狭間で
時刻は、0時になろうとしている。
今日は12月31日、今年最後の日だ。
俺は、バイトが終わり、大通りの交差点で携帯を眺めていた。大通りでは、大勢の人々で騒がしく、新しい年を待っていた。
明日は、当然のように来るだろうと誰もが、思い込んでいる。俺も、その一人なのだけど、、、。
(年越しそば、食べて寝よ)
そう考えながら、歩を進める。服装は、暖かそうだが、見た目だけだ。寒い。
マフラーの中は、鼻水で支配されている。
信号は、赤から青に変わろうとしている。
ビルの大型テレビが、カウントダウンし始めた。もう、新年か。思えば、楽しくもつまらない年だった。来年こそは、彼女をの意思を心に新年を、交差点で待っている。
信号機が、点滅して変わろうとしている。
「あっ」
空から、青白い何かが降ってくる。そして、その光は街を、包んだ。
俺は、目を強く閉じ、変な覚悟を決めていた。死んだ。そう、覚悟した。
…………あれから、何秒たった?何も起きない、ただ静かだ。そっと、目を開く。
目の前には、固まった人達が、多くいた。色あせて、とても生きてるとは、思えない。テレビが、チカチカ光る。時間は、しっかり、そして、微妙な時間をさしている。
時が、止まっている。理解が、出来ないでいる。わかったのは、もう、新しい年を迎えることは無いということ。そして、俺は生きているということだ。
狭間は、醜くそして、儚い残酷を俺たちに
見せつけていた。