聖女祭
遅くなりましたが続きです。
パーティーから隣国と色々あったが時間が過ぎるのは、あっと言う間で3週間が過ぎた。
そして、今日は
聖女祭
王都は賑わっている。
美味しそうな匂いの屋台。
白い布と花。
祈りの歌。
形式だけの神聖。
私はミアと参列していた。
兄の護衛付きで。
兄はどうも急用で忙しいらしい。
「お姉さま、次はあの屋台です!」
「うん。ミア、その前に買ったのを食べたら?」
「え、ですがお姉さま、美味しそうなんです!」
「…そうだね。だが護衛の人の両手が塞がってる」
と私が言うとミアが護衛の人を見て「あ。」と言う顔をした。
そして
「分かりましたわ。食べましょ」
とミアが言い、丁度近くあったベンチに座って食べ始めた。
「お姉さまも。」
「あぁ。」
と言ってミアと一緒に食べた。
「ごちそうさまでした。」
と私が言うとミアが不思議な顔をしながら
首をかしげ、
「ごちそうさまでした?聞いたことないです」
「…あぁ、私にも分からないんだが自然とやってしまうんだ。」
「そうなのですね。私も次からやりますわ。」
「それにしてもお姉さま、ご飯美味しかったですね。」
「うん。」
と会話していると。
視線を感じ、振り向くと。
そこに“彼女”がいた。
柔らかな笑み。
明るい声。
民衆が自然と道を開ける。
「玲様」
優しい声音。
「お久しぶりです」
偽りの聖女。
皆がそう呼ぶ存在。
けれど私は知ってる。
この人の笑顔は、どこか薄い。
「聖女祭にいらっしゃるとは思いませんでした。それに5年前と変わらずで少し驚きました。」
そして彼女は続ける。
「それと隣国の王太子様のお話、素敵でしたね」
にこりと笑う。
悪意はないように見える。
けれど。
言葉の選び方が絶妙だ。
周囲に聞こえる声量。
“求婚された令嬢”。
“揺れる立場”。
空気がざわつく。
私が言う前にミアが前に出て話す。
「先程から周りに聞こえるような声量で話してらっしゃいますが。(失礼だろ)」
「それに周りの方達に誤解されても困りますので。(声量を小さくしろ。お姉様を困らせるな)」
「あら、ごめんなさい。ですが話を遮るのはいかがかと。(そっちの方が失礼よ)」
何か凄いミアと聖女がバチバチな気がする。
「話を戻しますが子供の純粋なお言葉です」
「そうでしょうか?」
ほんの一瞬。
彼女の目が冷える。
「でも、選ばれるというのは、特別なことですもの」
選ばれるか。
誰に。
どの立場で。
彼女はそれ以上言わない。
ただ、民衆へ向き直り。
清らかな祈りの姿を見せる。
歓声が上がる。
「お姉様。」
「…?」
「…いえ、やぱっり、何でも」
聖女祭。
本来は祈りの場。
だが今日は。
政治と噂の舞台。
そして。
遠く。
人混みの向こうに。
彼の姿が見えた。
目が合う。
一瞬。
霧がない。
はっきりと。
“助けて”ではない。
今度は。
“信じてくれ”という目だった。
次の瞬間。
彼は視線を逸らす。
空気が重くなる。
祭りの音が遠くなる。
何かが崩れ始めている。
静かに。
確実に。
話の更新が次から遅れるかもしれません。
すみません。




