表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺人鬼異世界転生!?  作者: 多勢翔太
異世界ファンタジー
12/13

仲間の死




二人の胸部を貫く異形な手。



「ーーーーーーーぁ?」



トニー、マルコは心臓を貫かれ、大量の血が白く異形な手を真っ赤に染める。

最初に自分が刺されたことに気づいたのはマルコだった。

驚きと痛みが重なり、悲鳴すら叫ふ暇がないほど、一瞬にして意識が持っていかれた。



「♥」



背後に立つ老人から漂う危険な雰囲気が、背中越しにビリビリと伝わってくる。

唯一意識を保っているトニーですら、薄れ行く意識の中、抵抗するべく腰の剣を抜こうとしたが、



「ぐあぁぁぁ!!」



老人は勢いよく手を抜き取り、風穴が空いた胸部から血液が大量に噴射した。

全身を駆け巡る激痛が朦朧とする意識にとどめを刺すように、トニーの視界は暗転した。



「いやぁ、とても素晴らしいですよ。あなた方のおかげで貴重な実験結果が得られましたよぉぉ。クスススス……」



老人の奇怪な笑い声が聴こえる。

岩に腰かけていた二人はそのまま地面に倒れ、止まらない出血が飛び散る。

その異様に漂う血の匂いにいち早く反応した青年は、遠くに立つ見知らぬ老人の存在を確認する。

目を凝らし、視線を集中させると地面に横たわる仲間の姿を捉える。




「ーーーーーーなるほど」

             

    

                  

青年は状況を確認すると0.2秒で全てを理解した。

足に全エネルギーを集中させ、筋肉を再構築させるように、ふくらはぎを大きく膨らませた。

驚異的な脚力で地面を蹴り、刹那とも言える速度で老人のもとまで走りきった。


                

「きみぃ、誰なんだい?」

「………ホェ!?」



ーーーーー明智水樹の強烈な蹴りが、男の奇怪な顔を破壊する。

骨が粉砕され、靴が顔のにめり込み、顔面の造形が破壊される音が足を伝って脳に響く。

青年は避ける隙を与えず、容赦のない蹴りを食らわせた。



「かはっ!」



青年は無慈悲に地面に叩きつけられた老人の胴体を踏みつけ、さらに追い討ちをかけるように蹴り上げ、そのまま老人を近くの民家まで吹き飛ばした。



「………ふぅ、久しぶりにちょっとだけ本気出しちゃった♪」


                 

視線を下に移すと、そこには死に損なったマルコとトニーが大量の血を流し、仰向けに横たわっていた。

胸部には風穴がポッカリと空き、出血が尋常ではない。多少だが医療の知識がある青年にもこの怪我の判断はつけにくい。傷口の奥を覗いてみると、心臓らしきものは見当たらない。代わりに白い骨が見え、欠けている。



ーーーー肋骨が砕けている。



不幸中の幸いか、心臓は損傷していない。この状態で奇跡とも言える生存に青年は安堵するが、事の重大さに気づき、遅れてこちらに駆けつけるアリスとビビアナに向かって青年は怒鳴り付けた。



「アリスちゅわぁん!!かもーん!!」


「あ、ま……まって……今、いくから……」



彼女は息を切らしながら走ってくる。



                        そう




              アリスの異能力、『完全再生』(リカバリー)を使えば、

                   こんな怪我は一瞬で治る。

       


                 彼女はようやく…マルコ達の元へと来た…





                「ッッッッーーーーー!!!!!!!!!!!」






            彼女はマルコとトニーの怪我を見て、酷い悲しみに襲われた。


              友の身体に穴を空けられ、無惨な姿にされたのだ。

                 普通だったら怒り狂うところだが……




                     「そんな…………」


      

                   「ヒドイ…………」




                   彼女は涙を流した。




                     大量の涙を。



                 温かくて悲しみに満ちた涙を。



                  ひたすら、涙を流し続けた。






                      「…………」





                    「アリスちゃん」





         「悲しいのは、分かるけど早く『完全再生』(リカバリー)を…」


                     そうだ


                     悲しむより


                  今、やるべき事をやろう。


                   「うん……わかった…」



               アリスはマルコとトニーの身体に手を翳した。





                     「………………」







                     「………………」









               「ッッッッーーーー!!!!!!!!!!!!」


                      おかしい






       

           アリスの異能力、『完全再生』(リカバリー)が発動しない。


              いつもなら手を翳した瞬間、黄色い光が漏れだす。


                    だが光は一向に出ない。


                      「なんで………」



           「なんで出ないのっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


                     少女は叫んだ


            自分の力が発動しない異常な状況にアリスは混乱した。





                    「アリス……」


               突如、鼓膜に入ってきた綺麗な音色の声。


                 「アナタ………もしかして…」




      






                  「『零』(ゼロ)になったんじゃない!!?」

                  


                   その声の主はビビアナだった。


                 だが頬には汗を少し流し、息が荒い。

    

                そしてその綺麗な瞳には涙を浮かべている。




                   「「零」(ゼロ)って……何?」




                       「…………」


                青年の質問に涙を流しながら…声で返すビビアナ。


            「異能力者ってのはね……力を自由に使えるわけじゃないの。」



                 「能力にも限りがあって、使い過ぎると……」

              



                「……『零』(ゼロ)という……状態になって……」


                   「一時的に、使えなくなるわ。」


                   「ッッッッーーーー!!!!!!!」



           「個人差はあるけど、能力を使える回数、時間は

              能力者の精神力、体力、経験、そして……」




                 「『覚悟』で決まるらしいわ。」


                 「ッッッ!!!!!!!!!!」


                  知らなかった"異能力"の真実


                  決して万能ではない力………


                   「とゆーことは……」


          「マルコとトニーは助けられないのよッッ!!!!!!!!!!!!!」


                   「ーーーーーー!!!!!」



                  マルコとトニーは助けられない


           その単語を聞いた瞬間、明智水樹の頭脳はフル回転した。

 

                 異能力が駄目なら回復魔法で……


                      いや……


                こんな大怪我、回復魔法で治せるのか…?


                  「回復魔法で治せないの?」


               青年は自分が抱いていた疑問を二人に話した。


          

                      「無理よ!!!!」




           「私達は…回復魔法は少し得意だけど…こんな大怪我……」


              


                 「んん~~~……やっぱ駄目かぁ…」


                「ーーーーーー!!!!!!!!!!!!」



               青年は何か吹っ切れたような態度になった。





            「ねぇ……ミズキくん……アナタ…その態度はなに…?」


                     「ん?」


                「仲間が二人も死ぬんだよ!!!!!??」


                   「悲しくないの!!!?」


                   ビビアナは突然怒鳴りした


                   彼女の目は涙で溢れていた


                  自分のせいでアーノルドが死に


   


                自分達の無力なせいでまた二人の命を失う…


           彼女は、悔しくて、悲しくて、許せない…そんな感情なのだろう


                    「……ビビアナ…」


                 「ミズキを責めるのはやめよう……」


                  「ーーーーーー!!!!!!!!!」


                  アリスは黙り込んでいた口を開けた


                 「……ミズキも…悪気はないんだよ…」


                     「……そうね………」


                ビビアナは少し落ち着き、ゆっくりと納得した。


               「それに………『零』(ゼロ)でも能力は使えるよ。」


                「ッッッッーーーーー!!!!!!!!!!!!」


                  ビビアナの顔は、一瞬青ざめた。


           「まさかアリス……あなたッッッッ!!!!!!!!!!!!」


             「『零超え』(ゼロごえ)をやる気!!!!???」






                   「そうだよ……」


               そう言って、アリスは手を再びトニーとマルコに翳した。


             「やめなさい!!!!!『零超え』(ゼロごえ)なんてやったら…」




                「うるさい!!!!!!!!!!!!」


             「もうこれしか方法がないの!!!!!!!!!!!!」


       ビビアナはアリスの肩を掴みその『零超え』(ゼロごえ)というのを止めさせようとする。


     




            「『零超え』をやったらアナタの寿命が縮まるのよ!!!!!!!」



            「トニーとマルコが死ぬよりマシだよ!!!!!!!!!!!!」


                      二人は怒鳴り合う。


                    「寿命が………縮む?」


               聞き捨てならない単語を聞いた青年は少し焦った。


                    「それって……どういうこと?」





                        「…………」


 



      

                 「異能力は魔力ではなく精神力を使う…」







         「でも使いすぎると『零』になって…能力が数時間…使えなくなる。」





             「だけど『零超え』をするとまた使えるようになるの…」


                









                    「寿命を縮める代償として…」


                 「ーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」


                         


                          駄目だ


    


                        そんなの駄目だ



                    駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ

                  駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ

                  駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ

                  駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ

                駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ

                駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ



               彼女の寿命が縮むなんて…そんなのあり得ない!!!!!!!


                「いいの!!!私は呪われたエヴァンジェリン族!!!!!!!!」


                  「普通の人間と違って寿命は1000年!!!!!」


             「数年寿命が縮まってもどうってこと無い!!!!!!!!!」


                 「だからってそんなの……ダメに…」


                  「ダメに決まってるでしょう!!」


                        「え」



                  「アナタは私の大事な研究材料!!!!!」


            「寿命を縮めるなど許されることではありません!!!!!」


      

                 突如、奇怪な声が聞こえてきた。


                「キミッッ!!!!!!!!!!!!」


                       


                       「ハイ?」



                       「なんでしょう?」



                        奇怪な顔の男


                 さっき破壊した顔も元通りに戻っている。


                     


                       「あぁ!!!!!」


               「これはこれは申し遅れましたぁぁ♥♥♥♥」





                     「ワタクシ……」




                「魔王軍 七つの大罪!!!『嫉妬』の罪!!!!」



                      「七代将軍!!!」



                  「ダンダニル・アルバネルと申しますぅ♥♥♥」



                   ダンダニルは奇怪な満面な笑みを


                     その場の全員に向けた



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ