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COLORS  作者: 夢物語
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四色 カーテンコール

「みんな!盛り上がってくぞー!」



紅蓮ぐれんの言葉に会場は一層盛り上がり、会場を包む炎すら演出の様にしか思っていなかった。



「まさか会場の外に魔が迫っているのか」



彩呀さいがは会場の外を映したモニターを見る。



「これは…」



映し出されたモニターに紅蓮ぐれんの炎が見え、揺らめく炎の隙間から魔が見えた。



「やはり魔が…紅蓮ぐれん、五人が戻るまで耐えてくれ」



その頃、五人は毒の竜巻に囲まれてしまう。



「ここからどう足掻く?」



藍麻らんま



蒼司あおしが言いたい事はわかってるよ」



蒼司あおし藍麻らんまが背中合わせに立ち、目を閉じる。



「お前たち三人は先に行け。

こいつは俺と藍麻らんまで相手をする」



「二人だけなんて無茶だぞ!」



黄理おうりの言う通りだよ!みんなで力を合わせれば」



「それじゃ紅蓮ぐれんが倒れちゃうと思うよ。

大丈夫、僕たちを信じて」



三人は頷き会場を目指す。



「逃がさぬぞ」



三人の前に毒の竜巻が現れた瞬間、周囲に大量の水が広がり一瞬で凍り付き壁になる。



「行けっ!」



蒼司あおしの声に背中を押されるように三人は走り出す。



「おのれ!まずはうぬらを始末してくれるわ!」



シュメルの羽が一層広がり周囲の毒を吸い寄せ、無数の蛇の形へ毒が姿を変える。



「食い尽くせ!」



二人目掛け毒の蛇が襲い掛かり、藍麻らんまは水の壁で防ごうとするが物ともせず毒の蛇は壁を突き抜けた。



藍麻らんま!」



藍麻らんまの腕を引き毒の蛇の頭を氷の矢で切り落とす蒼司あおし



「あ、ありがとう」



「油断するな」



「わらわの蛇を切り落とすとは…なかなかやるではないか。

なら、これはどうじゃ?」



無数の蛇が大きな蛇に姿を変えていく。



「これはさすがにでか過ぎかなぁ…仕方ない」



「…」



藍麻らんまは両手を地面に突き地下から水を汲み上げ龍を作り出す。。



「そんな物、無意味じゃ」



蛇は藍麻らんまが作った水の龍を噛み千切る。



「わらわの蛇に勝てるものなど…バカな!?」



噛み千切られたはずの龍は何事もなかったかのようにシュメルに襲い掛かり、毒の盾で防ぐが完全には受け止めきれず吹き飛ばされるシュメル。



「おのれ!なぜわらわの毒が効かぬ!」



その時、龍の表面が凍っていく。



「うぬの仕業か」



「俺も居ることを忘れるな」



「ならば」



再び毒の蛇が二人に襲い掛かり水の龍が前に立ちはだかる。



「毒が侵食する前に弾けば!」



藍麻らんまは水の龍を操り毒の蛇を払いのけシュメルに突っ込む。



「フフフ…」



毒の蛇が水の龍に巻き付き毒が侵食していく。



「そんな!蒼司あおし何をして…蒼司あおし!?」



藍麻らんま蒼司あおしの方を見ると、地面に倒れ右足を抱えながら苦痛の表情を浮かべている蒼司あおしがいた。



蒼司あおし!」



「悪い…毒蛇に気付かず足をやられた…」



藍麻らんま蒼司あおしの足を見ると皮膚が紫に変色し傷口から血が流れている。



「時間を掛け、苦しむ毒にしておいた。

痛みで戦う事も出来ぬな!フフフ…アーッハッハッハッ」



「休んでて」



「やめろ…一人じゃ…」



藍麻らんまは二匹の水の龍を作り出し共にシュメルへ向かって走り出す。



「愚かよ」



毒の蛇が二匹に分裂し水の龍とぶつかり藍麻らんまがシュメルへ襲い掛かった時、シュメルの体から無数の小さな蛇が現れ藍麻らんまを包み込む。



藍麻らんま!…くそっ」



「後は…ん?」



藍麻らんまを包み込んでいた毒蛇が動かなくなり紫色の体が澄みきった藍色に変わっていく。



「我が心に流れし水よ…大いなる流れと共に不浄なるものを押し流せ!」



藍麻らんまの居た場所から水が吹き出し、巨大な人の上半身だけの姿に変わり毒の蛇を掴み握り潰す。



「わらわの蛇が!?」



現れた水の巨人の中には藍麻らんまの姿があった。



藍麻らんま



蒼司あおし、今助けるよ」



水の巨人の掌から一滴の水が蒼司あおしの傷口に落ち、紫に変色していた部分が徐々に元に戻っていく。



「わらわの毒を浄化したのか!」



「もうあんたの毒は効かない。

女の子を傷付けるのは嫌だけど、仲間を傷付ける奴は許さない」



「おのれ!こうなれば!」



シュメルは全身を毒で覆い毒の翼と槍を作る。



「わらわに本気を出させるとは称賛に値する。

じゃが、その命はもらうぞ!」



空高く舞い上がり猛スピードで飛び回りながら体を翻し藍麻らんまに向かって急降下し始めた。



「この毒の槍は全てを貫く!

死ね!」



しかし槍は水の巨人に直撃するも全く突き刺さらない。



「なぜじゃ?なぜ届かぬ!」



「巨人の表面は超高速で流れている水で出来ている。

でも弾かれずその体勢を保っているのがすごい威力の証…けど僕には届かないよ!」



水の巨人はシュメルを両手で挟み地面に叩きつける。



「がっ!」



「勝負あり…だ…」



水の巨人はただの水に戻り藍麻らんまは地面に倒れた。



藍麻らんま!」



足を引きづりながら藍麻らんまに近付く蒼司あおし



「なぜ…手を…抜いた?

あのまま…わらわを掴んでおれば…体を引き裂けたものを…」



か細いシュメルの声が聞こえてくる。



「女の子には…優しくしないと…ね」



「理解出来ぬ…」



蒼司あおしはゆっくりシュメルに近付く。



「生憎だが俺は優しくはないぞ」



氷の剣をシュメルの首へ振り下ろす蒼司あおし



「!?」



しかし小さな鉄の板が氷の剣を受け止めた。



「なんだ?」



「なぜうぬが…」



「主の命だ」



蒼司あおしが声のした方を見ると重厚な鎧が立っている。



「敵!?」



すると重厚な鎧は見た目とは裏腹に凄まじいスピードでシュメルの側へ移動した。



「いずれ相手をしよう」



そう言って重厚な鎧が地面に手を突くと、シュメルと一緒に鉄の球体の中に入り空へと消えていく。



「あいつも六魔将なのか…」



蒼司あおし藍麻らんまを背負い会場へと向かう。



「ありがとう蒼司あおし



「気にするな」



会場を覆っていた炎は消え魔の姿もなかった。



蒼司あおし藍麻らんま!」



ステージへ降りてくる二人を見つけあきらが叫びながら手を振る。



「みんな待たせた」



藍麻らんま大丈夫なの?」



「大丈夫。可愛い子達の笑顔を見たら力が湧いてきたよ!」



「なら自分で立つか?」



蒼司あおしびどいな!ほらみんなが見てるよ!」



藍麻らんまが手を振ると歓声が沸き起こった。



「全く…紅蓮ぐれんは大丈夫か?」



「なんとか。

黄理おうりに掴まってないとダメだけどな」



「全く紅蓮ぐれんは無茶するぜ」



「さあ、みんなに挨拶だ!」



五人は一言ずつ言ってステージを去っていく。



「今日は大変だったな」



「皆さんお疲れ様でした!」



「社長、はくありがとう。

蒼司あおし、後は…頼…む…」



紅蓮ぐれんはそう言って眠りに落ちた。



「ゆっくり休め。

じゃあみんな帰ろう」



藍麻らんま紅蓮ぐれんを病院へ運び残りのメンバー達は事務所へ帰っていく。

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