表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ

一つ一つの話が短いです。

勝手気ままに書きなぐるストレス発散用の小説なので、辻褄が合ってなかったり、フラグ回収してなかったり、そもそもフラグ立ってなかったりといった小説ですので、軽く流し読む感じで読んでいただければなと思います。

シルフィリア。


そう呼ばれているこの世界は、俗に言う魔王が君臨し、その配下である多種多様な魔物が地上に溢れかえっていた。


魔王と呼ばれている存在は、人間達が住まう土地を次々に襲い、奪い、殺し、シルフィリア全土を征服すべく、その魔手を伸ばしていた。


世界の国々は魔王に対抗するべく結託し、連合軍を結成し討伐隊を組むも、魔王やその直属の配下により多大な犠牲を払うがこれに失敗し、国がまた一つ、一つとシルフィリアから消えていった。


人々は恐怖し、絶望し、次は自分の村や町が国が襲われるのではないかと、怯えながら暮らす日々が続いていた。


――魔王が出現してから20年の時が過ぎた。


もはや人々の目からは希望の光は消え、神に祈る毎日が続いていた。


いつ死ぬかも分からない明日。毎日の様に聞く訃報。魔物に襲われる日々。


しかし、この頃からシルフィリア全土にある噂が流れ始める。


各地で魔物を討伐し、魔族に占拠された街々を開放して回っている人がいると――。


その噂は瞬く間に人々に知れ渡り、その彼はまだうら若い青年で、自分より身の丈が倍ある魔物を軽々と斬り捨て、迫り来る何百という魔物をたった一人で全て倒し、魔物の巣窟になっている国を助け、王を救っていると。


彼らは人間とは思えない力で魔物や魔族を葬り、神の化身と謳われて、人々は彼にこのシルフィリアの未来を託すようになっていった。


それからわずか10年。


彼は魔王の討伐に成功する。


魔王とその直属の配下である魔族の首を縄で縛り引きずり、一つ一つの村や町や国にその知らせを届けてくれた。


世界は救われた――。たった一人の青年の手によって、混沌としたシルフィリアを光で照らしてくれた。


人々は彼を『勇者』と讃え、祝福し、『勇者』がシルフィリアを救った事を誰も忘れないように英雄譚を作り、彼はシルフィリアの歴史に深く刻まれ、それから先一生人々から忘れられる事は無かったという……。


『勇者』が魔王を討伐して間もない頃は、未だ魔物は地上の大半に跋扈しており、『勇者』に少しでも近づこうとする『冒険者』が生まれ始めていた。


彼らは人を襲う魔物を討伐し、褒章としてお金を受け取る事を生業としており、『勇者』誕生以前からその姿は各地で見られていたが、魔王が倒された事で更に勢いを増し、それから100余年の内にはシルフィリアに蔓延るそのほとんどの魔物が討伐され、世界には真の平和が訪れたという。


シルフィリアの二世代に渡る歴史はこれで幕を閉じるが、少々そこを掘り下げてみるよしよう。


『勇者』が魔王を討伐するも、未だ各地に蔓延る魔物に怯えている人々は少なくなかった。


その折に、『勇者』が誕生する前から傭兵や戦士として村や町を守る役割をしている存在がある。


彼らはの仕事は村や町を襲う魔物を討伐する代わりに対価を得る事を生業としており、魔王が健在だった頃は、魔物自体も凶暴で主要な町等でしか見かけることは無かった命の危険と隣り合わせの職種だ。


それ故に人手が足りず、守りきれない土地は滅ぼされるという形で魔王は領土を増やしていた。


『勇者』が魔王を討伐したのをきっかけにこの業界は変わり始めていた。


村や町を襲う魔物を守る事が仕事だった守衛や護衛の仕事ではなく、自らから魔物が蔓延る土地に趣いて討伐に当たる傭兵の様な仕事になっていった。


この頃から魔物を討伐する職種を誰が呼んだが『冒険者』と呼ぶ様になる。


その『冒険者』としての必須道具と呼ばれる物があった。


それは『勇者』が魔王を討伐するにあたり、その旅路を助けてくれたと言われる道具で、『勇者』が国を一つ立ち上げる時に魔物を根絶すべく触れを出したのも、『冒険者』という職を確立させた要因の一つになっている。


その道具というのが、


・火打石

・ナイフ

・砥石

・ロープ

・幸せのレシピ


の5つで、『冒険者』の間では神器と呼ばれる道具だ。


長らくシルフィリアの歴史をかいつまんで説明してきたが、そろそろ終わりだ。


この道具の中にある『幸せのレシピ』


『勇者』曰く、「この本が無かったらこの世界で旅をする上で生きてはいけない。この本のお陰で命を救われた場面が何度もあった」とまで絶賛された神器中の神器は、シルフィリアの家庭――いや、一人一つ持つのが常識とまで言われた時代もあった料理本。


これから始まる物語は、シルフィリアを襲った魔王の話でもなく、魔王を打ち倒した『勇者』の話でもなく、『冒険者』が魔物を討伐する話でもない。


『勇者』が現れるもっと前、『幸せのレシピ』の作者がこの本を作るまでの物語。


これから始まる物語は、英雄でもなければ神様でもない。ごくごく普通の人間が記し始めた一つのレシピから始まっていく――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ