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第4話 休日。

「外出の理由は?」

「ノートを買いに。本屋にも行きたいです。」

「ノート?購買部にも売っているでしょう?」

「先生…購買部のノート、お高いんです。」

「ああ…。」


女子寮の監督の先生に外出許可を取って、街に出かける。

家から持ってきたノートを使い切ってしまったが、購買部のノートは1冊で私の使っているノートが5冊くらい買える。高いよ。紙質は良いけど。


出がけに、男子寮の前で揉めている声がした。

まだ面会時間にならないのに、押しかけた保護者と監督の先生が言い合っている。大変だね。

「まあ、そういうことなら学長と直接お話いたしますわ。学長を呼んでいただける?」

あら、まあ。聞いたことある声だと思ったら、ジスランちゃんのお母様?相変わらずだねえ。


家から持たされた必要経費の一部を、普段着のワンピースのウエスト部分に作った秘密のポケットに入れてお出かけする。髪は三つ編み。見た目はほぼほぼ庶民だわね。


なにせ、私の地元は海沿いの漁港。皆、気がいいけど気が荒い。領地外から来た知らない漁師や商人がうろうろしてたりする。スリやひったくりは当たり前。お金を持っている顔をしているのが悪い、と言われるぐらい。まあ、たいがいのことは地元の漁師たちがなんとかしてくれるからあまり怖いと思ったことはないが、自分の身は自分で守れ!と漁業組合長に仕込まれた。


ドロテが書いてくれた地図を持って、文房具屋さんに向かう。彼女も誘ったんだけど、文房具屋にも本屋にも用事がないらしい。


街路樹もすっかり新緑。

あのお屋敷の早咲きのバラ、綺麗だわ。

あらま、お散歩ワンちゃん。うふふっ。

休憩するのにちょうどよさそうな公園だなあ。ベンチもある。


きょろきょろしながら歩いていると、一軒目の目的地に到着。文房具屋さん。

やっすーいノートを5冊買う。ペン先が引っかかるような代物だが、質より量。

次は町の本屋さん。

学院の図書館も充実しているが、こういう町場の本屋さんには、ここでしかない本もある。面白そうなタイトルの本を片っ端から開いていく。


足が疲れたな?と、思ったら、結構な厚さの今流行の恋愛小説を一冊読み終わってしまった。まあ、ありがちな、襲われていたお嬢さまを騎士が助けて恋に落ちて…みたいな?ハッピーエンドのお話は心地いいわよね。

本屋の店員さんの刺さるような視線を感じて…本を戻してお目当ての本を持って会計。


持ってきた大きめの布バッグに、ノートと一緒に入れる。

さて。目的終了。

本屋の近くの雑貨屋をのぞき、そのお隣のパン屋でおいしそうなパンを一つ買う。チーズ練りこみパン。ふわっふわである。おいしそう。これもまたバッグに入れて、先ほど見かけたこじんまりとした公園で食べようかと歩き出す。


お昼近くなったからか、人も多くなった。

家族連れはどこかで外食かな?

お昼にドロテお勧めのカフェも考えたが、お高いしね。パンも買ったし。

ぶらぶら歩いていると…いかにもお坊ちゃまです、って子が、変な男たちに絡まれて路地裏に連れ込まれるところに遭遇した。

まあなあ、治安がいいといってもどこにでもああいう輩はいる。しかも、パッと見てもお金持ってまーす、って服装だし。一人だし。周りの人たちは見て見ぬふりだし。


(まだ何も起こっていないところに警邏を呼ぶのもなあ…)


仕方がないので、路地に向かう。

途中、掃除道具を抱えたおばあちゃんがいたので、一番丈夫そうな柄のついたデッキブラシを借りる。

さて。

首と肩を回す。しばらくおとなしくしてたしなあ。大丈夫かしら。うふふっ。


ノートと本が入った布バッグを肩にかけて、いざ。


路地に入ると、お金持ちそうな身なりの子を6人の男が取り囲んでいる。6人ねえ。

「有り金全部出しな。」

あら。どこでもこういう輩の言うセリフは一緒なのねえ。


一番手前にいる男の肩をポンポンっとたたく。振り向きざまに一発。とどめにその男のすねにブラシの柄をお見舞いする。はい。一人。


「なんだ、女か?」

ナイフをちらつかせて、小柄な男がにやつく。

危ないですわよ、刃物は。

ブラシの柄でナイフを叩き落してから、少しのけぞった男の股間を蹴り上げる。

はい。2人。


あらやだ。スカートがめくれあがってしまいましたわ。

ぱんぱんと、スカートを払う。

そのすきに殴りかかってきた男の拳を、布バッグで受け流す。男が体勢を整える前に、ブラシの柄で後頭部を狙う。クリーンヒットだわね。はい3人。


きゃ♡あと3人。


・・・と思ったら、もう残りの3人は片づけられていた。チェ。









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