表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/44

平穏の中の微妙なズレ

第二回パーティーが終わってから、

数日が経った。


何事もなかったように、屋敷は静かだ。


朝は訓練、昼は学習、夜は読書。


湖からの生活としては、むしろ順調すぎる。


(……順調、か)


自分で思って、何となく、少しだけ引っかかる。


けれど、その引っかかりに名前をつけるほど、私は暇じゃなかった。


剣を振る。


呼吸を整える。


筋肉の使い方は、だいぶ体に馴染んできた。


「いい動きです」


執事が言う。

いつも通りの声。

いつも通りの距離。


──でも。


(……やっぱり、同じだ)


何が、とは言えない。


けれど、屋敷の使用人たちの“私を見る目”は、大体同じな感じがする。

その中でも3人?くらいは……。


(…考えすぎだな。)


敵意でも、侮蔑でもない。

もっと無機質なもの。


(観察……?)


て、そんな事は気のせいだな。

そう考えて、私は首を小さく振った。

考えすぎだ。


昼過ぎ。


婚約者が屋敷を訪れた。

丁寧で、穏やかで、非の打ち所がない。


それが、彼の印象だ。


「先日のパーティーでは、お疲れ様でした」


「ええ」


普通の会話。


なのに──

「……本当に、問題な」


彼はそう言って、言葉を止めた。


一瞬。

ほんの一瞬、視線が揺れる。


「……いえ、失礼。

 問題なく“終わりました”ね」


(……今、言い直した?)


違和感はあった。


でも、それだけだ。


緊張しているのだろう。


社交界は、誰にとっても疲れる。


「次も、きっと──」


彼は言いかけて、口を閉じた。


眉がわずかに寄る。


まるで、喉につかえた何かを、無理に飲み込んだような。


「……楽しみに、しています」


そう言って、微笑んだ。


(……真面目?な人だな)


私はそう結論づけた。


その帰り際。

ミアがぱたぱたと走ってくる。


「お姉さま! 紅茶、飲みます?」


「…. 今から?」


「今です!」


少し強引だ。

けれど、ミアはすぐに照れたように笑う。


「……その、忙しそうでしたから」


(気遣い、か)


テーブルにつく。


ミアは砂糖を入れすぎて、

「しまった」という顔をした。


「……入れすぎた?」


「…ううん。悪くない」


それを聞いて、ほっとしたように笑う。


(……この子は、本当に)


優しい。


「ミア、最近疲れてない?」


何気なく聞いた。


「え?」


「顔色が、少し」


彼女は一瞬だけ、間を置いた。


「……少し、食べ過ぎただけですわ」


そう言って、お腹をさする。


(成長期だしな)


そう思って、深くは追及しなかった。


まさか──

その“少し”が、積み重なっているなんて。


夜。

部屋に戻って、窓の外を見る。

静かな庭。

整えられた景色。


(まるで別の世界みたい。)


ふと、そんな言葉が頭に浮かぶ。


(……気のせいだ)


自嘲するように、私は息を吐いた。

今は、力をつける時期だ。

考えるのは、それからでいい。

そう思って、灯りを消す。


その頃。

廊下の奥で、2人の誰かが小さく言った。


「……少し、抵抗が強いですね」


「ええ。

 ですが、問題ありません」


「次は……」


「三回目です」


その会話を、

私は知らない。

文章の表現は一部 AI を補助として利用しています。 アイデア・プロット・設定は全て私のオリジナルによるものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ