― 揺れる王城 ―
(王城側)
隣国王の来訪は表向きは友好。
だが。
「なぜ直接屋敷へ行った」
王の声が低い。
側近が膝をつく。
「謝罪と、友好の確認と……」
「婚姻の打診だろう」
沈黙。
王は不快そうに指を鳴らす。
「玲は既に婚約している」
その言葉に、側近が顔を上げる。
「形式上、ですが」
「形式でも契約は契約だ」
王は苛立つ。
隣国に先を越される可能性。
もし婚姻が成立すれば。
この国の影響力は落ちる。
「兄、鴻の動きは」
「静かです」
「それが一番厄介だ」
王は吐き捨てた。
屋敷
(兄視点)
王太子の言葉は軽い。
だが王が来た時点で軽くない。
贈り物の量。
形式。
すべてが政治。
そして。
玲には婚約者がいる。
幼少期に結ばれた契約。
今は表に出ない存在。
兄は机に肘をつく。
「先に潰す」
執事が静かに頷く。
「王太子の“戯言”として記録を残しますか」
「残せ」
公式文書として。
“冗談”扱いにする。
芽のうちに摘む。
感情ではなく。
制度で。
兄は冷静だった。
怒りはもうない。
ただ計算だけ。
そして三日後
屋敷に小さな箱が届く。
差出人。
隣国王太子。
中には。
不器用な字の手紙。
『れいおねえちゃんへ
このまえはありがとう
ぼくはつよくなるので
まっててください』
最後に大きな花の絵。
ミアが吹き出す。
「本気ですね」
私は紙を見つめる。
ただの子供の言葉。
でも。
軽くはない。
可愛いし嬉しい。
兄は手紙を受け取り。
数秒読む。
そして静かに言う。
「返事は不要だ」
「かわいそうでは?」
ミアが言う。
その後、玲が続けて。
「私は返事を送りたいです。」
「だが政治だ」
冷たい。
だが正しい。
私は窓の外を見る。
青い空。
平和。
でも。
王城は焦り。
隣国は距離を詰め。
兄は防御を固める。
そして。
私には婚約者がいる。
今は遠い存在。
影のような契約。
誰もその本当の意味を知らない。
私も。
まだ。
文章の表現は一部 AI を補助として利用しています。アイデア・プロット・設定は全て私のオリジナルによるものです。




