わからない気持ち
「美桜!こないだは大丈夫だった?
昨日休んだのに連絡もないし、こっちからの連絡にも返事がないし心配したのよ!」
学校に行くと門の前で待っていた優子が飛んできた
結局昨日は休みなさいと言われ
何故か藤堂さんもお休みして1日あの部屋でのんびり過ごしてしまった
藤堂さんはあまり喋る人ではないようで、どちらかと言うと静かな時間が過ぎたんだけど、不思議と居心地が良くて時々交わす言葉が妙に暖かくて
あまり自分の気持ちを素直に話すほうではないのに、気付いたら色々話していた
「ねぇ、あの人お姉ちゃんの会社の社長さんでしょ?知り合いだったの?」
昨日のことを思い返していると心配した優子が顔を覗き込んできた
「あ、違うよ!知り合いっていうか、ほら、ちょっと前に桜を眺めていて待ち合わせに遅れたじゃない?その時見かけた人だったのよ」
「あぁ、かっこいい人がいたって珍しく美桜が言ってた人のこと?」
「そうそう。まさかあんなおっきな会社の社長さんだとは思わなかったよ」
「そう。でもなんだかそれだけじゃない雰囲気だったんだけど
こ〜んなに可愛いのに浮いた話どころか必要以上に男の人に関わらない美桜が、あんな風に抱きかかえられてるなんて。しかも嫌がってなかったよね?」
そうなんだよね
不思議と嫌じゃなかった
それどころかもっと一緒にいたいって思ってた
なんでだろう
「ま、いいや。無理には聞かない。でもなんかあったらすぐ言うんだよ!」
「うん!」
優子はいつもこうやって私が話したくなるのを待ってくれる
無理やり聞くなんてこと絶対しない優しい子
自分でもわからないこの気持ちを人に話すなんて無理で
今はこうやって待ってもらえるのがありがたい
自分の気持ちがわかったらちゃんと話すからその時は聞いてね




