表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能な僕はこの世界で、精神科医の夢を見る  作者: 精神科医Tomy
New World

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/114

違和感

それから一か月。


以前の世界であれほど戻りたかった世界。あのときは、強く意識しないと忘れてしまうんじゃないかと思う程、はるか昔のことのように感じていた。


しかし実際に戻ると、一瞬で感覚は戻ってきた。全くブランクは無かったかのように、違和感なく。いや実際に、ブランクは無かったようだ。僕が列車事故に巻き込まれて、意識を失っていたのは、ほんの1日ほどだったらしい。幸い、後遺症が残るような怪我は一つもなかった。ただ頭を打ったようで、丸一日僕は寝ていたようだ。


つまり、レクサやルーラ、ゾロ、リタ、クロン爺、その他の仲間たち。彼らとの日々は、ほんの一日の間に見た夢だということになる。


「ハハハハハ」


「なあに、気持ちの悪い。『ハハハハハ』と笑う人、本当に要るのね」


いつの間にやら、僕は乾いた笑いを声に出していたようだ。


「ごめん、朋美。ちょっと思い出し笑い」


「さあ、ぼうっとしてないで、ちゃんと夕食食べてよ。今日は、昇の好きな肉じゃがでーす」


そう、今僕の目の前には、想像上でもなく、彷彿とさせる他の料理でもない、本物の肉じゃががあった。退院してから、初めて作ってもらった肉じゃがだ。


「おおう」


僕はたどたどしく箸で中ぐらいの芋をつかみ、口の中に放り込む。うまい。少し甘めで、出汁の効いた朋美の肉じゃが。もう二度と食べられないと思っていた肉じゃが。


「どう?おいし……」


「美味しいよ!」


朋美の言葉を遮る勢いで、僕は言った。

「良かった。これね、私の地元で作っている白醤油っていうのがあってね、それ使っているの」


「そっか、……ん?」


何か胸にざわざわっと波が来る。これは、「警戒しろ」と僕の心が叫んでいるときの兆候だ。


「ねえ、その白醤油味見できる?」

「もちろん」


朋美はテーブルから立ち上がると、キッチンに向かった。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ