第17話 あたしはからをはかいし、ますたぁをもとめる。
全部ひらがなで読み辛いと思います。
だけどやりきった感。
――勇者様、どうぞお取りください。
あのひ、ますたぁはまっくらなへやのなかにいたあたしのまえにあらわれてくれた。
ずっとずっとおいてかれたままだった。あたしをそとのせかいにだしてくれた。
やさしくもつよいてが、あたしをにぎりしめて、ふるってくれた。
なんびゃく、なんぜんのもんすたーをまえにしても、ますたぁはにげなかった。
そんなますたぁのためにいるあたしは、それでうれしかった。
でも、あたしはしっている。
ますたぁは、みんなのねがいをかなえることしかできなかったって。
じぶんのねがいは、かなえることができなかったって……。
――勇者様、どうか、どうかアリエスの皆の仇を……!
――頼む、勇者! タウルスのやつらのためにも!!
――お願いです勇者様!
――お願いします、お願いします勇者様!!
こわい、そうかんじているのがあたしにはわかった。
だけどますたぁはあたしをにぎりしめて、じぶんのきょうふをころして……あたしをそらたかくかかげてわらった。
――任せてくれ! 俺が……俺たちが必ず邪悪なる破壊神を倒してみせる!!
そうますたぁはさけぶと、ますたぁにすがりつくにんげんたちからかんせいがあがった。
そんなますたぁとふたりのなかまはがんばってがんばって、もんすたーをたおして、つよくなっていった。
いろんなばしょにいって、かみさまからしゅくふくをもらって、あたしのなかにひとびとのねがいもたまっていった。
そして、ますたぁたちはじゃあくなるはかいしんのもとへとたどりつき、なんどたおれそうになっても、なんどきずついても、おきあがり、あしたをしんじてたたかった。
だから、あたしはさいごまでますたぁといれてうれしかった。
くずれさっていくくうかんからますたぁはいなくなり、あたしはきえるはずだった。
けれどあたしは、きえなかった。
それどころか、ひとのからだをてにいれた。……じゃあくなるはかいしんとともに。
それでもいい、あたしはますたぁにあいたいのだから。
だから、てぃあとよばれるようになったじゃあくなるはかいしんのちからにかんしょうして、ますたぁのみらいをみた。
みたみらいはひどかった。
だから、てぃあをますたぁにあわせるようにしむけた。
そうしたら、てぃあはますたぁのためにめいどのしごとをまなびはじめた。
あたしはみているだけだったから、あたまでまなんでもからだはうごかせなかった。
それどころか、ひとのすがたははじめてだったから、てぃあがのうりょくをつかったすきにおもてにでたとしても、ぼうぜんとしているだけだった。
だけど、ますたぁにさいかいしたとき、てぃあがちからをつかったとき、あたしはうごけた。
きっとむねのなかで、ますたぁをいやしたい。ますたぁをなぐさめたい。そうおもっていたからかもしれない。
だから、ますたぁにちかづいて、きすをした。ひげがちくちくしたけど、うれしかった。
けど、てぃあのたましいはつよくて、すぐにあたしはおくそこにしずんだ。
だけどこんどはきっと、うまくいく。
そうおもいながら、ねむるますたぁをみながら、てぃあののうりょくをむりやりつかって、あたしはおもてへとでた。
しばらくおやすみなさい、てぃあ。
●
ゆっくりとめをあけると、へやはくらかった。
だけど、きまどからのぞくつきのひかりでくらいけど、あかるかった。
あけためで、したをみる。ゆかがみえた。
てをゆっくりとうごかす……うごいた。
さらり、とかみがこぼれた。……てぃあのくろいろじゃなくて、あたしのぎんいろだ。
「あたしの、からだ。てぃあだけど、てぃあじゃない。あたしの、からだ」
ぽつりとこえがでる。これが、あたしのこえだ。
きこえたこえをかんじながら、ゆっくりとべっどにあるく。
べっどには、ますたぁがほうたいをまいてねむっていた。けど、ほうたいのしたは、あたしがてぃあのちからでなおしたから、けがはない。
そのすがたをみながらあたしは、べっどのまえにすわるとねむるますたぁのてのひらをじぶんのほおにあてる。
あたたかい、あたしをなんどもなんどもにぎりしめてくれた。あたたかいてだ。
「ます、たぁ……♪ ますたぁ♪」
ああ、ああ、ますたぁのてだ。じゅうすうねんたったけど、またさわってもらえたますたぁのてに。
よろこびが、むねのおくにひろがっていく。
そのあたたかさをかんじながら、ひざをたててかおをますたぁのむねにのせる。
やくそうのかおりと、ますたぁのにおいがした。
「ますたぁ……。ますたぁ……♪ んぅ……♥」
ただようにおいをはなですいこみ、ますたぁのにおいにつつまれていくと、むねがどきどきしてくる。
そのにおいにみをまかせて、どきどきするむねのたかなりをかんじながら、あたしはますたぁのおなかにしたをはわせた。
けがしたにあたり、ますたぁのあせのあじがした。おいしい、おいしい……♪
「ますたぁ、ますたぁ、ますたぁ……♪」
いきがあらくなる、ちゅばちゅばとますたぁのからだをなめる。
しあわせだ。ますたぁのすべてをあじわえている。そうおもいながら、きていたふくにてをかけ……ぬいでいく。
ますたぁのたいおんをもっとかんじたい、ますたぁをかんじたい。
そうおもいながら、いちまいいちまいぬぎ、はだかとなるとねむるますたぁにまたがる。
「んっ、ますたぁ……♪ ずっと、こうしていたかった。さいごにわかれてからずっと、こうしていたかった……♥」
あまいこえをだし、ますたぁのからだにだきついてますたぁのにおいをたいおんをかんじる。
とくんとくん、とあたしのしんぞうがなって、ますたぁへのあいがわかる。
ずっとこうしていたい。もっともっと、ますたぁをかんじていたい。
そうおもいながら、あたしはうまれたままのすがたでますたぁのべっどのなかへとはいって、だきつく。
「ますたぁ、ます……たぁ……。ますたぁのにおい、ますたぁのあたたかさ、かんじてる。あたしいま、かんじてる……っ」
からだがあつくなってくる。ますたぁといっしょにいるのがうれしくて、あつくなってるんだ。
そうおもいながら、あたしはからだをますたぁのうでにすりつける。
あしがますたぁのおなかにあたり、ぷよぷよとやわらかい。うでもかたいよりもやわらかい。
ますたぁのかなしみがいまのますたぁのすがただ。そうかんがえながら、あたしはますたぁのからだにあたしというそんざいをおしえるためにからだをこすりつける。
「ますたぁ、あたしは……ますたぁのそばにいます。ずっとずっと、ますたぁのそばにいますから……てぃあがおきても、ずっとみてますから……!」
はあはあといきがあらくなっていく。からだをこすりつけているだけのはずなのに、ふわふわとしてくる。
きっとこれが、あのひめさまがますたぁにいってたすきってかんじょうなんだ。
だから、このすきというかんじょうはしずめたらだめ。ますたぁをかんじるためにひつようなことなんだ。
「んっ、んっ……♪ ますたぁ、ますたぁますたぁますたぁ! すき、だいすき! あたしはずっとずっとますたぁのそばにいるから、だからあたしをみて! ますたぁ、ますたぁ――――っっ!!」
しあわせが、あたまのなかをみたしたしゅんかん、からだがふるえた。
てぃあがあじわったことがないかんかく、そのはじめてのかんかくにあたまがまっしろになっていく。
そしていつのまにか、おもらしをしていたのかまたがぬるぬるした。
だけどしあわせ、そうおもいながら、とろんとしためでますたぁをみる。だけどますたぁは、つかれてねむりつづけているからかぜんぜんうごかない。
でも、おきてたらますたぁはきっとあたしをとめただろう。ますたぁにとってはあたしはてぃあなのだから。
そうおもうと、てぃあにたいしてもますたぁにたいしてもむかむかしてきた。
「むぅ……。ますたぁ、あたしを、あたしをちゃんとみて……」
「ん、んぅ……ん……」
ねぼけているのか、ますたぁはこえをもらした。
そんなますたぁがかわいくて、あたしはえみをうかべ……ますたぁのうでにだきつくようにして、ねむりについた。
おやすみなさい、ますたぁ……♥
とりあえず、前々から書きたかった展開です。
ティアの中にいる存在の話です。
別のほうでif展開で加筆するつもりです。
別の、ところでですから。
だって、怒られそうだもん。というか、これは大丈夫だって思いたい。
H30.6.30
やっちゃった★(ひらがな文章だけど18禁なので注意)
https://novel18.syosetu.com/n8194ev/




