけた。僕はそれをぱっと掴んで裏を見た。
「おはよう。ねぼすけ。
今日は特別な日だ。朝食を作ったが、お前の口に合うかどうかはわからない。
一階までゆっくり降りてきなさい。
ルーラ」
ルーラというのは、女主人の名前だ。女主人から「無能」「無能」と呼ばれ続ける腹いせに、僕はこの名を口にしなかった。心の中で呼ぶこともしなかった。だからうっすら忘れかけていたが、彼女の名はルーラだ。
そういえば、妙に静かだ。僕はその紙切れを握りしめたまま、扉の外に出た。やはり、人気を感じない。僕は辺りを見回しながら、慎重に階段を降りていった。
いったい、何が起きている!?




