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─扉の前で仁王立ち─

少し、帰るのが遅れたが何とか無事に屋敷に着いた。


馬車を降りた瞬間、空気が固まった。


兄が、屋敷の正面扉の前に立っていた。


腕を組み、微動だにしない。


顔色は赤い。

呼吸が荒い。

明らかに熱が酷くなってる。


ミアと声が揃った。


「「……え?」」


予感は当たったが何で?外に…?



「……兄様?」


一歩近づいた瞬間。


兄の視線が私に落ちる。


そして。


袖口の赤を見た。

ワインと、擦り傷の混ざった跡。


空気が変わる。


「遅かっ…どうした」


低い声。

怒鳴らない。

だが重い。


「転んだけ」


「どこで」


「…会場で」


沈黙。


ミアがすぐに前に出た。


「ここでは寒いですし、中でお話しましょう」


兄は数秒動かなかったが、扉を開けた。


中へ。


居間


兄は椅子に座らない。


立ったまま。


私は向かいに立つ。


ミアと執事もいる。


「何があった」


短い問い。


ミアが淡々と説明する。

・パーティー会場での軽い衝突

・ワインをかけられたこと

・擦り傷程度で大事はないこと

・隣国の王は即座に謝罪したこと


口の悪さは省く。


余計な挑発も省く。


兄は黙って聞く。


表情は動かない。


だが指先がわずかに震えている。


熱だ。

それでも立ってる。


説明が終わる。


静寂。


兄がゆっくり息を吐いた。


「隣国の王は、対応したのだな」


「はい」


「謝罪も」


「ええ」


兄の目が細くなる。


「……この国の王は」


声が低く落ちる。


「何をしている」


空気が冷える。


兄は机に手を置いた。

ぐらりと揺れる。

だが踏みとどまる。


「抗議に行く」


「兄様」


私が呼ぶ。


「熱がひどくなっているのに」


「関係ない」


一歩、前へ出ようとする。

足元がふらつく。

それでも進もうとする。


「今すぐ王に会う。王とは何かを理解してもらう」

完全に怒っている。


けれど声は静か。


だから余計に怖い。


執事が前に出た。


「旦那様」


「止めるな」


「止めます」


次の瞬間。


兄の膝が崩れた。

執事が即座に肩に担ぐ。


まるで荷物のように。


「離せ、降ろせ」


「離しません。あなたはご自分の熱を治してからにして下さい。」


「…。覚えてろよ…」


兄は抵抗するが、熱で力が入らない。


廊下の向こうへ連れて行かれる。


私はその背中を見送る。

静かに。


兄は最後まで振り返らなかった。


その後

部屋へ運ばれた兄。


数分後。


執事が戻ってくる。


手には一枚の紙。


「旦那様からです」


そこには整った文字で。


“王へ抗議文。明朝提出”


執事は深く息を吸った。


そして王城へ向かった。


――二時間後。


戻ってきた執事は、疲労困憊だった。


王からの長い説教。


「若いな」

「熱があるなら寝ていろ」

「貴族は感情で動くな」


等々。

兄の代わりに全て受けた。

居間に戻り、執事は小さく呟く。


「旦那様が元気でなくてよかった」


私は本を閉じる。


もし兄が行っていたら。


説教では済まなかったかもしれない。


兄は熱で眠っている。


それでも。


抗議文は送られた。


静かに。


確実に。


兄は弱音を吐かない。


倒れても。


担がれても。


守る姿勢だけは崩れない。


そして私は思う。


なぜあそこまで怒ったのか。

擦り傷だ。

大したことはない。

なのに。


まるで。

“何かが起きるはずだった”かのように。

違和感は消えない。

静かに、残った。


「お嬢様、擦り傷なのに大したことないのにとか思っていますか?」


ヴッ。鋭い。


「図星ですか。」


「……。」


「お嬢様、もし、ミア様が今回お嬢様の立場になっていたらどう思いますか?」


「怒る。切れる。抗議しに行く。」


「そうでしょ?お兄様も同じ気持ちなのです。」


「そっか。ありがとう。」


「どういたしまして。」


と言った後執事は視線を隣で本を読んでいたミアに向けた。


「後、ミア様。」


「どうたんですか?」


「お兄様から伝言です。」


「伝言?」とミアはキョットンとした顔をしていた。


「そうです。お兄様から。」


「二度目はないは優しすぎだ。次からはその場でそいつらを叩きのめせ。だそうです。」


「フフ、お兄様らしいですね?」


「次からは家に支障がないように叩きのめすとお兄様に伝えて下さい。」


「分かりました。あ、嫌みも入れますか?」


「貴方に任せるわ」


……?私は話を横で聞いていたが、良く分からなかった。

話を出すのが遅れてしまいすみません。m(_ _)m





文章の表現は一部 AI を補助として利用しています。アイデア・プロット・設定は全て私のオリジナルによるものです。

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