表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/168

3 究極スキル爆誕

「終わったぞぉぉぉぉぉぉぉっ!」


 とうとう俺は究極スキルポイントを100集めることができた!


 都合10000回も【落とし穴】を掘ったことになる。


 我ながらよくがんばった。

 感動した!


「とりあえず究極スキルがどんなものか、試してみよう」


 俺は意気揚々と近くの山に入った。


 冒険者のクエストで何度か来たことがある場所だ。

 山中には、モンスターの生息地が点在している。


 適当なモンスターがいたら、スキルを使ってみるつもりだった。

 と──、


「きゃぁぁぁぁぁっ!」


 タイミングよくというべきなのか、どうか。


 必死の形相で逃げる女の子の姿を見つけた。


 地響きを立てて走りながら、小山のように巨大なモンスターがそれを追っている。

 この間のリトルドラゴンである。


 もしかしたら、この辺りを縄張りにしているんだろうか。


「おいおい……」


 俺は思わず顔をひきつらせた。


「もう少し弱いモンスターで試してみたかったんだけど……よりによって竜種か」


 強すぎだろ。


 とはいえ、彼女を見捨てるわけにはいかない。


「きゃあっ」


 足をもつれさせ、倒れる少女。

 そこにドラゴンが襲いかかる──。


「彼女を助けなきゃ──な」


 あれだけスキルをがんばって進化させたんだ。

 時間稼ぎくらいはできるかもしれない。


「スキル発動だ」


 俺は気合を入れて、右手を突き出した。


 ちなみに、そんなポーズをしなくてもスキル発動は可能である。

 ポーズをつけたのは、単なる気分だった。


────────────────────

 初回起動確認。

 術者の意志力充填100%。

 究極スキル【虚空の封環(ブラックホール)・LV1】を発動します。

────────────────────


 例によってメッセージが表示される。


「【ブラックホール】……?」


 俺の本来のスキルである【落とし穴】とは名前が変わっている。


 直後──。


 俺の前方に、闇が生まれた。


 直径五メートルくらいの、闇。

 同時に吹き荒れる突風。


「ぐおおんっ!?」


 ドラゴンが戸惑ったような声を上げる。


「えっ……?」


 音もなく。

 手ごたえもなく。


 一瞬にして、巨大なドラゴンは闇の中に吸いこまれた。


 それで、終わりだ。


 あまりのあっけなさに拍子抜けしてしまうほど──。

 最強モンスターと呼ばれるドラゴンが、あっさりと消滅してしまった。


「あ、あなたは……?」


 女の子が呆然とした顔で俺を見ている。


「ドラゴンを一瞬で倒すなんて……すごいのです」

「本当、すごいよな……」


 俺も呆然としていた。

 自分でも信じられない。


 驚きの後で、熱い興奮がこみ上げる。


 最底辺だったこの俺が──ドラゴンを瞬殺したんだ!


「す、すげーっ! 俺すげえええええええええええ!」

「ふふ、面白い人なのです」


 くすりと微笑む彼女。


「怪我はないか?」


 俺は彼女を助け起こした。


「はいなのです」


 彼女は微笑みながら、ぺこり、と頭を下げた。


「あ……助けていただき、ありがとうございました。申し遅れたのです。あたし、キャロル・キールといいます」


 か、可愛い──。


 俺は思わず息をのんだ。


 桃色の長い髪に金色の瞳の、美しい少女だった。

 頭から狐耳が生えていて、ぴょこぴょこと動いている。

 腰からは同じく狐の尻尾が伸び、これもぴょこぴょこ。


 彼女は獣人族のようだ。

 いわゆる狐っ娘だった。

 小柄な体に、身に着けているのは青い短衣。


「お、俺はマグナ・クラウド。冒険者だ」


 名乗りつつ、彼女のあまりの可愛さに照れ、声がうわずってしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


▼書籍化作品です! タイトルクリックで小説ページに飛べます!▼

☆黒き剣帝 元最強のアラフォー全盛期を取り戻して無双ハーレム

▼ノベマ限定作品です。グラスト大賞に応募中! 応援していただけたら嬉しいです!▼

☆冴えないおっさん、竜王のうっかりミスでレベル1000になり、冒険者学校を成り上がり無双

なんでも吸い込む! ブラックホール!! (´・ω・`)ノ●~~~~ (゜ロ゜;ノ)ノ
あらゆる敵を「しゅおんっ」と吸い込んで無双する!!!

モンスター文庫様から2巻まで発売中です! 画像クリックで公式ページに飛びます
eyrj970tur8fniz5xf1gb03grwt_p5n_ya_1d3_y





ツギクルバナー

cont_access.php?citi_cont_id=314270952&s

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ