セナの能力
「恐ろしい計画って?」
僕は朋美、いやセナに尋ねた。彼女の瞳の色が、一瞬エメラルドに変わったように見えた。
「その前に、私の能力について知ってもらおうと思う」
「能力? ありとあらゆる魔法が使えるのだろう?」
セナはゆっくり首を横に振った。
「もちろんそうだけど、多分私にしか使えない特殊な能力があるの。それを理解してもらわないと、多分これから私の言うことが、理解してもらえないと思う。これを見て」
そう言って、セナは右手を伸ばした。そして人差し指で小さく空に円を描いた。
「これは……」
円を描いた部分が、エメラルド色に光った。やがて光が消え、その向こうに何か別の空間が見える。ちょうど空間の真ん中に、円形の窓が出現したかのように見えた。
「昇、ここを覗いてみて」
僕はおそるおそる、その「窓」に近づいた。窓の向こうには、森のようなものが見える。ただ、これは。
「えっ、もしかして」
僕は思わず大声を上げた。そう、普通の森のように見えるが、植物が明らかに違う。これは以前の世界の植物だ。また、小さな魔物のようなものも見えた。
「そう、この向こうに見えるのは、姉さんたちのいる世界よ」
「セナ、君の力は一体……」
セナは一瞬、なぜか寂しそうな顔をした。
「私の固有の能力。それは、他の世界とリンクする能力なの」




