気付く想い
あの日から時々藤堂さんとご飯を食べに出掛けたり、寝る前の少しの時間、電話で話したりしている
藤堂さんはそんなにおしゃべりではないけど、それでも私が話しやすいように話題を振ってくれたり、質問してくれて
それに時々ある無言の時間もなぜか苦痛ではなく、むしろ心地良さを感じている
日に日に藤堂さんのことを考える時間が増え、連絡がない日は今電話掛けても大丈夫かな?って考えたり
会えない日は淋しいなって感じたりするようになってきている
私は彼のことをどう思っているのかな
男の人の事をこんな風に考えるのは初めてで、自分の感情なのにわからなくて戸惑っている
だけどあんなにおっきな会社の社長さんで、当然仕事もできて、あんなにかっこいい大人の男の人で
でも私はまだ学生で、自慢できるものなんて何一つなくて
何より私は健康な身体じゃない
両親が自分の命と引き換えにして守ってくれて、歩けないって言われてたのを頑張ってここまで歩けるようになったことは、少しも恥じる事じゃないと思っている
それでも、それでもあの日、藤堂さんの会社の受付で見た美人で仕事だってできる大人の女の人の事を思い出すと
藤堂さんの傍にいるのは間違いじゃないかって
そこは私の場所じゃないんじゃないかって
もっとふさわしい人がいるんじゃないかって
どうしても考えてしまうんだ
あぁ、いろんな事を考えてたって
結局は
藤堂さんの傍にいたいって
ふさわしくなくても、もっとお似合いの人がいるかもしれなくっても
私が誰よりも傍にいたいって
藤堂さんの横は私の場所だって
そう思いたいんだ
まだ出会って少ししか経っていなくても
私は
藤堂さんのことが好きなんだ
いつも厳しい顔をしていても
私を見るときはその目の奥が優しくなる事を知ってる
私を呼ぶ声が優しいって事を知ってる
その腕の中が
誰よりもあったかくて居心地がいい事を知ってる
私はこんなにも藤堂さんのことが好きなんだ




