【番外編】⑩『暇つぶしの姫にとって、“みんな”には、自分が入っていないようです。』
「あ、スマホに指紋がついてる。僕のだけど」
浪前は、ポケットから、また、スマホを取したり、押し込んだりしてましが、ぼそぼそ話しています。
取り出したティッシュでゴシゴシ拭いてるのは、構わないのですが、白いティッシュを、マジシャンのように丸めて、手に握るより、ゴミ箱に捨てて欲しいです。
「おい、浪前ティッシュ、ゴミ箱に捨ててこい」
俺木に指摘され、浪前は教室後ろのゴミ箱に、わたしの前を平然と通り、捨てに走っています。
「浪前変わってるだろう?」
俺木、答えれない質問するなよ。視点を遠くの床に落ちている、ピンか画鋲に固定して、思念を自分の内側に向けます。
eスポーツ撃ち合いでもそうです。競技大会がある部活は全て、それぞれの立場のおいて、必要とされる情報を知るだけです。
だから、部活顧問や発言力のある先輩に、お気に入り登録されるは、重要なのです。
タイムイズマネーならぬ、人から好かれるのは力なりです。
浪前が席に腰を下ろしたら、いきなり、暇つぶしの姫が話し始めました。
「ねえ、料理作ったりする?」
机の上で少し身を乗り出しながら、足をぶらぶらさせます。パンツがぎりぎり見えないようにしながら、男子の顔色をうかがっているのか? そこまでして、暇つぶしの姫は、自分が会話の中心になりたいのでしょう。
努力は認めざるを得ませんが、誰も返答をしませんでした。
「私、スイーツ大好き! みんなは?」
まだ自分語りをしている暇つぶしの姫は、リーダー気取りでした。みんなは、この一言を、わたしの撃ち合いで、研ぎ澄まされた聴覚は、聞き漏らしませんでした。
“みんな”に自分が入っていないのは、声のトーンで判別しました。
一番高い位置から、見下ろす目線でわたしにまで、質問しています。ゆっくり、首を縦に振ります。否定して、会話が止めて敵を増やす必要は、ありません。
両腕とお尻で全体重を支える高い場所の姫に、尻尾を振るイヌのように、俺木は笑顔です。
「おう、好きだぜ」
わたしも、大きく頷きます。
暇つぶしの姫は、いざ、暇つぶし会で人間関係のいざこざがあったら、自分は避けるタイプでしょう。
他の暇つぶし会員に相談されたら困る性格でしょう。ゼッタイ自分にとって、都合の良い側をヨイショしつつ、暇つぶし会で発言力が弱い人を、自分に同調圧力をかけはずです。
現状は、浪前などが、同調させられる対象になっていました。彼は目が笑ってないのに、うんうん同意しています。
浪前は女子生徒の押しに弱い! 頼りない男子です。
「浪前も、スイーツに興味あり、と」
暇つぶしの姫のセリフは、オンラインのファンタジーゲームで例えれば、NPCで権力者を演じる声優さんような、区切り方です。プレイヤーはお客さまなのです。相手の気分を害しない範囲で、偉そうに話す苦労は、感じ取りました。




