第四話 力と文言
私はシロネ、魔王の後継者として転生させられた人間だ。
今は魔族を守るという魔王の役目を果たすために必要な力をつけるため修行をしている。
「ディル。どうしたらもっと威力の高い魔法を使うことができますか?」
もうこの世界に転生してから五日が過ぎた。いつものように魔法の修行をしている時のことだった。
「イメージの強さ、魔力のコントロール、そして、も魔法を使うときの文言によって決まる。」
「例えば、魔法で風を起こしたいとしよう。その時に魔力が多く流れるイメージをすれば強い風が吹き、少量ならそよ風が吹くといったかんじだ。」
「なるほど、イメージについては分かりました。では、文言とは?」
文言とは魔法を唱える際、魔力をより理想の現象として発現させるために自分のイメージと魔力を関連付けるためのものだ。
文言をあみだとすると、魔法を唱える時に脳内に散らばっているイメージを文言を使って救い上げる感覚だ。
「また風で例えてみよう、強い風を起こしたい場合の文言は暴風や嵐といった文言を使うとより威力の高い魔法を使うことができる。」
「逆に、弱い魔法を唱えたいときはやわらかいとか安らかといった文言を使うといいということですね。」
「その通りだ。」
私は最初にディルにあったとき、自分の足を治してっもらった魔法を思い出した。
「それじゃあ、私の足を治してくれたあの魔法もイメージを関連付けることができれば唱えることができるということですか?」
「ああ、可能だ、しかし、シロネの魔力量ではまだ難しいな。」
「我の魔力量は108150、あの魔法は唱えるのに魔力が500いる、クラス4の魔法だからそれくらいは当然だ。」
「私はレベル6、魔力量はまだ42、まだ当分は難しいですね。」
魔法は威力や効果範囲によってクラス分けされている。クラス1からクラス9までだ。
よほど特殊な存在じゃない限り通常の人間が生涯修行しても使えるのはクラス3の魔法がが限界だそうだ。
「ちなみにディルが使える一番強力な魔法はどんな魔法ですか?」
ディルは少し悩んでから話し始めた。
「強力な魔法は特定の条件下でなければ発動しないものが多いんだ。特にクラス9ともなればなおさらな。」
「だが、今発動可能な魔法なら見せることができるぞ。」
「本当ですか!」
「ああ、正し、魔力を抑えた縮小版の魔法を放つ。今話しているのは文言の話だからな、よく聞いて自身の魔法につなげるのだぞ。」
そういうとディルは顔つきを変えた。
私ものどを鳴らしその光景に視覚、聴覚を集中させた。
「火の魔神・風の妖精・陰と極を縛りて・大火の咆哮を唸らせ・全を無に返す神撃を下せ」
ディルの魔導書から赤が混じった黒い炎が竜巻のように吹き荒れた。その直後目を閉じても視界が白に染まるほどのまぶしい光が発生した。
そして、ガスコンロから出るくらいの炎が一瞬起こった。
「えっ、あんなすごそうな魔法を唱えてこれだけですか?」
「いっただろ、魔力を抑えると。今のはクラス6の魔法「ダーク・ヘクライザー」もし我が本気で今の魔法を唱えていればレインの三分の二が大穴に変わっていたぞ。」
あまりにも大きすぎる話にイメージがわかなかった。
「これで分かったな、魔力とイメージをより強く結びつけることで強力な魔法となる。そしてそのためにあるのが文言ということだ。」
「それじゃあ、少し休憩にでもしようか。」
「は、はい。」
私はどれだけ修行を積めばこんな魔王になれるのだろうか...。
どうも、小説家になろうで投稿させていただいています。初心者ライターのかぼちゃパイです!
魔法にはだれしもあこがれやロマンを持つものですね。この話を書いている時が今まで投稿してきた話の中で一番ワクワクしながら書くことができました!皆さんにも楽しんでいただきたいです!