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影踏み

作者: 紫苑

 僕と美奈は幼稚園からの幼馴染で、同じ中学校に入った今でもたまに二人だけで遊んでいる。遊ぶと言っても、鬼ごっこみたいな小学校の遊びの延長で、家も近いけどどちらかの家に行って遊ぶということもない。正直、僕はこの関係性にすごくモヤモヤしている。僕が彼女への恋心を自覚したのはいつからという明確な時期はないが、小学校の卒業式で一人だけ着物を着ていて、その美しい姿は今も鮮明に覚えている。このように彼女への恋心を持つ僕からすれば友達としか思われていないようなこの付き合いは拷問のようなもので、だからといって遊ばないという選択肢もないのでもどかしい。僕はどうすればいいのだろう。

 二月十三日、僕たちはいつものように公園に集まって遊んでいた。そう、バレンタイン前日である。バレンタインを全く感じさせない彼女の振る舞いはもはや僕を吹っ切れさせている。まあ友チョコはもらえるだろうからそれで満足か。ある程度遊んでもう帰ろうかと言う時に、美奈は最後の遊びを提案する。

「最後に影踏みをやろう!私鬼やりたい!」

無邪気に美奈は話すが、時間も時間で公園は影だらけだ。

「良いけど、ちょっと影が多すぎない?」

「うーん、そっか。残念だなあ。じゃあまた明日やろ!」

いつもはやりたい遊びは意地でもやるという美奈だが、流石に影に覆われて勝負にならないと諦めたようだ。結局今日はお開きとなった。というか明日はバレンタインデーなんだが。

 夜が明け、バレンタイン当日となった。昨日帰り道でも遂にバレンタインの話はなく、僕は既にお通夜ムードである。それをあざ笑うかのように太陽はまだ朝にも関わらず強く照っている。もはや学校にも行きたくないが一縷の望みをかけ、学校に向かった。美奈とは一緒に登校するなどは無いが、僕が少し遠回りして美奈の家の前を通るという自分でも気持ち悪いと思う登校の仕方で、たまに美奈と会うこともある。おかげで美奈がどのぐらいに家を出るかがわかるようになってきたが、美奈と会えるのは僕が彼女を見つけ追いかける時だけで、悲しいことに彼女が僕を見つけても僕のところに駆け寄ってくれることは無いだろう。だから僕は美奈がいつも家を出る時間より遅く出て、早足で美奈に追いつこうとするのだ。しかし、どれだけ速歩きで行こうと学校が近くなっても美奈と鉢合わせることは出来なかった。ここまで来てしまうと登校中には会えず、友チョコ一番乗りも出来ないなと、肩を落としてとぼとぼ歩いた。

 学校へと続く交差点を曲がろうとしたその時、僕は後ろからぎゅっと抱きつかれた。

「ふぇ?」

驚いて振り向くと、そこには美奈の顔が。顔は紅潮し、息も切れている。

「ちょっと歩くの速すぎ。走っても追いつかないかと思ったよ。」

「え、なんでこんな、、、」

「なんでって、だって私鬼でしょ?影踏みの。」

僕が振り向くと、彼女は腕を振りほどいて微笑んだ。見ると、僕の影がちょうど彼女の方に向いていて、彼女がそれを踏む形になっている。

「それはそれとして、ほら、これ。」

彼女は手に持っていた紙袋を差し出す。もしかして、これは、、、。

「ありがとう」

そう言って受け取り中身をちらりと見ると、箱に包装された何かが入っている。

「学校はもう近いし、バレたら面倒だから、帰ってから見て!」

「え、じゃあなんでいま渡すの?」

「ふふっ、何でも!」

僕が混乱して「なんで」としか言えなくなっているのをどうか許して欲しい。

「じゃあ、私は影を踏んだから、そっちが鬼ね!」

彼女はそう言うが、鬼に対して逃げようともせずただ微笑んでいる。僕は何をすべきかをなんとか理解して、彼女の後ろに回った。すると、彼女もくるりと回って、両手を広げて笑ってくる。そして、僕らはぎゅっと抱き合った。

どうも、作者の紫苑です。このような駄文を読んでくださりありがとうございました。本当に気持ち悪い文で申し訳ないです。もっと精進して良い文が書けるように頑張ります。

さて、「あとがきで宣伝するな」は鉄則ですが、私は今から宣伝をしようと思います。といっても私についての宣伝はしません。このような恋愛ものが好きな方に合うだろうなという作品をいくつか紹介し、勧めたいと思います。

『僕の心のヤバイやつ』...言わずと知れた神漫画です。読まないと損です。マンガクロスで連載してます。

『恋に無駄口』...あまり知られていないかもしれませんが、馬鹿やる男子たちの恋模様を書いた神作です。本当に素晴らしいですが、たまに共感性羞恥に襲われます。LINEマンガで途中まで読めます。

『月のお気に召すまま』...ヤバイです。マジで神です。次巻が楽しみ過ぎます。マンガMeeで途中まで読めます。

気になる作品があったら読んで見て下さい。そして恋愛マンガ沼にはまりましょう。作者はtwitterをやってないので、友達と語り合って下さい。あとがきという名の布教は以上です。何なら私の作品は読まなくていいのでこれらの漫画を読みましょう。良いバレンタインを。

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