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異次元戦争  作者: 島崎 海成
第三章 日常生活(仮)
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地獄のハイウェイ

 「おーい、朝だぞ」


 やる気のない声と共に、誠は頭をかき、あくびをしながら体を起こした。昨日誠の体を借りて色々しでかしたクアトロだったが、今はもうおとなしい。


 起こしに来たのは、能力者担当の教官キース・ヤングだ。ぼさぼさ頭にやる気はないが優しそうな目。だらけ切った服装をしているが、それとは対照的に体は鍛え上げられている。


 「訓練の準備しなー。早くしねえとマクロスにおはようのアッパーカットくらわされるぞー。」


 なんだよおはようのアッパーカットって。


 誠はおはようのアッパーカットについて心の中で突っ込みながら動き出した。机の上に置いてある軍服を着て、ホープが置いていった「心得」を黙読し、髪の毛を整える。


 ちなみに誠の部屋だが、前述したもの以外に風呂、トイレもある。それに尚且つホープが雇ったメイドたちが誠がいないときに掃除してくれるというのだから、ほとんどサービスはホテル級で、誠ももちろん不満などない。


  誠が朝ごはんを食べ終えると、ほとんど同時にドアがノックされた。「はいよー」とだけ声をかけてから、誠はドアを開けた。


 「おはよう誠君!君にまた会えてうれしいよ!」


 ドアの外にいたのはなんと健一だった。

 

 「なんで健一がここに?」

 

 「わかんない。でもここ楽しいしいいんじゃないかな。」


 健一は顔に満面の笑みを浮かべて答えた。


 「いやそんなレベル問題じゃないと思うんだけど…。」


 「まあそれもそうなんだけど、ホープさんに聞いても『気にするな!多分誠君のせいだよ!』とかいうし」


 「俺のせい!?俺なんかしたかな…」


 「何もしてないと思うよ。それにしても誠君、軍服にあってるねえ」


 会心の笑みを浮かべながら健一は言った。正直喜ぶべきなのか誠は分からなかったが、健一は心からほめているようなので、とりあえず誠は笑っておいた。


 「おーい、まだかァ?」


 遠くでヤスの声が聞こえる。「心得」によれば『フライ』の新人は最初、軍事教練の基礎を固めるため一人一人に専属教師を集める。(誠の場合はクアトロがいるので正確には二人いるのだが)そして、その新人の教育、訓練などはすべてその教師に任せきってしまうのだ。

  

 「もう行かなきゃ。またね。」


 健一はそう言ったかと思うと、ヤスの方へと走っていった。どうやらヤスは健一の専属教師のようだ。


 誠は用意も終え、昨夜のこと(クアトロに叩き込まれた技のこと)を思い出しながら自分の専属教師を待った。


 しばらくすると、扉を誰かがノックした。と、同時にそこからやる気のない声が聞こえる。声の主はキースだ。


 「おーい、まだかァ誠お?他はもうみんな行っちまったぜ?」


 「あ、ごめんなさい。」


 誠は謝りながら扉を開ける。


 「いや、べつにいいんだけどな。俺も楽だし。ふぁあー。」


 キースはあくびをしながら言った。


 「あの、高村誠といいます。」


 「あ?あー、俺はキース・ヤング。お前の教師をやらしてもらう。よろしく。」


 キース誠の唐突な自己紹介を戸惑いつつ受け、自分の自己紹介を簡単に済ませた後、誠に握手を求めた。


 「よろしく。」

 

 突然のことに驚いていた誠だったが、すぐに、キースと手を交わした。


 「よし、早速修行だ。ついてこい。」


 誠と握手を交わした直後、そういってキースは部屋を出た。


 しばらく歩いていると、『訓練所』と書かれたところで止まった。


 「ここが俺たちようの訓練場所だ。」


 部屋はなかなか広く、そんなに寒くないはずなのになぜか暖房がかかっている。部屋のサイズは誠の部屋の二倍ほどあり、ダンベルやら教科書やら銃やら木刀やらいろんなものが置いて必ず決まって2個ずつ置いてある。


 「さて、じゃ早速始めるか。訓練メニューの名前は、うーんそうだな。『地獄のハイウェイ』にしよう。」


 『地獄のハイウェイ』…、名前からして結構きつそうだ…。


 誠はその名前を聞いて戦慄を覚えずにいられなかった。


 「はっはっは。まあそう怖がるんじゃねえよ。よし、じゃあ訓練開始!」


 キースの声と共に、最初の訓練が始まった。そしてこれは誠にとってはきついものだった。


 準備運動を済ませた後、『軽く』筋トレをするのだが、この内容がまたハードで、腹筋20回を3セット、

それに加えて腕立てとスクワット、さらにはベンチプレスを同じ回数をやる。その後、ジョギングを4時間すませたあと、昼休憩をとる。

 

  休憩が終わると2時間また走らされ、その後にまた『軽い』筋トレをする。内容は先ほどと同じである。

 

 筋トレが終わると、晩御飯をとるため、休憩をとる。その後は運動ではなく勉強をする。しかし誠も中3

なので、生きるために必要なものはある程度理解できることがキースのでわかり、キースは本来する予定だった内容を取り下げ、軍人に必要な知識、すなわち銃や兵器の名前、暗号の知識に関する授業や、他にもセカンズの歴史や文化を中心とした授業内容へと切り替えた。

 

 訓練は本来ここで終わりなのだが、誠の場合はそうはいかない。訓練後はクアトロの技に関する指導があるからだ。誠がベッドに座ると同時に、心の中からクアトロの声が聞こえてきた。


 お疲れ様。だが、まだ安心するなよ。私の訓練がある。


 誠は心底勘弁してほしかったのが、あきらめた。なんだかんだ言って技を使えるようになるのは楽しいし、今後役に立つと思ったからだ。


 こうして誠の修行…基過酷な訓練の日々はしばらく続いた。

 


 


 

 


 

 

いかがだったでしょうか。ちなみにマクロスの「おはようのアッパーカット」ですが、これは誠やキースが遅刻しそうになった時に放つもので、相手にほどほどのダメージを与えられる技です。


 追加補足(1月7日)


 健一の突然のワープについてですが、誠の能力の影響です。誠とかかわった人(志村院長以外w)は全員転移しています。彼らがいつ出てくるのか、誠の能力の影響とは何なのか、ということはしばらくしたら発覚します。しばしお待ちをw


 次の話なのですが、こちらの諸事情により少々遅れます。ご了承を。


 では読者の皆様、いいお年を。

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