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第一話 転生

小中高大と無事に卒業した俺は、童貞だけは卒業できないまま、就活でも大コケし、それから10年。

俺は健康で立派な引きこもりになっていた!


しかしそんな俺にも出かける日はある。

今日がその日だ!


家出て15分先のコンビニは、ジ〇ンプを1日早く売ってくれるのだ。

先週の展開はアツかったな…!!

思い出してニチャついていると、自然と足早になる。

「ちょっと近道するか。」

農道、というかほぼ山道に入ったのが間違いだった。


バコーーーーン!!!


凄まじい衝撃に俺は吹っ飛んだ!!


洗ってなさそうな白軽トラから2人のおっさんが出てくる。汚え茶髪だな。ド〇キかよ。

「やっべ!!人じゃん!!!お前がアーバンベアとかイノシシとか言うから怖くて何なら助走付けて跳ねちゃったじゃん!!

うわーーー…警察?救急?」


「バッカ野郎両方だよ!!まだ生きてんだから!!」


……俺を跳ねたらしい奴らの声が遠ざかっていく。

やべ、俺……死…

まだ童貞なのに。童貞、なのに………




「おめでとうございます!あなたは転生しました!」


「……え、まじで??俺転生したの?

本当に…あったんだ……!!」


「最近のオタクは話が早くて本当に助かりますね!」

あれ今俺罵倒された?


「とりあえず、簡単に今後の説明をしますね♪」


正直ワクワクが止まらん。魔王討伐?それとも邪神?ドラゴンも捨てがたいし、討伐できたら是非一度食べてみたい。俺は何を倒すんだ??


「転生にあたって、あなたをつよつよにしておきました」


チートスキルきたー!!

俺は心のなかでガッツポーズをした。



やはりこうでなくては。

転生の醍醐味だ。


「つよつよ、ですか…(ゴクリ)」

「はい、それはもう、つよつよに。あなたの…ちんちんを」


「なんでだよ!!!!」

「だってそれは私…本業は豊穣の女神ですから////」


悲報:転生の女神、副業だった。



「ところで…さっき振る舞った紅茶。

実はあれ、……豊穣の秘薬入れちゃいました///」

冷やし中華始めました みたいに言うな。


「豊穣の…!?」

「はい!それはもうつよつよの。

紅茶の豊穣割りです」


それ多分秘薬の方が濃い。

水の焼酎割り的な。

言い方的にも、こいつのキャラ的にも。


「したいでしょ?豊穣。だから、転生したんでしょ?豊穣は転生の醍醐味でしょ……?」


主人公「いやいやいやいや」

俺がやりたかったのはそういう転生じゃない!!童貞だけど。童貞だけど!!!



豊穣の神は頬を染めてゆっくりと俺に近づいてくる。


やめろ。無意味に谷間を寄せるな。というか当たってる。

顔が近い。

近い近い近い!!


「ほら、豊穣したくなってきた」


女神の柔らかそうな唇が近づいてきて、果実みたいな甘い息が俺にかかる。

こんなの…ダメだダメだ!俺の豊穣が豊穣してしまう!!


「私と…しましょ?豊穣/////」

「うわぁぁぁぁあ!!」


ダメだ、このままじゃなし崩しだ…!

俺はギュっと目を瞑った。




「「「「「そこまでよ!!!」」」」



バターン!!!

「!?」

「チッ」

ものすごい音で扉が開いて、俺と豊穣の女神は振り返った。


え、ていうか今舌打ちした?


扉の向こうには、超絶美幼女からお姉様まで、ものすごい美少女軍団が大挙していた!!


「全くお前は油断も隙もねえな!この私の目が誤魔化せるとでも思ったのか?」

背も乳も犯罪的な巨女が叫んだ。


…かと思うと、これはこれで別の意味で犯罪的な美幼女がぷくーーっと頬っぺをまん丸に膨らませている。

「あー!またえっちなことしてる!そういうのは お嫁さんしかやっちゃいけないんだよ!」

ま、まあ神だから、実年齢は多分数千歳とか、そういうやつだろう!


と思っていると、いかにも「図書館のお姉さん」然とした眼鏡のお姉さんが、「豊穣」に説教をはじめている。

「そ、そそ、そういう破廉恥なのはいけないと思います!というか今あなた…「転生」の方の職務中じゃないですか!」

「あーら、あなたはもうちょっと、「豊穣」したほうがいいと思うわよ?そのつるぺた、千年前から変わってないわよ。ププッ」


「あらあら、ウフフ……お姉さん そういうのは、あんまり良くないと思うなぁ……

この間の「お仕置き」と「お約束」、もう忘れちゃったのかしら?」

ウェーブがかった金髪のお姉様は頬に手を当てて一見困った様子だが、……笑顔を崩す気配がない!これは曲者だ。


それで…こっちはあれか?今流行りの「のじゃロリケモ耳ババア」か?モッフモフの狐耳をぴこぴこさせながらぷんっぷんに怒っている。

「そうじゃそうじゃ!儂ら、妻全員で決めたじゃろ?

抜け駆け禁止!二人っきりになっていいのは、旦那様からのご指名があった時だけじゃ!」


豊穣はその名に恥じない巨乳と巨尻をプルルンとさせて振り返った。

「え〜……私のせいじゃないわよ!

旦那様がこ〜んなに美味しそうなのが、いけないのよ!」

あるのがいけない!的な……?


「と〜に〜か〜く!!

ある程度人数も揃ったことだし、寝所に行きましょう?そのために、豊穣の秘薬を特盛りにしたんだから♡」


「ゲッ!それ全部飲ませたのか??常人なら死んでるぞ!?」


そうなのか!?

俺は青ざめた顔で豊穣の女神を睨んだ。

この豊穣サイコパスめ。


「もうっ、そんな怖い顔しないで♡

言ったでしょ?『常人なら』…って。

あなたに限っては、大丈夫よ。


ねっ、私たちの『最高神・ゼウス』様♡」



それ、なんか俺聞いたことある。

あの、ち〇ち〇がやんちゃ過ぎる超強い神……のはずだよな??


転生したら最高神になってた。美女軍団のハーレム付きで。それなんてラノベ?


ずっと俺TSUEEEEEEEE!!系に憧れてた。

ソシャゲとかめちゃくちゃ課金した。

だが……俺も男だ。こうなったからにはしてやろうじゃないか!豊穣!!

満喫しようじゃないか!!ハーレム転生!!


と、決意してみたものの。


「さぁ、参りましょう。私のゼウス様♡」


最高の美女軍団に囲まれ、それぞれに極上の淫靡な笑みを向けられてしまうと、俺はやっぱり、転生前の童貞モードになってしまうのだ。


「あ、あの………

優しく、お願いね?」


俺、これからどうなっちゃうの〜〜〜〜〜!?


第一話・完


多分続かない

リアクションあればやるかもしんない

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