友人に使用人を斡旋してもらいます。
友人に、使用人の女の子で誰かいい子がいないか相談したら、後日、屋敷に男の子が送られてきた。
「この子、若いけどすごいのよ。」
そんな言葉が書かれたカードが添えられている。
友人に何人もそういう楽しみの相手がいるのは知っていたが、もしかしてその一人を貸してあげようという親切心だろうか。
疑わしげな目を若者に向けると、白い歯を見せてにこっと笑い返された。
なんだその自信ありげな様子は。
まぁいい。
屋敷の中は夫の味方ばかり。
わたしのために動いてくれる使用人がいればありがたい。
この際、いろいろ雑用を任せてしまおう。
使用人とはいえ、友人である侯爵夫人からの預かりもので、彼本人は男爵家の子息だ。
丁重に扱わねば。
とりあえず頼むこともなかったので退出を促すと、若者は戸惑ったような顔をした。
出て行きながら「いいの?ほんとに行っちゃうよ?」という目をして、もたもたと扉を閉めるのだから、ため息しか出ない。
めんどうの種が増えたような気がするのだが。
しばらくすると、なにもないと分かったのだろう。
若者が意味ありげな視線を向けてくることはなくなった。
その代わり、厩舎の前を通りかかったときに、干し草の上で女の使用人とお楽しみのところを見かけた。
真っ昼間なんですけど。
外なんですけど。
口をふさいでても、声、漏れてますけど。
‥‥そっとその場を立ち去った。