表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/92

【番外編⑮】『英語のTHの発音をするように、舌を前歯に当てながら止めたら、舌打ちになってしまいました。』

「え?」

「どうせ、また炊飯する時、百度以上の熱で消毒されるって。ははははっ」


 せっかく、マシンガントークで浪前ろうぜんの話を、バリアしたはずなのに、応じたのは、暇つぶしの姫でなく、浪前ろうぜんでした。


 いい加減で、不衛生な男! 思わず、浪前ろうぜんを、横目で睨んでしまいました。吊り上がった目を隠すため、両手で顔を隠します。暇つぶしの姫は、わたしでなく浪前ろうぜんに、頷いてました。


「私の家、食器洗い機あるから、手で食器洗いをする勉強になるー」


 暇つぶしの姫、保護者の経済力を、自慢しているのでしょうか? 


「食器洗い機で、炊飯器のかま洗えるの?」

「うん、うちのは洗えるよ」


 いいなー、喉まで出かかった本音を、英語のTHの発音をするように、舌を前歯に当て、止めました。チッと。結果として、舌打ちした微かな音が呼気と一緒に、出てしまいました。

「食器洗いは、ゴム手袋しないと手が荒れたり、冬は手が冷たくなるから、わたしの家も、早く自動食器洗い機買って欲しいな。自動食器洗い機便利そう」


 前半のセリフは、わたしは苦労しているんだぞ、食器洗いを手洗いでもできるんだぞ! を強調しました。後半部分はわたしの家も、食器洗い機を買うお金は、いざとなったら、工面不可能ではない。

 そして、わたしは、苦労知らずのお嬢さま育ちでないのを、二度、“自動食器洗い機”を、わざわざ早口言葉のように発音して、伝えたのです。


 キンコーン!


 ホームルームの始まりを告げるチャイムです。音程や長さは、先ほどのチャイムと一緒でも、最初に学校向けに演奏して人が、少し、焦りながら、木琴のバチを叩いてるような気も。いえ、気のせいです!


「またね」「またなー」「まったねー」「またな」


 わたしは、eスポーツをしているので、耳が肥えてしまったのです。わたしも席に戻ります。どーでも良いことですが、別れ間際、一番最初に、「また」の音を発したのは、わたしでした。


 チャイム音が鳴っても、担任の先生は大抵時間通りには、来れません。教室内に多くあった人の輪は、流れ解散になり、それぞれの席に戻ります。

 わたしは、愛想で手をひらつかせてから、“暇つぶし会”と別れます。手を下ろしながら、握りそうになった手を振りながら、自分の席へ両足を速やかに動かし始めます。

 自分の前を室内なのにダッシュで横切ってる生徒は、顔なじみの女子生徒でした。わたしは心が急いているので、邪魔に感じてしまいます。お互いさまなのにです。


「ゴメン」

「ゴメン」


 どちらからともなく、遺憾の意を表します。

 わたしが、立ち止まるのにミスって、つんのめりました。もし相手が、イケメン男子なら、心臓が飛び跳ねるくらいに、高鳴っていたでしょう。

 逆に、イヤなことをされたことがある生徒ならば、わざと目を丸くしながら、危なかった、と独りごちしながら、イヤそうな溜息を無意識にしてしまう、可能性までありました。

 甲高い小声で、「いたっ」とか言えば、特に男子生徒には、貸しを作る効果は大きいはずです。

 でも、互いに、女子生徒同士の場合は別です。あとがうっとうしくなることもあり、面倒なのです。

 わたしに落ち度がなくても、ゴメンで、おしまいが最適解さいてきかいでしょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=843323166&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ