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無能な僕はこの世界で、精神科医の夢を見る  作者: 精神科医Tomy
New World

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真相

「朋美、いや、セナというべきかな。驚いたよ。あっさり認めるんだな」


一瞬エメラルド色に光りかけた彼女は、光を失い元の朋美に戻った。

「いや、朋美でいいよ。昇が良ければ。私も、まさか貴方が直接聞いてくるとは思わなかった」


「僕も、どうしていいかわからなかったからね。だから直接聞いてみた」


朋美は、またいつもの笑顔を取り戻していた。

「そんな貴方なら、私がどう答えるかもわかっていたんじゃない? それが真実ならあっさり認める」

「そうだね。本当は大して驚いていないよ。でも多少は誤魔化すのかなと思った」


「誤魔化しても仕方ないじゃない」


そして僕は気が付いた。朋美の大きな目にいっぱいの涙が蓄えられて、今にも零れ落ちそうになっていることに。


「貴方が目を覚ましたあと、私達二人、以前と違ったでしょ」


朋美に言われて、はっと気が付いた。確かに目が覚めて、あれだけずっと切望していた朋美との時間が戻った。肉じゃがの味も、朋美の笑顔も優しさも、何ら変わらないように見えた。


でも、確かに以前とはちょっと違ったのだ。


それはレクサ達との時間が「ただの夢」とされていることに対しての違和感。

そして、今いるこの世界に対する不信感が生んでいた。

僕には感覚的にわかっていた。あの世界が夢や幻ではないことに。

もしそれが夢で「一件落着」とするのであれば、この今いる世界自体が不確かなのだ。


そのせいか、朋美との時間からも、以前のような充実と輝きが失われてしまっていた。


「これから、もし貴方が聞きたいのならば、全てを私は話そうと思う。

 ただ、勘違いしないでほしいのは、全ては貴方のためにやったことなの。

 わかってくれる?」


僕は小さく(うなず)いた。


きっと、彼女が正しいかどうかはわからないだろう。でも、僕の為にやろうとしたのだと、それぐらいはわかる気がした。


「ありがとう。じゃあ、全てを話すね」

朋美は(おもむろ)に口を開いた。



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