【番外編】⑪『わたしは、上履の裏側に画鋲でも刺さってないか、気にしている演技をしました。』
中学の部活動なら、本当は優しい先輩が、後輩を注意しているようです。
暇つぶし会、全員を意に従わせました。全員といっても、男子二人だけですが。わたしは、暇つぶしの姫と横の関係を維持するため、足を組みました。
手で、片足を抱えるようにしながら、すねを強調します。『共トレ』では、すねは攻撃を受けても、ダメージが小さいです。『共トレ』では、物陰に足を隠さずに立ち、わざと敵の攻撃を受けて、相手プレイヤーの居場所を確認次第、即座に急所を狙って倒す方法もあります。
暇つぶしの姫は、わたしをじろっと見ています。
「ねえ、どんなスイーツが好きなの?」
わたしに聞いているようですが、上履の裏側に画鋲でも刺さってないか、気にしている体で、無視しました。
「わたし、靴の裏側に、画鋲刺さってないかな?」
かかとの筋肉を動かして、床についてない方の靴裏を男子二人に見せます。やや足を伸ばして、太ももの間からパンツが見えないよう、手でスカートの裾を引っ張り、股の力は、入れっぱなしです。
俺木の視線は、暇つぶしの姫でなく、わたしのスカートの裾を凝視してます。不愉快です。慌てて足を組みなおして、頬を膨らませてしまいました。
「俺木、女子の足を、じろじろ見るな!」
浪前が俺木に眼光鋭く注意してます。わたしの視線に制圧されたのか、俺木は挙動不審者のように、きょろきょろしてしまいました。
もし、浪前が今、去っても、自分の責任ではなく、恨みや怒りのターゲットは、わたしになるよう、暇つぶしの姫は、気をつけるはずです。
eスポーツで多人数参加型ゲームをした経験が役立ちます。多くのギルドやグループに参加したので、わたしには、暇つぶしの姫が、ことなかれ主義に、思えてなりません。
もちろん、少し話しただけで、決め付けるのも良くないことです。しかし、わたしは、eスポーツ経験と直感が、心のコアで、警戒アラームを鳴らしているのです。
自分を信じることにしました。
もし、暇つぶし会がゲームギルドなら、暇つぶしの姫が発言して、全員が、妥協できるプレイヤーになるでしょう。
暇つぶしの姫から、気に入られたメンバーの意見は、大事にされるのです。意見の内容でなく、発言者によって、ギルドの方向性が決るのでしょう。
新規のギルドメンバーさんは、当たり障りのない理由を言って、やめるか、自分に利があるのなら、暇つぶしの姫をボスと認めて、表向きはヨイショしながら、残ることになるでしょう。




