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私のパパはバハムート  作者: 宇田川ミツキ
浮遊する只の意思編
7/26

人首(ヒトカベ)

朝起きたら、ママに叩かれたり、ママの彼氏にひどい事をされる。

嫌だって泣いたり、抵抗すると、更にひどいことをされるから。


いつも怖くて下を向いてるんだ。泣かないように。早く夜になればいいのにっていつも考えてる。



ーーーー





人々、自動車、地下を走る電車。全てを目で追うのは至難だ。無理もない。ここは日本で最大の都市なのだから。人だらけで空気すら薄く感じる。




人首(ヒトカベ)




それは浮遊する只の意思でしかない。人の言葉で言うなれば電磁波、幽霊、そんなモノかもしれない。



浮遊する只の意思は魔族ではない。この世と呼ばれる人が支配する世界で唯一の存在。



名前があるのは人間だったころの名残り。浮遊する只の意思、そうなる前は一人の人間の少年だった。



浮遊する只の意思にはしっかりとした目的があった。浮遊する只の意思が明確に成し遂げたいこと。それはこの世の終わりである。人間から浮遊する只の意思になり、今も、この先永遠に続いていく苦痛。


救いも、浄化も、会話も、温もりも、優しさも、痛みも、全てを終わらせたかった。


浮遊する只の意思には一つだけ。存在する前から知っている事があった。それは、自分の意思を伝達する力だ。それは感染と言ってもいい。浮遊する只の意思に唯一出来る残された希望だ。



大都市で浮遊するだけの存在。それは確実に目的を持って自分の意思を感染させ、悪をばらまいていた。純粋な悪意である。



浮遊する只の意思は気の遠くなる大都市で絶望の中気付いてしまったのである。


龍族の王の娘の存在に。


移動することも出来ず、人混みを只埃の様に漂うそれは。ずっとチャンスを待っていた。この世の終わりをずっと待っていたのである。このチャンスを逃すはずはなかった。



只の意思は強く願った。彼女に会いたいと。いや、彼女は自分自身なのではないかと考えた。彼女がいるから自分が存在しているのだと。そう思うことで彼は更に悪意を感染させた。

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