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革命者  作者: キング
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集会


平和というニ文字を求続けた人間、しかし実際に完全な平和を手にいれてしまったニ十八世紀の人類には、それ以上何の発展もない、堕落しきった生活が待っていた。

しかし、この平和ボケし堕落しきった世界に焦りを感じた三人の若者がいた。

クールだが頭の弱い田中、短気で喧嘩早いが身長百四十五センチでガリガリの御坊、体脂肪率七パーセント筋肉ムキムキ、まさにニ十八世紀が生んだ筋肉マン、

だがいつもなよなよついたあだ名は『オトコオンナ』の山崎。

平和な世界を変えようとする三人、そんな彼らの戦いの火蓋が今、切って落とされようとしていた。



「じゃあまず、なにしようか」

地下に埋られたコンクリートの部屋の中で三人は話しあっていた。

「まずはよ、俺達の存在を世界にしらしめてやろうぜ」

「そんなことどど、どうやってやるのよ」

「山崎、もうちょっと男らしくできないかなぁ。

僕達はこれから世界を変えていくのだよ。その一員がそんなことでどうする」

「ごご、ごめんなさい、田中くん」

「もう、まぁいいや」

一つしかない裸電球が照らす三人は、大きな溜息を吐いた。

しばらくの間コンクリートの箱の中を沈黙がただよった。不意に山崎がいすからたちあがり、喋り始めた。

「いい考えがうかんだぜ。ジャックするんだ、テレビ局を」

「なるほど。ジャックとはなんだ」

「つまり、テレビ局に進入して、スタジオを乗っ取る。そしてカメラの前に立ち、俺達の存在を世間にしらしめてやるんだ」

「そそ、そんなことしたら犯罪になっちゃうんじゃないの」

山崎に見つめられた御坊は、とたんに静かになってしまった。御坊は低身とガリガリな体がコンプレックスなので、長身でムキムキな体を見ると、どうしても弱気になってしまうのだ。

「山崎、いいかげんにしろ、甘ったれてるんじゃない。この今の世界ではな、正しいことが正しいとは限らない、間違いが間違ってるとも限らない。今は犯罪と言われても、長い目で見ればそれが正しいということもあるんだ。僕達は世界を変えようとしているんだ。このなんの危険もない世界は、生きるだけなら申し分ないだろうけれど、だめなんだそれでは、今の現状に満足して、向上心を失ったらすべて終わりだ。だから僕達は集まったんだろ、こんな世界を変えるために」

「ごめんね、ごめんね田中くん」

「泣くんじゃない、男だろ」

「ごめんね、ごめんね」

「よしっ、まず何をするかは決まったな。田中、テレビ局の地図を用意してくれ。山崎、前言った制服、できてるか」

「うんん、でもあとちょっと、三十分もあれば縫い終わるよ」

「よし、頼んだ。俺は武器の準備をしてくる」

御坊がそう言いおえると、田中は奥の部屋へ地図を探しに、山崎は栽縫セットと作りかけの布きれを取り出し縫い始めた。

一方御坊は、武器調達に行く前に、トイレに行き鏡にむかってなにかぶつぶつとつぶやいていた。

「はぁ〜、俺だってもう少し背が高くて、筋肉があったら、田中みたいに山崎にビシッて言ってやれるのによ」

御坊は鏡を離れ、狭いトイレ内を、下を向きぶつぶつ言いながら何度も往復した。

ビシャッ。

水が肉を叩く音がした。御坊が顔を洗っていた。

「あぁ〜冷たい。よしっ、まずはこの計画を成功させないと」

御坊はそう意気込んで、トイレを後にした。

しばらくすると、地下室には三人すべての顔がそろっていた。

「よしっ、みんなそれったな。では成果の発表」

「三人分の制服できたよ」

「よしっ」

「特殊警棒三本、スタンガン三つ、ナイフ三本、準備完了」

「よしっ、二人ともご苦労。じゃあ机にちかづいてくれ」

田中がそう言うと、丸められ筒状になった紙を取り出し、机の上にひろげた。

「この世界にはもうテレビ局は各国一局しかない、無駄な視聴率争いを避けるためらしい。よく意味はわからんが、とにかく狙うテレビ局はこの『新日本テレビ』だ。新日本テレビは十四階建てのビル、入口は地下に一つ、僕達がねらう昼の視聴率七十二パーセント番組『こんにちは日本』のスタジオは十二階、入口には一時間交代の警備員が常に三人いて、各スタジオにはIDカードがなければ入れない」

「なるほど、ところで田中」

「なんだ質問か」

「なんでそんなにくわしいんだ」

「ボスに聞いた」

「なんだと、ボス」

「なんなのよ、ボスって」

「自然発生的にこんな集団できるわけないだろ。僕達はボスに集められたんだ」

「何者なんだ、そのボスは。なんでお前しか知らないんだよ」

「この計画が成功したら、あらためて紹介するみたいだ。期待してるってさ」

「ちっ、まずは成功させてからかよ。やってやろうじゃねーか」

計画はボスの指示どおりにたてられ、なんの問題もなく、実行の日を迎えた。

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