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Fxxkin’ウィッチ★鬼畜子様!  作者: ゆうき@姉妹物語
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第三章 光と闇と魔法幼女

 亞以子の依頼で向かう先は、中東のヤムタンとか言うふざけた名前の国だ。

「解せねえ……」

「はあ、何がですか?」

 アタシは飛行機の中で、隣に座るクリス丸に呟いた、呑気に機内食をモグモグ食ってやがる。見かけによらず神経の図太いヤツだ。

「亞以子のやつ、なんだってクソガキを拉致って来いなんて言いやがる、大体、てめえらの組織にも魔法使いならいるじゃねえか」

「さあ、僕は知らないです、と言うか拉致じゃないですよ。あ、ケイ子さん、機内食残すなら僕食べちゃいます」

 食欲旺盛な助手にアタシは機内食らしき弁当を箱ごと渡した。

 ちなみに、魔法使いは普通、アルコールだのタバコだのもやらねえ。

 純潔性が損なわれるし、そもそも、あれは下等な人間どものためにある、アタシらは人より崇高な存在だ。

 魔法使いはストイックな存在なのさ。

「こんな不味いもん、お前良く食えるな……。そもそもすでに一人送りこんでんだろ? そいつはなにしてんだよ、クソガキと個室でペッティングか?」

「機内でそう言うことを言わないで下さい」

 クリスが苦笑いしながら答える。

 こいつは生かしておいてもメリットが有るかは解らんが、殺すのも面倒だ。

 魔法で燃やしても溶かしても行方知れずでアタシが疑われる。

 まあ、窮地に会っても見棄てるし、代えならどうせ幾らでもいるんだろう、憐れなヤツだ。

「ケイ子さん、怖いこと考えてたでしょう? 目が死んでましたよ」

「おまえ、その機内食貸しだからな」

「ほんな! はべたあとで言わないでくらはいよ!」

 クリスのアホが、口に含んだまま言いやがった。

「うるせえよ。あぁっ! 喋りながら喰うな、このくそハゲ! 飛ばすんじゃなえ!」

 とにかくだ、とっとと入国して、クソガキを連れて帰る、そんだけだ、冷静に考えりゃ楽な仕事だろ?

 そりゃまるでオッサンのマス掻き程度の労力ですむはずの案件だ。

 そのはずだった……。

 たが、そん時にはもうアタシらは隘路を進んでいたと言うわけだ。

 クソが、もう引き返せねえ。


 ***


 かくして、アタシはヤムタンについた。

 改めて口にしてみてもアホ臭い名前の国だ。

 何だかよく知らんがクリスは色々な言語が話せるようだな。

 入国手続きなどもあっさり終わった。

 役には立ったから、まあ機内食の件は貸し借り無しだ。

 ヤムタンはふざけた名前ではあるが、東西南北からの観光国として名高いらしい、ただし敵対諸国は通常入国できない。

 そう言うわけで、明かに怪しげな東洋人二名も案外普通に町を闊歩できた。

 路上には民兵だの腐った政府軍だの、よくわからねえ連中が幅をきかせてる。

 オイルマネーやらレアメタルやらで潤った国なんだとさ。

 観光地としての表の顔とは裏腹に軍事国家の独裁政権で、貧富の差が著しい。


 しばらく歩いてから、アタシらは町でタクシーを拾うことにした。

 電車やらバスやら、一々小汚ねえし、いつまでたっても来やがらねえからだ。

 しかし舗装されてねえ道で突っ立ってても、タクシーもなかなか来やがらない……。

「ハイ……」

「ん?」

 路上で突然、何者かがアタシの手に触れた。

 良く見れば、年端もいかねえ幼女が、花を手にもってアタシに差し出していた。

「ん? なんだよ?」

「ああ、花売りだそうです、買いますか?」

「ん……、面どくせえな、金やってどっかに行くように言え」

 クリスが何やらガキに伝えて小銭を握らすと、何を思ったかガキはアタシに花を差し出した。

「ん? いらねえよ、金やったんだし、どっかに行けよ」

「でも、もらって欲しいそうです。お金もらったから」

「そうかよ……」

 アタシは仕方なくそいつを受けとると、持ってきた旅行用のトランクに花を放り込んだ。

 ガキは走って行っちまったよ。

 程なくしてマジで汚ねえタクシーを一台ようやく捕まえた。

 乗り込むと、クリスが目的地やらなんやら告げて金を握らせた、乗る前と後と両方金を払うらしい。

 クソだな。


「痛てて、イてぇよ! おい、痛えだろ!」

 ここの国は道路が手抜き工事なのか知らんが、ガタガタと酷い揺れだ。

「おい、クソオヤジ! ケツが痛ぇよ! もっと丁寧に運べ! 尾てい骨が骨折しちまうだろ! 尾てい骨! テイルアンダーボーン、イズ、ブロークン!!」

 運転手は何やら良く解らない言語で捲し立ててる。

 通じてんのか?

「ケイ子さん、通じてません。ってか、テイルアンダーボーンって……」

「お前は死ね!」

 アタシは凶相を強いられたまま、小一時間揺られ続けていたが、急に運転手がだんまりを決め込みやがった。

「おい、後どんだけかかる! ハウロング? この野郎! 返事しろこの……ん?!」

 アタシは運転手の肩をつかんだが、同時にその首はコクリと前に倒れた。

「おい!?」

「どうしたんです?」

「こいつ、眠ってやがる!!」

「え?」

「おい、起きろ! てめえ居眠り運転とは上等だな、ガチで半殺しにしてやる!」

「ケイ子さんやめて下さい! 前ほら!! ブレーキ!!」

 クリスに言われて前を見ると、ガードレールの無い急カーブが見えた、その先は、崖っぷちだ!!

「やばい!」

「は、早く、魔法を!!」

「風よ……ぐわぁ!!」

 クソ、間に合わねぇ!!

 気づいたときにはすでにカーブを曲がりきれず、車ごと崖に突っ込んでいた。

 アタシが覚えてんのはそこまでだ。


 ***


 背中の辺りに酷い痛みがして目が覚めた。

 どこだここ?

「痛ってえな……、クソ……。何がどうなってんだよ……」

 此処はどうやら地下の牢獄みたいだ。

 地下って言うか、洞窟か何かか? 水の流れる音がする、ひどく暗い。

 小さな蝋燭が一つだけあって、そいつの照らす周辺は、岩肌がむきだしになってやがる。

 だが、蝋燭は小さすぎて、その光が届くのは周囲数十センチだけだ。

 それも、風前の灯で、そうこうしてる間にも、ああクソ――、消えちまった。

 ――手はロープで縛られてる。

 荷物は奥の方に放り込まれてるが、手が届かねえ、つまりクソだ。

 とりあえずアタシは魔法でロープをぶった切った。

「小さな光の粒子たち、そして優しく揺らぐ仄かな星よ、我らの行く手を幽かに照らせ」

 小さな光をロッドに集めた、ランプ代わりだ。

「解せねえな」

 あれだけの崖に突っ込んで、この程度の怪我か?

 どういうこった?

 服が湿ってやがる、川にでも突っ込んだのかもな。

 アタシは立ち上がって、牢獄の鉄格子を叩き始めた。

「おい! 誰かいねえのか! クソ野郎、誰が閉じ込めたのかしらねえが、今すぐ出さねえと、こっちから殺しに行くぞ!」

 返事は無く、人の気配は無い、そう言えはクリスはどうしたんだ?

 すると、廊下をゆっくりと歩く足音が聞こえた。

 アタシは臆すること無く、その足が近づくのをただ待った。

 そして、そいつは姿を現した。

「あなたは……」

 そいつは、アタシを見るなり驚いて、手に持っていた蝋燭を落とした。

 まあ、実に貧相な小娘だった。ついでに驚いて盆に載せたシリアルまで落としやがった。

 身なりは、黒髪の日本人で何処にでもいそうなごく普通のティーンに見える。

 随分ボロくなった白い夏向きのワンピースを着て、髪は後ろで二つに括ってる。

 だが、一番の特徴はそのおどおどした振る舞いだ。

「に、日本人ですか? どうやってロープを?」

「質問はアタシがする、てめえはな、死にたくなかったらそっから動くな」

「あ、あの……、あの、私……」

「黙れ!」

「きゃぁぁああ!」

 アタシは小娘のワンピースを消し去った。

 リコリスに使ったアレだ、これ使えるな。

「ふ、服が!?」

「とにかく、黙ってアタシの話を聞け、さもなきゃ次はてめえの皮膚を剥がす、ゆっくりとな」

 恐怖に負けたか、その小娘はコクコクと頷きおとなしくなった。

「あぅあぅ……」

「まず、此処は何処だ?」

「あの……、軍の研究所の跡地……です……多分……」

「多分? なんだそれ?」

「私も詳しくは知りません」

「そうかい、じゃ次の質問だ。何でアタシは此処にいる?」

「知らないわよ、私だって、気づいたら此処にいたんだもの」

「どういうこった、お前は誰なんだ?」

(あかり)です……」

「あ? いや、名前を聞いてるんじゃねえよ」

「わかんない! お願い! ねえ、ここから連れ出して! もう私、こんな所にいるのは限界なの! もう、やなの!!」

 質問すんのはこっちだっつってんのに、この小娘、精神的に壊れかけてやがるのか?

「落ち着け。こっから出るにしろ、そのままくたばるにしろ、まずはアタシの話を聞け、このクソ穴!!」

「ひぃん……」

「そうだ。落ち着いてろ。で、てめえはなんでここに来た?」

「私……、そ、そうだ、もうどのくらい経ったんだろう……、親兄妹で旅行に来てて、そうしたら、崖に落ちて、気がついたら此処にいました」

 つまりアタシと同じか。

「それで?」

「両親はどうなったか解りません、兄は死にました。殺されたの、あの変な女の子と化け物に!」

「そいつは誰なんだ?」

「名前は解りません、変な力を使うんです、人を眠らせたり、水の化物になったり。あれは何なの?! きっとあれは映画に出てきた怪物のリヴァイアサンなんだわ!」

「待てよ、そんなわけあるか、リヴァイアサンなんてものがこの世界に現れたら、飛んでもねえ事だぞ」

 その体の一部を召喚するだけでも大変な破壊力だ、そんなのは僅かな魔法使いしか使えない。

「あなたもさっき変な力を使ったから、あなたならあいつを倒せるんじゃないかって思ったの、出来ませんか?」

 何なんだこの娘は……。

「さあな、取り合えずここから出せ」

「出来ないわ、鍵がないもの」

「そうかい。じゃ、下がってろ」

 アタシは小娘に下がるように告げると、魔法で鉄格子を吹っ飛ばして見せた。

「す、凄い! 凄いです、あなた何者ですか?」

「鬼畜子だ」

「きち……え……?」

「ほらよ、全裸で歩き回る気か? 痴女の仲間だと思われたらたまらねえからな」

「あ、ありがとう」

 アタシは、トランクからシャツを取りだし小娘に渡した。持ってきていたキャンバスのトランクは牢獄のなかに放り込まれてた。

 お陰で外観がボロボロだ。

「着替えるから待ってろ」

 トランクに積めてきた例のマジカルユニフォームに着替えることにした、湿った服じゃ気分が悪いしな。

「あなた、魔法使いみたい。ん? あ、その花……」

 小娘は、トランクに放り込んどいた、花を指差して言った。

 さっきクソガキから買った花だ。

「なんだよ、欲しけりゃやる」

「いいの? ありがとう嬉しい。これ蛍袋だわ」

「そうかい……、で、どっちに向かえばいい?」

「此処を進むと、軍の施設に繋がってます」


 アタシらは、取り合えずそこへ向かって歩き出した、此処は何なんだ?

 軍の掘ったクソ溜め用の穴か?

 良く見ると、明かに天然の岩肌にも思える。

 元々あった洞窟を軍が施設と繋いだのかもな。

「あいつに見つかったら終わりです」

 歩きながら小娘は言った。

「その、さっき言ってた変なガキと化け物ってやつか?」

「はい……」

「人間なのか?」

「さあ、解りません。お兄ちゃんは、あの女の子に捕まって無理やり化け物の夫にされたんです、でも、お兄ちゃん嫌がって、ここから出すように言って怒鳴り散らしたら、化け物に殺されました。私はずっと逃げ回っていたんです」

 何なんだよ、此処は。

「その光、綺麗ですね」

 小娘はロッドの光を指差して言った。

「そうか?」

「お前、自分の置かれた状況わかってんのか? 良くこんな所にいて、気が狂わなかったな」

「ええ、自分でもびっくり。人間て適応出来るもんなんですね。でも、この鍾乳洞……、いや洞窟かも知れないけど、もう少し進むと、綺麗な場所が有るんです」

 小娘の戯言から一分も歩くと、急に光が射し込む場所が現れた、どうやら此処だけ地上と繋がってる……、と思ったら違った。

「此処です」

「何だよ、蛍じゃねぇか」

 無数の蛍が群がり、まるで昼間みたいに明るくなってる。

 周りが暗いから余計に目立つのかもな。

「綺麗でしょう?」

「光らなきゃゴキブリと大差ねえだろ」

「子供の頃、家族で蛍を観に行ったわ、綺麗だった」

 この娘は、頭がイカれてるのかマトモなのか良く解らん。

「私にとって、これは希望の光なんですよ」

「はあ……。全く人間ってやつらは、性懲りもなく希望だなんだを口にすりゃいい気になりやがってな」

 アタシは溜息交じりに言ってやった。

「いいか、希望なんてもんはな、クソだ。愛だの夢だの希望だの、所詮お前らの価値基準は金なんだろうが。そのせいでアタシの仲間はどんだけ死んだと思ってんだよ。希望を抱くなんてのはクソを抱くのと同じことだぞ? スカトロマニアかっての」

「そんな事ないですよ。あなたがどんな思いをして来たかは解らないですけど、希望はきっとありますよ。だって今だってこうして、私を助けてくれてるじゃないですか」

「ふん、助けてねえよ……。ん?」

 すると、突然ロッドに灯した魔法の光が消えた。

「は? どういうこった?」

「どうしたの?」

「魔法が出ねえ、アンチマジックか?!」

 恐らく広範にわたるかなり強力なアンチマジックが発せられたようだ。

 トータルデストロイヤーの魔法を封じるとなれば、並のレベルの使い手じゃ無理だ。

 おまけにこっちは相手の姿すら見てねえんだぞ、敵は飛んでもねえ化け物かもな。

 ヤバいな。

 辺りには蛍の光以外、道しるべがなくなった。

「クソッ……、なんかランプはないか?」

「もう無いです……さっき牢屋で落としちゃったし、でも、これ……」

 小娘は、蛍を捕まえると、さっきの花の中にそいつを閉じ込めた。

「蛍袋って、子供が蛍を中に閉じ込めて遊んでたから、そう呼ばれるようになったんですよ」

 小娘はアタシに、その即席提灯を手渡しながら言った。

「まあ、ねえよりはマシか……」

 アタシらはその明かりを頼りに進んだ。

 微かな明かりだが、真っ暗なせいか、やけに良く見えやがる。

 小娘の持つ光を追って、とにかく進んだ。

「もう少しよ」

「おいどこへ向かってんだ?」

 小娘は構わずどんどん進んで行きやがる。

「もうちょっと先……」

「待てよ、こら!」

「ほら、ここ、此処を開ければ中に入れる!」

 アタシは手のひらに触れた冷たい感触を、力強く押した。

 酷く重いそいつは、ギィギィと耳に不快な音をたてて少しずつ開いていく。

「眩しい……」

 恐らく屋外には進入出来たが、眩しくて目を開けられねぇじゃねぇか。

「クソッ……外じゃねえ」

 少しずつ目が慣れてきた、残念だ。どうやら此処は研究室だな。

 それにしても、ひっ散らかってやがる。

 人の気配はまるでしねえ、慌てて逃げ出したって、そんな雰囲気だ。

「何だ、ヒュプノシス・レポート……?」

 机の上にはレポートがファイルごと置き去りにされている。

 なんの研究をしてたか知らんが、ろくでもねえ事企んでたのは間違いなさそうだ。

 しかも、日本語で書かれてる、つまり日本人が関わってるって事か。

「我々が入手した個体は、ヒュプノシスであると推測される。これを元に近しいDNA配列を人工的に再現し、人工物としての神を創造できないかを試みる、上記を本実験の主旨とする」

 ヒュプノシスは確か眠りの神だ。それを創造? 飛んでもねえバカだな。

「んー? 完成した個体は、魔力を宿している模様。だが、本来の能力とはかけ離れておりなんたらなんたら――。なんだそれ……。個体は、ウンディーネの亜種に極めて類似しており、しかしながら、ヒュプノシスのように眠りの能力も宿している。本件は世界でも類例が無いが、これは魔法史に置いても大変な発見と言えるであろう。私はこれらを便宜上、キメラと呼ぶことにする……」

 下らねえ事してんじゃねえよ。

「おい見ろよ貧乳、これマジか? って、あれ……?」

 返事がねえと思ったら、小娘はどうした?

 ほんとに、どうなってんだよ此処は?

 そういえば、クリスのアホもいねえ……、忘れてた、生きてんのかアイツ?

 しかし、これじゃ分が悪い、強烈なアンチマジックの使い手がいる上に、でき損ないのウンディーネまでいるとしたら、洒落にならん。ひとまず撤収だな。

 と言っても、何処へ行きゃ良いんだ?

 部屋の出口は――?

 あそこに一つだけか。


 ***


 廊下に出ると、そこは良くある軍事研究所のイメージと瓜二つだ。

 殺風景なコンクリートの内装に、長い廊下には切れかけた蛍光灯がチラついてる。

 しばらく進むと、進路が割れた。

「さてどっちだ……」

 片方は非常口、もう片方は危険区域と、ご丁寧に案内板が貼られてる、なるほどな、ま、アタシは迷わず危険区域へ行くことにした。

 マスターチーフの言葉を思い出す。

 ――迷ったらヤバイ方へ行け、出したクソは引っ込めるな、だ。


 危険区域と書かれたドアの開閉ボタンをおすと、程なく扉が開いた。

「エレベーターか」

 そいつに乗ってしばらく進むと、どうやらかなり地下まで続いてやがる、まあ、妙なのは、電気が生きてるってこった。

 つまり、無人じゃねえ、誰か巣くう者があるってことだ。さっき小娘が言ってた変な子供と化け物ってやつらだろう。

 最下部まで行くと、エレベーターが停止した。


 エレベーターのドアが開くとすぐ目の前にもう一つのドアがある。

「地下第一研究室……、へえ、なるほどな」

 アタシは躊躇いもなく、その分厚い鉄の扉を開けた。

「ぐはっ……くせぇ」

 中に入ると、酷い腐敗臭に、思わず鼻を覆った。間違いねえ、これは腐った死体の臭いだ。

 それに、なんだこの薄気味わりい、緑の光は……。まるでさっきの蛍の光に似ている。

「いらっしゃい、おねえさん」

 奥から声がして視線を移せば、そこには車イスに腰掛けたちんちくりんな幼女がいた。

 フランス人形よろしくな格好だ。

 黒と白のアンティークなドレスに、ピンクのおリボンときた。

 しかし、変態どもが見たら思わずブリーフの中に発射しちまうほどの愛くるしさ、こいつは間違いねえ、魔法使いだ。

 ――魔法幼女ってところだな。

「お前がここのボスか?」

「ボス? ちょっと違うわ。だってここにはもう私しかいないんだもの。他はキメラだけよ?」

「そうかい。なあ、二つほど聞きてえんだが。クリスって名前のアタシの連れを知らねえか? それから出口も教えろよ。そしたらお仕置きはケツペンペンで許してやるぜ? もっともケツの割れ目が横に一本増えちまうかも知れねえがな、尻に十字じゃ、座るたびに背徳心に苛まれちまうかもしれねえぞ?」

「うふふ、おねぇさん面白いわ! ねえ、そうだ、私と一緒に此処で暮らしましょうよ?」

「腐った死体と一緒にか?」

 アタシはデカイ冷蔵庫らしき物に一瞥くれて言った、こいつの中にはジェフリー・ダーマーよろしくって感じで死体でも詰まってんだろ。

「悪く言わないで欲しいわ。私のお人形なのよ?」

 吐きそうだ。大層な玩具だな。

「私ね、研究のために日本から連れてこられたんだけど、みんなあのこを怖がって逃げようとしたの、だからね博士も職員もみんな殺しちゃった」

 何が「だからね」なのか知らねえが、こいつも相当イカれてる。

「で、てめえは何してんだ?」

「私、この足でしょ? だから、あの子と此処で暮らすことにしたのよ」

 あの子ってのが恐らく件のキメラの事か?

「こんなとこにいるより、外へ出た方がまだましだろうよ」

「外へは行かないわ、ここで暮らすのよ、ほら?」

「ん?」

 幼女は胸元をかなり大きく開いた、貧相で真っ平らなパイオツは見えそうで見えねえけどな、おい安心しろアタシはロリコンのお姉さんじゃねえ。

 その肌は、色素が感じられないほど白く、薄いピンク色にすら見える。

 所々火傷みたいな後があった。

「私ね、陽の光を浴びると火傷してしまうの」

 肌を仕舞いながらそいつは言った。

「へえ」

「だから、昔はずっとずっと、真っ暗な部屋に押し込められてたの。泣いてばっかりいたわ、でもね、ある日、呪文を見つけたのよ、カーテンの裏だった。でね、手のひらに光を灯すことが出来るようになったの。これ魔法なんだって、それで暗闇を照らせるようになったのよ。沈黙の光なの」

 そういう事か……。

 アンチマジックは、その副産物、と言うか副作用的な物なんだろう。

 つまり、奴がこの薄気味悪い光を放ちつづける限り、広範囲で魔法が封じられ続けるってわけだ。

 そう言って、イカれたロリはロッドを具現化させた。

 この魔法石、水色の……、確かラリマー……。

 ハハハッ!

 何のお笑いだ、ラリマーは愛と平和を象徴する石だ。

「ある日、沢山の人たちがわたしをここへ連れに来た。研究のサンプルだって、変なコードとかつけられて、いろいろ調べられたわ。それに此処の所長さんは私を裸にしたりして変な事ばかりするんだもん、すっごく嫌だった。でも、あの子が友達になってくれたから、今はもう寂しくないわ」

「そうかい、そいつは不幸な事だな。でも、アタシはお前が此処で毎日謝肉祭と洒落込んでも別に咎めはしねえ。とっととクリスを此処へ連れてこい」

「ああ、彼の事?」

「ところで、てめえの名前はなんて言うんだよ?」

祈璃(きり)よ」

「へえ、アタシはな鬼畜子って言うんだが、知らねえか?」

「ふうん、へんなお名前。じゃ、自己紹介のお時間ね。ベアトリス、出てきて」

 祈璃が言うと、研究室の奥から、ひどく醜いモンスターが姿を現した、しかもかなりデカい、五メートル近い化けもんだ。

 これはウンディーネでもなけりゃ、ヒュプノシスでもねえよ、出来そこないの醜悪なクリーチャーだ。

「ひっでぇ面だな」

「グァァァアアア!」

「ベアトリスにひどい事言わないでよ」

 声もデカく、広い研究室に不気味に響く。

「ケイ子さん!」

「よう、生きてたか」

 ベアトリス、とかいう名前の化けもんの手? ――なのか足なのか? それとも触手か知らんが、クリスはそれに巻き付かれ捕えられていた。

「腹ペコかい、モンスターさんよ?」

「ふふふ、この男は食べないわ」

「ギュルルルゥゥ……」

 化けもんの、恐らく顔であろう部分から、不気味に長い舌が出てきて、クリスの頬を舐めまわした。

「ひぃぃ!」

「この男はベアトリスのお婿さんになるんだもの」

「ハッハハハ! よかったなクリス、いい嫁さんが出来て!」

「笑ってないで助けて下さいよ!」

「どうする、おねぇさん? ここじゃ魔法は使えないわよ? わたしってそう言う力があるんだもの、博士が言うには最高レベルのアンチマジックなんだって。それに外へ通じる道は完全に塞いじゃってるし、出口を知ってるのは私とベアトリスだけ!」

「魔法が無くっても、てめえくらいなら殴り倒せるぜ?」

「わたしの力を彼らはこう呼んだわ。ルクス・エテルナ――永遠の光って」

 ふざけるな、何が永遠の光だよ、てめえは光に当たると死んじまうのにか。

「笑っちまうなゴス幼女が」

「ふふふ……、生意気よ。ベアトリス、おねぇさんの手足をもぎ取って!」

 幼女の号令で化け物はアタシに向かって突進してきた。

 デカいくせに結構速い。

 おまけにクリスを触手に巻き付けたままだ。

「クソっ!」

「殺しちゃだめよ、お人形にするんだから!」

「ギュェェェエエ!!」

 ベアトリスが触手の一部から、水を放ってきた。

 食らっても死なねぇとは思うが、吹っ飛ばされることは間違いねぇ。

 消防車の放水なんて非じゃないって感じだ。

 研究室は案外広く、部屋があちこち枝分かれしている。

 五メートルの巨体が、机やらなんやらを投げて来やがる。

 チクショウ、逃げても追いつかれるのは時間の問題だ。

「おい! クリス!!」

 アタシはクリスを呼んだ。

「何とかしろ!」

「なんとかって、どうしろって言うんですか!?」

「手榴弾でも持って自爆しろ!!」

「出来ませんよ! 持ってません!」

 クソったれ、魔法は発動しねえし、これじゃ、どうにもならん。

 アタシは、さっきのエレベータに乗ると上まで上ることにした。

「これで少しは時間を稼げるか……」

 そう思ったのも束の間、エレベータの下を猛スピードでよじ登ってくる。

 だめかよ、クソが、クソクソッ!

 とにかく走って逃げる以外にねえけど、何処へ行けば良い?

 ここままじゃもと来た洞窟へもどっちまう。

「チッ……、こっちに行ってみるか」

 アタシはさっき通った非常口って方に行ってみることにした。

 ドアを開けると、ひたすら登りの階段がある。

「仕方ねえ、上るか」

 カツカツカツと、歯切れ良く、筋肉痛覚悟で階段をかけ上がる。

 ある程度上ったところで、愕然とした、踊り場から先には証明が無く真っ暗だった。

「くそ、もう引き返せねぇ」

 下からは化けもんが迫ってるって言うのによ!

 アタシはやむ無く真っ暗な中に足を踏み入れる事にした。

「おや……?」

 不意のことに思わず間抜けな声を漏らしちまった。

 ロッドの先に光が灯りやがった。

 いや、さっきかけた魔法の効力が戻ったんだろ、って事は此処にはアンチマジックは届かねえってことか。

 アタシは明かりを頼りに、出口と書かれた扉を開いた。

「ぅふえぇぇっ!」

 だが、開いた瞬間に思わず吐瀉しかける。

 ひでえ臭いだ。

 そこは完全に何かで埋め尽くされている、

 何かってのは恐らく死体だ、アイツの好きなお人形遊びの残骸置き場ってことだ。

 アタシはそこを慌てて閉じて、さらに、上に向かった。

 そして行き止まりの先に一つのデカイ扉があった。

「仮想広域実験場……」

 偉く分厚い扉を開き、アタシはその中に入った。


「ここは、明かりがついてるのか……」

 どうやら、何かの実験施設らしいが、どちらかと言うと、屋内グラウンドみたいだ。

 照明も学校のグラウンドよろしくの、デカいライトが四本立ってる。

 大方、ここで攻撃魔法の試し撃ちでもしてたんだろ。

「ん?」

 ふと気付けばまた魔法を封じられている。

 どういうこった、ここは魔法の有効範囲なのか……。

 いや、そんなハズはねえ、さっきの階段で使えて此処で使えねえ訳があるか?

 まてよ、アタシが目覚めたときはまだ魔法が使えた。

 と言うか、あのロリの魔法封じはどこまでが有効範囲なんだ?

 確か光……、だったか、あの貧乳娘と暗闇を進んで、蛍を見つけたところで魔法が封じられた。

 それから、今は、階段の中で使えてそれ以外ではダメだった。

 なんだ、何が原因だ。

 単なる場所の問題か? いや、携帯の電波じゃねえんだぞ、そんなことあるかよ。

 二つの共通点があるとすれば……、暗闇――光?

 あのガキ、そういえば、暗闇が怖いとか何とか言ってたな。

 まさか……そう言う事かよ!!


 そうこうしてると、下からベアトリスが醜い形相をさらにキモくして向かって来やがった。

「ギヒャァァァアアア!」

「よう不細工、遅かったな」

 アタシは化けもんの正面に仁王のごとく立ち言った。

「シャァァ……」

「てめえは何なんだよ? 化け物みたいな姿で産み出されて、あのガキに飼われて、飛んだ人生だな」

「ちょっと! ケイ子さん、怒らせてどうすんですか!?」

 ほんとの事だろ。

「じゃあ、クリス、てめえがそいつのお婿さんになってやれよ。この醜い深海モンスターのな!」

「ギュケケェェェエエエ!! クリ……ス……、ワタ……シト……ケッコン……スル……」

 化けもんが放った水の塊が、照明の一つに直撃し、たちまちに大破した。

 ――閃いたぜ。

「おい、化け物! てめえの顔は本当にひでえな、ってか何処が顔なんだよ? そんなんじゃいつまでたってもボッチのままだな!!」

「キュィィイイイ!! ワタ……シ……ボッチ……ジャナイ……クリ……ス……ガ、イル」

 ようし、良い感じに猛り狂って来やがった。

「何怒ってんだよ? キモいやつに、キモいっつって何が悪い」

 かなりお怒りのご様子とみえ、クリスを絡めている触手にも力が入る。

「うわぁ! もう、やめてくださいって! ケイ子さん!  僕死んじゃいます!!」

 ベアトリスは無数にある触手のひとつで、鉄製のコンテナをつかんで放り投げてきやがった。

 アタシはそいつを間一髪かわすと吹っ飛んでったコンテナは残る照明のうちの一つを大破させた。

 後二つか。

「おい、ベアトリス、お前今まで、一体何人の男を殺してきたんだ? てめぇに好かれる位なら死んだ方がマシだってこった、まあ無理もねぇ、その見た目じゃあな!」

「グゥゥヌゥゥウウウウ! クリス……ハ……オウジ……サマ……」

「ひぃ!」

 その、低く轟く不気味な声に、王子のクリスは怯えきってるみてえだがな。

「もう、もう、やめて下さいよ、ケイ子さん……、まだ死にたくないんですから! もうやだよぉ……、ぅぅっ、うっ……」

 クリスのヤツ、マジで泣き入ってる場合かよ。

「グヒャァァァアアアア!!」

 ベアトリスはまたも水の塊を吐き出してきた、アタシはそいつを器用に避けると、後ろにあったライトがまた一つをバチバチと音を立てて壊れた。

 後、残り一つだ!

「おい化け物、モテねえからって誰でも良いって訳か、まあ仕方ねえよな! てめえじゃ選択の余地はねえもんな!!」

「ギィィシャァァイアア!」

 化け物はコンテナを掴むと照明にぶち当てた、すると、とうとう真っ暗やみに閉ざされた。

「うわぁ! ケイ子さん、何やってんですか!? これじゃ何も見えないじゃないですか!!」

「いにしえから現世へ続く神のさばきよ……」

 アタシはすかさず魔法を詠唱し始めた。

 この魔力のわき出る感じ、間違いねえ。

 しかばねスキーな幼女、祈璃のアンチマジックは、闇のなかにいるものには適用されねえんだ。

 アイツは闇を怖がってた、だから心がそうさせてんだか知らねえがな。

 ――クリスが鼻水垂らしながらわめき散らしてやがる。

「ああ! もう、放せ! 放して下さい! なんで僕がこんなめに」

「キュエエェェエエエエ!!」

「ひぎぃぃ!」

「厳寒なる冬の冰となりて、罪をつんざく王の御劔となれ!!」

 真っ暗やみに、二十メートルはあろうかと言う巨大な氷の柱が輝きを放ちながら現れ、もうスピードで化け物に向かっていく。

「ひぃいい!! もうやめて! 離して! わかった、もう、結婚しますから、夫にでもなんでもなりますからぁぁあああ!!」

 氷の柱は電車の急ブレーキにもにた轟音を立てて床を貫いて行った。

 ――これは地下までぶち抜いたな。


 ***


 あれ、化け物は?

「あぐぅ……、助け、たふけ……へ……」

 アタシはロッドに灯したライトをかざして、化け物の死骸だの、どうやらまだ生きてるクリスの姿だのを探した。

 だが、そこにあったのは、腰を抜かしてアへ顔になってるクリスと、もう一人、見たことのない女の姿だった。

「あ、あれ……、良かった! 生きてる! 僕生きてます!」

「おい、そいつは誰だ?」

「え? 誰?」

 クリスは隣の女をチラと見て言った。

「え? え!?」

 女はおよそ人とは思えない可憐さだ。

「まさかこれ……、オンディーヌの呪いか?」

「え?」

「お前、夫になるとかほざいたろ、さっき」

「えっと? 無意識で覚えてないです」

 いや、確かに言った、コイツは。

「オンディーヌってのはウンディーネの事だ、確か神話だが。それによると、ウンディーネは人の心を得ると人間の姿になるらしい」

「え、じゃあ?」

 つまりはこの女が、クリスの告白のお陰で愛を得たさっきの化けもんの正体って事だ、いや逆か? こいつの正体が化け物か。

「ク……リス……」

「うそだあ!? これがさっきの?」

「ああ」

 ベアトリスは目を覚ますと、片言の日本語でクリスの名を呼ぶ、なんともあどけない姫様のような風貌だ。

 無垢で純粋さを漂わせている、髪はやや青みがかっていて、見た目は十代の美少女そのままだな。

 私何も分かりません、とか言ってればそれだけで一生食うに困らなそうないじらしさがある。

 さすが人外。

「あ、あの……、え……あ、可愛いけど……」

 ニヤついてやがる。

 お前な――、アタシは突っ込みを入れたくなるのをぐっとこらえた。

「わた……し……のクリ……ス……」

「お前完全に夫だと思われてるぞ。ちなみに伝承だと、フッたり浮気したら、お前こいつに殺されるらしい、オンディーヌの呪いってのはそんな話だ」

「ええ!? あの……、僕はどうしたら?」

 クリスが困った顔をアタシに向けていた。

「知らねえよ、あのままなら魔法でこいつは殺せてたはずだ、とち狂った事口にしたのはお前だからな」

「そんなぁ!」

「良かったじゃねえか、頼りになる嫁さんが出来て」


 ***


「イヤぁぁぁあああ!! 誰かぁぁああ!!」

 その後、地下の殺人狂幼女のとこへ向かうと、瓦礫やら残骸やらに埋もれた祈璃の声が響き渡ってやがった。

 もはや暗闇にいると魔法を使う事も出来ないようだ。

「くらやみはこわいの! だして! ここから! だしてよ!! こわいよ!」

「どうする?」

「あの、じゃあ亞以子さんのとこに連絡して回収してもらいます」

「そうだな……。ん? おい待てよ、そういえば、もう一人小娘がいたんだが、知らねえか? 確か光とかって貧相な胸の小娘で……」

 クリスとベアトリスは同時に首を横に振る。

 ベアトリスはクリスにへばりついてる。


 アタシは、最初に目覚めた洞窟へと戻った。

 確か研究室に入った時にはぐれたはずだ、と言う事は洞窟に隠れてんのか?

 巻き込んで殺して無いと良いがな。

 アタシはロッドに明かりを灯して洞窟内を散策した。

 正確にはアタシとクリスと一匹だ。

「随分探しましたけど、何処にもいないですね、気のせいだったんじゃ……」

「そんなわけあるか! こいつが蛍袋に蛍をいれて、そんで洞窟を抜けてきたんだ」

 しばらく進んでも姿は見えなかったが、突き当りでクリスが「あの、これ……」と言って立ち止まった。

 そこには人骨が転がっていた、アタシがいた牢獄の少し奥にある。

「そんなバカな……」

 その骸骨の上には、蛍の入った蛍袋が置いてあり、おまけに、アタシの貸したシャツも置いてあった。

「幽霊……」

 まさかな。

「おい、クリス」

「クリ……ス……」

 相変わらず、ベアトリスはクリスにべったりだ、むかつくバカップルみてえだ。

 トールボーイ爆弾でも降ってきて消滅すりゃあいいのにな、――主にクリスが。

「はい?」

「この骨、日本に送り返してやってくれよ」

「は? 別にそれは構いませんけど……」

「蛍の見えるとこに埋めてやってくれ」

「はあ……、亞以子さんに言っておきます。あ、手紙だ」

 骨のすぐ隣には、封筒に入った手紙が置いてあった。

「きちくこさんへ。って書いてあります」

「そうかい」

 アタシは封筒をトランクに押し込むと洞窟を後にした。

 さてと、随分寄り道しちまったが、本来の任務に戻らねえとな。

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