表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能な僕はこの世界で、精神科医の夢を見る  作者: 精神科医Tomy
Start

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/112

女勇者の慟哭

 今度は、村から歩いて1里ぐらい行ったところで発作が起きました。しかもそのときは魔物にすら遭遇していなかったんです。


 森の中で歩きながら、前日の発作のことをほんの一瞬、考えたんです。そうしたら、その思いが夕立前の黒雲のように一気に広がってきて………。


 あ、いけない。考えるの止めなきゃって慌てて打ち消そうと思いました。でももう遅かった。


 その黒雲は、1が10となり1000となり、あっという間に私を取り囲みました。呼吸がまたできなくなって、その場に私は座り込んでしまいました。呼吸困難感、激しい発汗と動機、手足の痺れと痙攣。何よりまた発作が起きてしまったという絶望感。その中で、私は「私はここで死ぬのかもしれない」とぼんやり思いました。


 その発作が落ち着くまで、数分ぐらいだったかもしれません。でも、実際には数時間にも思えました。何とか動けるようになった私は、駆け出していました。一刻も早く、この村に帰れるように。


 そして、それからもう1年以上も経ちます。何度も私はこの村を出発しようと思うのですが、「またアレが起きたらどうしよう」と恐怖に包まれ、出発できないのです。そのうちに「出発しよう」と考えることすら怖くなってきました。


 その間私は「メイラ」の宿屋に滞在していたのですが、蓄えも無くなってきました。それで先月ぐらいから「メイラ」の酒場で働くことにしたんです。


 そこでお客様としてよくいらっしゃっていたゾロさんが、あなたのことを教えてくれたんです。


 ゾロさんは、あなたのことを「呪いを解除できる特別な僧侶だ」と言っていました。お願いです。私を、また旅に出られるようにしてください。


 臆病者で、どうしようもない私がまた勇者に戻れるようにしてください。


 私の人生には、これしかないんです。これしか………。



 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ