表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/42

その一方2

王城・深夜

人払いされた私室。


灯りは一つ。


王は報告書を読んでいる。


報告書は淡々とした文字でつづられていた。


――婚約者の発言に揺らぎあり


――玲嬢を非難後、即座に撤回


――隣国王太子の件を聞いた際、明確な動揺


報告書を読んでいた王の指が止まる。


「動揺、だと」


側近は頭を下げる。


「はい。感情の乱れが確認されています」


王はゆっくりと椅子に背を預ける。


「……弱まっているな」


その一言に、側近が顔を上げる。

だが問いはしない。


王は机の引き出しを開ける。


そこには古い印章と、数枚の紙。


誰も知らない記録。



「最近、接触はあったか」


「パーティー会場のテラスで短時間」


王の目が細くなる。


「はぁー…余計なことを」


呟きは低い。

怒りというより、計算の狂いへの不快。


「パーティー会場でのアレは予想外だった。」


「再調整を行う」


側近の背がわずかに強張る。


「……強めますか」


「いや」


王は首を振る。


「急に強めれば壊れる」


静かな声。

冷たい判断。


「“揺らし続けろ”」


完全に従わせるのではない。

迷わせる。

傷つける。

矛盾させる。


「玲への印象は」


「王都では賛否が分かれています。婚約者の不安定な発言も影響しているかと」


王は満足そうに目を細める。


「ならば十分だ」


名声は簡単に壊れない。

だが。

小さな違和感を積み重ねれば。


“悪女”は自然に出来上がる。


まだ誰も気づいていない。

それが意図された揺らぎだとは。


「隣国の件も利用する」


王は静かに言う。


「焦れば、彼はさらに揺れる」


同刻・別室


青年が膝をつく。


頭が重い。

さきほどより、はっきりと。

奥に沈んでいた命令が濃くなる。


玲を遠ざけろ。


信じるな。


疑え。


頭が焼けるように痛む。


思考が掻き消される。


(違う。そうじゃ、ない。)


叫びたい。

だが声にならない。


代わりに浮かぶのは、別の映像。

玲が隣国王太子と並ぶ姿。

笑っている。


それを見ている自分。


胸が裂けるように痛む。


感情と命令がぶつかる。


その衝突が、彼を不安定にする。


「……玲は」


言葉が歪む。


「信用するな」


違う。


(……違うんだ)


本当は。

隣で守りたい。


その思考は、再び沈められる。

霧が濃くなる。


だが。

完全ではない。

わずかな抵抗が残る。

それが王の誤算になるかもしれない。


屋敷・夜

私は妙な胸騒ぎで目を覚ます。


理由はない。

けれど。

息が詰まる。

まるで、遠くで誰かが苦しんでいるような。


窓を開けると冷たい夜風。


「……大丈夫」


誰に言ったのかは分からない。


ただ。

あの「助けて」が、まだ耳に残ってる。



そして知らないところで。


歯車がまた一段、動いた。


静かに。

確実に。

文章の表現は一部 AI を補助として利用しています。アイデア・プロット・設定は全て私のオリジナルによるものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
王国の闇。玲の婚約者救われてほしい。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ