第七話 少年と捕獲
「おはようございます。」
「おはよう、シロネ。」
「フォールも。」
「キュッ!」
ディルは荷物を整理していた。どこかへ外出するようだ。
「どこかへお出かけですか?」
「この間のオークの件が気になってな、情報収集に行ってくる。」
「そうですか。朝食は取っていきますか?」
「すまない、早めに出るとするよ、言ってくる。」
荷物を確認し終えたディルはそう言って出て行った。
「行ってらっしゃい。」
私はディルを見送ると朝食の準備に戻った。
今朝はトマトスープとベーコン、それからポテトサラダだ。
「私の料理スキルも上達してきたかな。」
魔導書に料理スキルが記載されているわけではないがそんなことを考えながら鼻歌交じりに料理をした。
・・・
いつも通り魔法の練習をしていると。
ドーン
大きな音がした。
「なに!」
急いで家を出て音がしたほうを確認すると、私と同い年くらいの少年がいた。
「魔王はいるか!」
少年は自分の位置が目立つよう光の魔法を使い照明を作っていた。
「どうしよう、ディルがいないから一人で何とかしないと。」
「フォールついてきて!」
「キュッ!」
そういって私は少年の前に飛び出した。
「魔王に何か用?」
「お前は誰だ。魔族か?」
「魔王は今外出中。それで、何の用?」
少年は怒っていた。
「よくも村のためにオーク討伐依頼を受けて兵士たちを皆殺しにしたな!」
「はい?何のこと。」
どうやらこの少年もビィーンに騙されているらしい。
「何の話?」
「とぼけても無駄だ!女だからって容赦はしない。いざ尋常に勝負!」
少年は剣を抜き走りこんできた。
「仕方ない。」
「水の巫女・風の妖精・真の眠りで・包み込め」
「スリープ」
剣を落とし少年はその場で倒れこんだ。
このまま放置するわけにもいかないし...。
「連れて帰るしかないか。少年捕獲。」
はぁ、とため息をついて少年を担ぎ上げた。
「ディルに怒られるかな。」
どうも、小説家になろうで投稿させていただいています。初心者ライターのかぼちゃパイです!
第八話に繋げるため今回は少々短めです。今後の展開にご期待ください!