独自
そんな俺から友達はしだいに離れていき、ついにはクラスで孤立した。
それでも、俺は異世界のことを信じ続けた。
いつ異世界に行ってもいいように、特訓も一人でやり続けた。
そして六年生の秋、ようやく俺は気づいた。
「異世界に行くことなんてできるわけがない」と。
不可能だから。空想上の話だから、異世界の作品が人気なんだと。
俺は勇者になれないと。
現実は無情なんだと。
そして、俺は異世界に行くことを諦めた。
いや、諦めようとした。
身の回りにある冒険と名のつくようなものは全て処分した。
今後一切、余計なことは考えないと心に決めた。
中学三年間、俺はひたすら勉強した。進路のためでなく、異世界を忘れるために。
必要最低限のクラス活動に参加し、それ以外はほとんど勉強をして過ごした。
そのため、中学でも俺は孤立した。
俺の精神は限界だった。いくら勉強しても、目の前に広がっているのは暗闇だった。
将来に希望なんてなかった。
やりたいことなんて全くなかった。
中学では、昔の俺のことを聞きつけ、陰で噂したり直接からかってくるやつもいた。
『勇者』『魔王』という言葉を聞いてイラつくこともあったが、ムキになって反論してもエスカレートするだけだと思い無視をし続けた。
しかし、無視されようが、「それはそれで面白い」と俺を見かけるたびに大声で呼びかけたりするから、卒業間際には昔の俺のことは校内中にまで広がった。
そのせいで学校ではほとんどイラつきながら過ごしていた。
結局、中学生活は一度も心休まることなくロクな思い出がなかった。
卒業式を終えて、家について真っ先に感じたのは「もうあの学校に行かなくて済む」という達成感と安心だった。
高校はなるべく知り合いがいないところを選んだ。
中学生活は勉強ばっかりだったため、難なく入試を乗り越え、合格できた。




