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グチを言って、近くにいきなり担任の先生が居たら、気まずいです。

 ターゲットを狙って撃つのは、eスポーツの撃ち合いと同じですが、現実リアルのドッヂボールなので、身体能力が重要です。コートに駆け足で入ります。

 わたしは、コート側、つまり内野です。弾ならぬ、ボールが飛んできました。反射的に撃ち合いで、飛んでくるナイフのように、避けてしまいました。


「ボールを受け取れ!」


 腕組みしてサッカーの指導をしながら、担任がわたしに叫んでます。担任に顔を向けて、はい、と切れ味の良い返事をしました。

 頑張ってますを、アピールしました。でも、ボールが飛び交うので、撃ち合いのクセで、逃げてしまうのです。

 撃ち合いの慣れが、マイナスに作用したのです。

 他の生徒は、ボールが当たったりして、内野は、わたしだけになっていました。必死にボールを避け続けました。


「おい! もう勝てないだろう、時間の無駄だ。最初からやり直せ!」


 担任の指示があり、また、ジャンケンをして、二つのグループに分かれます。走り続けたせいで、息が切れて、わたしが一番疲れているんです。

 内野に居て、最初に敵陣から、最初に狙われました。

 ぽっかーん!

 体をねじらせながらジグザクで走っていて、背中に当てられました。額から流れる汗が視界で、玉のように、吹き飛びます。


「ナイスシュート! 弱そうな奴から狙え!」


 担任の言うことは正論ですが、いざ、自分が獲物えものでやられたら、話は別です。わたしは、外野に移動しました。ボールは内野同士で、強い生徒が投げ合いになり、外野に回ってきません。

 ドッヂボールでは、外野に強い人がないと、存在が内野からスルーされます。撃ち合い試合で、最初倒さた人状態です。ボールの動きを目で追いかけながら、わたしは本音を漏らしました。


「つかれた、メンドー」

「面倒なら、明日の試合参加しなくても良いんだぞ」


 いつの間にか、担任が背後で立ってました。気配なく近くに立たれて、不快で、ビクッと肩が震えました。


「先生、試合参加しなくても、出席扱いにするんですか?」

「欠席だ!」

「試合出ないと、欠席になるから、やりたくなくても試合に出るんです」


 わたしの正論で打ち負かされ、担任は無言でした。

 練習は部活動の終了時間まで、休憩なしで、通して行われました。

 帰り道のことです。わたしと担任のやり取りを聞いてた子がいました。

 その子から、“大人になろうよ”と言われました。どうして、先生の前で言わないの、疑問は飲み込みました。

 わたしは、状況に応じて発言をしただけです。大人の対応をしたはずです。

 

 翌日、全ての球技でクラスは惨敗でした。帰りのホームルームで、担任は機嫌が悪くなってました。


「保健体育の教師が担任をしているクラスが弱くて、球技大会で負けて先生が恥かいたぞ」


 担任の失言ならぬ、本音が出ています。むしろ、頑張ったと褒めるべきでしょう。

 しかし、保健体育の先生は、わたしの中学では、対不良要員たいふりょうよういんなので、甘い言葉を使ってたら、不良を付け上がるのでキツ口調、お立場も理解できます。

 しかし、敗因の分析はしません。eスポーツなら、次の試合がありますが、球技大会は、年一回だからでしょう。

 ちなみに、球技大会で学年優勝したのは、美術の先生が、担任をしているクラスでした。

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