第7話 性的な意味で(笑)
「今日も滞りなく終われたな。」
誰に言うとでもなく、事務所の向かいにある自分の家のドアを開けながらつぶやく。
10時に事務所を開け、17時に閉める。毎日その繰り返しだ。
ちなみに僕が来る前は、開けたり閉めたり、閉めたり閉めたりとほとんど休みだったらしい。
僕の好き時間に開ければいいよと言われたが、ちゃんと給料をもらっているのでお客が来なくても
毎日同じ時間に営業している。継続が大事なのだ。
そんな感じで1日の仕事が終わっり自分の部屋に入ると、
「お帰り〜。遅かったな。」
レイ君がおれのベッドに横たわりポテチを食べていた。
「いつも思うんだけど、鍵かけてあるのにどっから入ってるの?」
「まあ、いつものようにだよ、いつものように。」
毎回謎システムで入られているんだけど、もうあまり驚かなくなった。
「そんな事よりこんな本隠さなくてもいいんじゃね?誰も来ないでしょオレ以外に」
そういってレイ君は僕がタンスの中に隠していたコレクションを布団に並べだした。
「うわあああああああああああああ!何で隠してたものを、発掘して白日の下にさらそうとするんだよ!」
僕はあわててコレクションを手元に引き寄せた。
「いやいや、別に健全な青少年なら自然な欲求だろ。隠さず堂々と白日の下へ出しておけよ。やましくないんなら。」
「やましいんだよ! 僕は自分の性癖を他人と共有して堂々とできるほど剛毛の生えた心臓してないんだよ!」
「性癖とは、人間の心理・行動上に現出する癖や偏り、嗜好、傾向、性格のことである。性癖の「性」は、人の性格、性向、性質を指し、性的な意味ではない。by Wikipediaってことなんだ。ふ〜〜ん。」
「えっ僕は性癖って性的な意味だと思ってたよ。っていうか日本人の9割が性的な意味だと思ってるよ!」
「今日も滞りなく終われたな。」
誰に言うとでもなく、事務所の向かいにある自分の家のドアを開けながらつぶやいた。10時に事務所を開け、17時に閉める。毎日その繰り返しだ。
ちなみに僕が来る前は、開けたり閉めたり、閉めたり閉めたりとほとんど休みだったらしい。
僕の好きな時間に開ければいいよと言ってくれたが、ちゃんと給料をもらっているのでお客が来なくても毎日同じ時間に営業している。継続が大事なのだ。
そんな感じで今日も1日の仕事が終わり自分の部屋に入ると、
「お帰り〜、遅かったな。」
レイ君がおれのベッドに横たわりポテチを食べていた。
「いつも思うんだけど、鍵かけてあるのにどっから入ってるの?」
「まあ、いつものようにだよ、いつものように。」
毎回謎システムで入られているんだけど、もうあまり驚かなくなった。
「そんな事よりこんな本隠さなくてもいいんじゃね?誰も来ないでしょオレ以外に」
そういってレイ君は僕がタンスの中に隠していたコレクションを布団に並べだした。
「うわあああああああああああああ!何で隠してたものを白日の下にさらすんだよおおおおお!」
僕はあわててコレクションを手元に引き寄せた。
「いやいや、別に健全な青少年なら自然な欲求だろ。隠さず堂々と白日の下へさらしておけよ。やましくないんなら。」
「やましいんだよ! 僕は自分の性癖を他人と共有して堂々していられるほど剛毛の生えた心臓してないんだよ!」
「性癖とは、人間の心理・行動上に現出する癖や偏り、嗜好、傾向、性格のことである。性癖の「性」は、人の性格、性向、性質を指し、性的な意味ではない。by Wikipediaってことらしいよ。」
「えっ僕は性癖って性的な意味だと思ってたよ。っていうか日本人の9.9割が性的な意味だと思ってるよ!」
「いや、そんな決めつけは良くないと思うけど…だからゆずるも安心しろ!
君はいたって普通だよ。」
レイくんはそう言って生暖かい笑顔で僕を見た。
「その顔〜〜〜〜。」
僕は恥ずかしさのあまりコレクションを並べてドミノした。
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「そんな事よりゆずる。」
「そんな事って…まあいいけど、何?」
「やっとお前の疑問に答える事ができるようになったぞ!」
「えっ謎システムの事がついに解明されるの?」
「そうだ、まだ言えない事もあるが答えられる範囲で答えるぞ。」
言えないこともある事自体が謎なんだが、まあいくつか聞いてみよう。
「それじゃあ、何で会ってもいない僕のスマホにレイ君からメールが届いたの?」
「ああ、それは復讐、もしくは自分の死を覚悟してまで何かを成し遂げようとする強い意思を感知する能力がオレにはある。いくつものチェックが入るが、それをクリアーした魂のみがオレに至るわけだ。そしてコンタクトを取る。
もちろんオレの呼びかけに応えるか応えないかはその人の意思に委ねるぞ。」
ふ~んそうだったんだ。確かにあの時やけっぱちになっていて自分を犠牲にしてでも片桐に復讐するつもりだったからな。でもどうやってオレのメールアドレスを知ったかは謎のままなんだ。ま、細かい事はいっか。
「次の質問。レイ君の対価交換は病気を治しているの?それとも他の誰かと交換しているの?」
これも不思議なんだけど、僕の復讐の時は片桐と僕の右手内部組織を交換していたが、事務所に来る一般の人達にはお金と交換に病気を治していた。
つまり相手がいなくても単独で病気を治せる?
「いや、交換しているぞ。単独で病気を治す事は出来ない。」
「じゃあ、どうして…」
「これを見ろ」
レイ君はどこから出したのか何十枚もの写真を僕に渡した。
その写真には老若男女幅広い年齢層の人たちが写っている。
写真の後ろには名前、年齢、と黒星が5〜10個並べてある。
「これは何?」
「これが対価交換による交換相手だ。一般の依頼者からはオレの施術への対価でお金をもらい、こいつらの身体からお金を出した対価として依頼者に交換されるシステムだ。」
「えっ、何も関係ない人から交換されていたの?この人達に対価であるお金は支払われるの?」
「いや、こいつらにはビタ一文も支払われない。交換された事も、される事も知らずに生きている。」
「な、なんでそんな恐ろしい事を…」
僕はレイ君の説明を受け、レイ君が何か得体の知れない恐ろしいものに見えてきた。
「…ゆずるがこの話を聞いて恐怖感を持つ理由はわからなくもないが、オレには一切罪悪感はない。この世界に共通する倫理観も理解はするが、納得はしていない。」
この世界?レイ君はやっぱり…
「しかし、その写真の者達はゆずる達の倫理観に照らし合わせても悪だ。そういう者達に限定している。裏に黒い星があるだろう?それがその者達が犯した罪、魂の色を現したものだ。多ければ多いほど魂が汚染されている。
もう救いようのないぐらいにね。」
「救いようがない?っていうのはレイ君は救おうとしてる?」
「いや、救うだなんておこがましい事なんてしていない。っていうかそんな立場でもないしな。悪人にも良い人がいる、良いところがある。悪人の魂も平等に尊いなどと言うのが君たちの倫理観的に照らし合わせると正しい建前らしいが、俺からしたら魂が汚染されるというのはとてつもない悪行なんだ。生まれた時から悪い人はいない?いや、悪は産まれ落ちる前から悪なんだよ。君たちと僕の倫理観はかけ離れていると思うかもしれないけどね。納得してくれなくても良い、理解さえしてくれば。」
最初は得体の知れない者にみえていたレイ君だが「納得してくれなくても良い理解さえしてくればという」という言葉を聞いて、僕に意見を押し付けるのではなく理解させようという配慮がみえて少しうれしかった。
もっとレイ君の事が知りたいと思った。
性的な意味で(笑)
※ゆずるはノーマルなのでオチ的なギャグです。BLではありませんので悪しからず