第18話 番外編 ささえるもの。
ソフィアと長いこと話した。
貴方もいろいろあったけど…私もいろいろあったのよ?
日差しが部屋に差し込むようになったから、ソフィアがカーテンを閉めようと窓際に行く。
「カトリーヌ。ちょっとこっち来て。しーー。静かにね?」
ソフィアに呼ばれて、そっと窓際による。
笑いながら、彼女が指さす先には…
アリアンに抱えられてうずくまるジスラン。
ずっと頭を撫でてもらっているみたい。
あら、まあ…。
まだまだ小さい子供だと思っていたけど…そうね、あなたも自分で寄りかかれる人を見つけたのね。
お母様、と笑いながら両手を広げた小さい子供じゃないんだわ。
「そういえばね、私が付き添っていた子、無事に女の子を産んだのよ。難産だったから心配したけど、父親そっくりでさ。二人して大泣きしてた。」
「そう。良かったわ。」
そうね…私も…
大好きな人と結婚して、大好きな人の子供を産んだ。あの日、どんなにうれしかっただろう。
そんなことさえ思い出せないほど、いっぱいいっぱいだった。
「・・・私と旦那様は家同士が決めた婚約だったんだけどね。」
「あら、そうだったの?」
「初めて会った時から、好きになってしまってね。あの人は、上級生にモテモテだったから、やきもきしたわ。でもね…本当に好きだったの。」
「あら、まあ。あなたたち学院ではいつも一緒で、仲良しさんだったでしょう?」
「うふふっ。そういえばね、こんなことがあって…。」
二人でベッドに腰かけて、枕を抱えて昔話をする。
風がふわっとカーテンを揺らす。




