表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/168

9 鳳炎帝ポルカ

 目の前には五百人の勇者たちがいた。

 剣や槍、弓、斧、鞭──手に手に輝く武器を持っている。


 奇蹟兵装(きせきへいそう)

 神の力を具現化するという聖なる武具だ。


 魔族にとって、もっともやっかいな武装。


 それが──全部で五百。


 だが彼に恐れはない。

 あるのは、純粋な興味。


 五百の奇蹟兵装は、果たして自分を傷つけるに能うのか、否か。


「さあ、かかってきなよ」


 微笑み混じりに、彼──鳳炎帝(ギガフレイム)ポルカは歩き出した。


 人間でいえば、年齢十歳前後の愛らしい顔立ち。

 背中から伸びる真紅の翼は天使を連想させ、少年に神々しい印象を与えていた。


「消えろ、魔族!」


 五百の奇蹟兵装が、赤や青、緑に黄色と様々な輝きを放つ。

 無数の聖なるエネルギーが空中で寄り集まり、より強大なエネルギーの矢となって突き進んだ。


「五百の勇者が集まり、初めて撃てる最強合体奥義──『天想烈壊聖燐弾(ヘブンズストリーム)』!」

「いかに魔軍長であろうと、いや仮に魔王エストラームであろうと、この奥義には耐えられまい!」


 勇者たちが快哉の叫びを上げる。


「ふうん」


 ポルカは迫る光の矢を見つめ、




 ──ぱちん。




 指先ひとつで弾き飛ばした。


「っ……!?」


 勇者たちがいっせいに息を飲む。


「五百人がかりの攻撃でこの程度か……つまんないね」


 ポルカは、ふうっ、とため息をついた。


 背中の翼を軽く羽ばたかせる。

 たちまち灼熱の竜巻が発生し、勇者たちを全員吹っ飛ばした。


「ぐああああっ……」


 叩きつけられ、動けなくなる勇者たち。

 ただの一撃──それも羽ばたき一つで、勝負ありだ。


「ば、馬鹿な、我ら勇者軍五百人が、たった一人を相手に──」

「つ、強すぎる……化け物か──」


 勇者たちの愕然とした声が戦場に響く、


「強すぎる? 違うな~」


 ポルカは片手を軽く振るった。

 ただそれだけで炎をまとった衝撃波が発生し、勇者全員をふたたび吹き飛ばす。


「君たちが弱すぎるんだよ。あーあ、どこかに僕に立ち向かえるような猛者はいないかな~」


 と、


「ここにいる」

「これ以上、貴様の好きにはさせんぞ、魔族!」


 凛とした声とともに、二つの人影が現れた。

 たちまち勇者たちが歓声を上げる。


「おお、コーデリア様にラーバイン様! 四天聖剣(セイクリッドエッジ)が二人も!」

「火の四天聖剣、コーデリア・フィラスよ!」

「同じく四天聖剣、地のラーバイン・スターツ推参!」


 燃えるような赤毛をポニーテールにした女勇者と、筋骨隆々とした大男の勇者がそれぞれ名乗った。


「へえ、人類最強戦力──四天聖剣か」


 少年はすうっと目を細める。


 ようやく骨のありそうな相手が現れた。

 己の全力をぶつけるに値する相手が、現れた。


 その喜悦でつぶらな瞳が輝いた。


「いいね。じゃあ、ちょっとだけ本気になっちゃおうかな~」




 ──そして、わずか三分後。


「が、はっ……」

「うう……」


 戦場に、二つのうめき声が重なる。


 勝負は一瞬だった。

 コーデリアとラーバインの熾天使(セラフ)級奇蹟兵装でさえ、ポルカに傷一つ与えられない。


 逆に彼の反撃一つで、先ほどの五百の勇者たちと同じく、叩きのめされてしまった。


 圧倒的という言葉すらなまぬるい。

 戦闘能力の次元が違いすぎる──。


「これで人類最強? 期待して損しちゃったな~」


 ポルカはため息をついた。


 こんなことなら魔界で遊んだり、気ままに修業する必要もなかった。

 彼一人が出張れば、人間界征服などたやすく為せるだろう。


「……そういえば、ライゼルを殺した奴がいるんだっけ。そいつはもうちょっと強いのかな?」


 ポルカがつぶやく。


 魔軍長ライゼル。

 不死王(ロードアンデッド)の異名を持ち、ポルカほどではないが、魔界最高の猛者の一人だ。


 それを苦も無く打ち倒した人間がいるという。


 名前は確か──マグナ・クラウド。


「次はそいつを探してみようかな。ちょっとは楽しませてよね、マグナくん」


 ポルカはほくそ笑み、翼を広げた。

次回更新は2月12日(火)です。

「面白かった」と思っていただけましたら、感想やブックマーク、最新話の下部にある評価を押していただけると励みになります(*´∀`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


▼書籍化作品です! タイトルクリックで小説ページに飛べます!▼

☆黒き剣帝 元最強のアラフォー全盛期を取り戻して無双ハーレム

▼ノベマ限定作品です。グラスト大賞に応募中! 応援していただけたら嬉しいです!▼

☆冴えないおっさん、竜王のうっかりミスでレベル1000になり、冒険者学校を成り上がり無双

なんでも吸い込む! ブラックホール!! (´・ω・`)ノ●~~~~ (゜ロ゜;ノ)ノ
あらゆる敵を「しゅおんっ」と吸い込んで無双する!!!

モンスター文庫様から2巻まで発売中です! 画像クリックで公式ページに飛びます
eyrj970tur8fniz5xf1gb03grwt_p5n_ya_1d3_y





ツギクルバナー

cont_access.php?citi_cont_id=314270952&s

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ