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無能な僕はこの世界で、精神科医の夢を見る  作者: 精神科医Tomy
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22/112

女主人との対決

 その朝、何がしかの怖い夢を見て突然目が覚めた。相変わらずの埃っぽい屋根裏部屋の中に、僕はいた。昨日は珍しく寝つきが悪かった。今日はどうやって女主人にお(いとま)を申し出るか、ずっと考えていたからだ。

睡眠中に計画を立てていたのか、寝る前は方向性が決まっていなかったが、今はもう決まっている。

 以前の世界で、寝る前に解けなかった数学の問題が、朝になったら解けていることが時々あった。あのときの感覚と似ている。寝不足のはずだが、アドレナリンが出ているのか不思議と疲れは感じない。むしろ、元気なぐらいだった。


 しばらくして、ぶっきらぼうで無配慮な足音が聞こえてきた。


「おい起きろ、無能」

 大きな銅鑼声と共に、扉が勢いよく開く。

 

 今だ。


「おはようございます。あの、後で大切な話があるので、お時間いただけませんか」


 僕の声に、一瞬全てのエネルギーが吸い取られたかのように、女主人が静かになった。

 ほんの数秒だが、まるで時が止まったように感じる。


「ふうん。そうか」


 一言発したあと、女主人はこう続けた。

「『後で』などとちんたら言わずに、今言いな」


 僕は後でタイミングを、見計らって言うつもりだった。焦りの汗が額ににじむのを感じた。

 僕は板張りのベッドから飛び降り、土下座した。


「あの、お(いとま)をいただきたいと思います」


 何か大声が飛んでくるはずだと思っていたが、何も飛んでこなかった。むしろ女主人は、無表情で、驚くぐらい静かだった。それが逆に恐ろしく感じた。


「いいよ」


 拍子抜けするほど、あっさりと女主人は答えた。そこに何にも感情は感じられなかった。


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