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無能な僕はこの世界で、精神科医の夢を見る  作者: 精神科医Tomy
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女主人の攻略法

 女主人は、頑固だが、自分の利益になることには忠実だ。ただ「お(いとま)をください」では、全く相手にしてくれないだろう。しかし、それにより彼女が得をすると思わせることができたのなら、交渉できるかもしれない。

 女主人は、時々「王家とのコネがあればねえ」とぼやくことがあった。女主人の仕事、宿屋兼酒場は収入が不安定で景気に左右される。また、この地を収めるトレド王は、質実剛健な性格であり、この仕事についてはあまり好ましく思っていないようだ。そのため税金も高く、手厚い保証もない。このデエビゴの村には昔いくつか宿屋があったのだが、どこもつぶれて今は「メイラ」と、この店だけだ。

 しかも元々はこの店の方が人気だったのだが、最近は「メイラ」のほうが勢いがあり、だいぶ客も取られている。噂によれば、「メイラ」の一人息子が、王女の同級生とのことだ。また、女主人には夫も子供もいたようだが、本人の気の荒さもあってか、ずいぶん前に家を出ていったらしい。そのため彼女の心の拠り所は、この宿だけなのだ。だからああ見えても内心は焦りを感じているようだ。

 そこで、僕は考えた。僕が王家の使用人として応募する。もし合格したら、自分の手当は全部女主人に渡す。もちろん、できる範囲でこの宿も手伝う。そしてこの機会を利用して、僕が王家に上手く取り入る。元精神科医の僕は、さりげなく人の心を掴むのには長けている。夜の「居酒屋タイム」を僕に任せているぐらいだから、女主人はもそのことは認識しているだろう。僕が王家に奉公に行くことで、女主人も充分な恩恵を受けられるはずだ。

 そして、僕はここから出るチャンスを得られる。おそらく公職である王家での仕事のほうが、ここより余裕があるはずだ。また、通勤の時間の合間に、治療の時間を作ることもできるだろう。このアイデアは、試してみる価値がある。


  考えがまとまった僕は、早速この提案を女主人にすることにした。かなりの確率で、上手く行くはずだ。作戦決行は今日から一週間後。レクサに「抗不安薬」を渡し、今後の治療についての話し合いをした後ぐらいがいいだろう。


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