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愛あるところに魔法あり

2

「今回の私の任務って言うのはね、聞いて驚きなさい!この極秘の手紙をある人に届ける事よ。」

胸を張り相変わらず偉そうに言う雨宮。

その差し出された封筒を見てみると、そこにはなんと!

「宛先書いてないじゃん。何だこれ?だれに渡すんだよ。」

「そう、そこで困ってた訳なのよ。この町に来れば分かるって言われたんだけどね・・・全くあの二人は凄いんだけどどこか抜けてるのよね」

「あの二人?」

「そうよ、私の師匠って言うかなんて言うか・・・とにかく私がお世話になってる夫婦なの!」お世話になってる人の話をするときでも態度の大きい雨宮さん

「なるほどね、で師匠って事はお前は何やってんだ?しかもこんな田舎町まで来て。配達屋だって探せばまだいんだろ?」

「そう言う訳にはいかないのよ。その夫婦は科学者でね、『魔法の過ち』の実験に関わっていたらしいの」

「ちょっと待てって。『魔法の過ち』に関わって生きてる奴らはいないんじゃないのかよ!」

たしか学校ではそう習ったはずだぞ!?誰も生き残る事が出来なかった悲劇だと。俺はそれを見て魔法って怖いと思ったもんだぜ(まあその後俺も使えるようになったんだけど)

「その通りよ。だけど二人の話を聞く限りでは本当みたいなのよ、現にこれとかもその二人の発明よ?」

今度取りだした物は、薄い平面上の物だった。

「それは何に使うんだ?」見ただけじゃ只の薄い何かだよ?

「よく聞いたわね!誉めてあげるわ。これは魔法通信機。これで書いた文章や撮った映像をその二人に送る事が出来るの、便利でしょう?」

便利でしょう?って言われてもなー何が凄いかよくわからん

「これがあれば、データ交換が可能なのよ。これでね・・・ってこの任務は誰にも言っちゃ駄目なんだったわ。危ない危ない、貴方を殺さなくちゃいけないとこだったわ」

・・・そんなうっかりミスみたいなことで殺されてたまるかよ。

「そいつは助かったなー、助けてくれてありがとう(笑)」最後に笑って見たけど、棒読みはごまかせないね!「っぐう!」また腹を殴られた!?何故何故?

「だからその笑顔がむかつくって言ってるでしょう?それじゃあ、貴方が知ってる事を教えてもらいましょうか?」

まだ覚えてたのかよ。なんか名探偵に追い詰められてる犯人な気分だ!

「なにか証拠はあるのかね?」・・・セリフまで犯人っぽくなっちゃた!

「証拠?私が怪しいと思ったからに決まってるでしょう?と言いたいけれどそうね、私の魔法は魔力の感知なのよね。だから分かるのは魔力だけって訳、それを貴方は私と会った時なんて言った?」

あった時?確か魔力がなんたら言ってたから、魔法なんて知らないって言っただけだぞ?おかしいところは何もないはずだけどな

「貴方は本物の馬鹿?いえ、馬鹿って言うと馬と鹿に失礼だわ?こんな低能と一緒にされたら可哀想だわ・・・」

どうやら俺は動物以下らしい。それは結構凹むぞ・・・あれ?涙で前が見えないぞ!(鹿だけに視界が悪いみたいなね?馬だけに上手いこといってやったぜ!これなら馬鹿と言うまい)

「魔力って言うのわね」ああ、無視された!?酷い酷過ぎるよ、苛めだね!

またも衝撃がお腹に走った

「いいから黙って話を聞きなさい。魔力っていうのはね、この魔法通信機みたいな道具にも魔力はあるのよ。それを魔道具って言うのよ。そんな道具はたくさんあるのに貴方はいきなり魔法ですって!?すぐに魔法って答えたのは何か知っているのか、それとも無知なのかどちらかしかないでしょう?」さあ答えなさい、と物凄い圧力をかけてくる

その答えはその両方です!さて言い逃れできなくなってきたぞ。とりあえず今の俺に出来る事を考えろ

1、魔法を使いこいつを倒すか、手紙を届けるのを手伝って許してもらうかの二択がベストだな。最初の選択肢はあり得ないからっと、

おい、と話しかけようとした時

「しゃがんで!」そう言って頭を掴まれ無理やりしゃがまされた。その上を髪の毛をかすめて火の玉が飛んでいく

「しまったわ。この町を一つの魔力が覆っているからこいつら雑魚に気がつかなかったわ!」

火の玉が飛んできた方向を見るとそこには・・・なんて言えばいいんだろう

ヘルメットかぶってゴーグルして、魔法の杖!?を持っている3人の男たちがいた

一言だけ言わせてくれ・・・世界観バラバラ過ぎるでしょ。なんで兵隊みたいな格好で魔法使うんだよ!

そんな事を考えている間にも相手は火の玉や氷の塊を飛ばしてくる

そんなのくらったら怪我じゃ済まないって!

そんな攻撃をかわしながらなんとか物陰に隠れる俺と雨宮

「こいつら何者なんだよ!雑魚ってどういう事?」

「あいつらは魔人の使い、『魔隷』よ・・・普通の人間の中でも魔人に付く奴らがいるのよ」

「いやいやいや。普通の人間っていま現にこうして魔法使ってるじゃん!それはどうなってるんだよ」

一向にやむ気配の攻撃に焦る俺と苛立つ雨宮

「あの杖も魔道具の一種よ。あれがあれば簡単な魔法は使えるわ」

簡単な魔法ってことは、だ

「だから雑魚ってことか。納得それなら早く倒してこいよ!お前なら楽勝って事だろう」

「それは残念ね。私の魔法はあくまで魔力感知よ。普通に戦ったら一対一でも彼らに勝てるか分からないわ!」

だあー、何でこいつは自分が弱いって事を偉そうに言ってんだよ

それじゃあ俺達もう終わりじゃん!

俺の旅は始まる前に終わったのであるって、要するに何もしてないじゃん。無駄足じゃん!(実際には動いてないけど)

俺も魔法が使えれば・・・けど親ともたった一つの思い出である約束を破る事は俺にはできない

そんな俺を雨宮は馬鹿だって笑うかもしれない。でも俺は、家族と繋がってたいんだ。たとえそれで命を落とすことになっても・・・・・・・

そして、炎と氷の弾の前に遂に隠れていた壁が破壊された!

魔隷の一人が笑いながら言う

「お前たちの話は聞かせてもらったぜ。俺たちはその手紙とやらを破壊すればいいんだろ?こんなヘボ魔法使いと一般人一人殺せばいいなんて楽な仕事だなあ」

えーと、僕も入ってるって事ですよね?こういう場合どうすればいいのでしょうね

「雨宮さん、どうすればいいんでしょうね」

「どうもできないわね。頑張って肉弾戦で勝つわよ!」

魔法使いじゃないじゃん!それじゃあ只の不良だよ雨宮さん

「と言ってもそれしかないか」

「何ごちゃごちゃ言ってんだよ」

そして再び火の玉と氷の弾が飛んでくる。

近づくことすらできずに攻撃をかわすだけの俺と雨宮。しかし当然ながらこれだけの攻撃を全てかわすことなどできるはずもなく火の玉や氷の弾が俺達の体をかすめていく

攻撃が体をかすめる恐怖が俺達の体力を奪って行く

「まずいぜ!このままじゃ近づくことなくやられちまうよ」

「言われなくても分かってるわよ。とにかくよけていればチャンスは絶対に来るわ」

しかしそのチャンスは一向に来なかった。

どんなにかわしても防いでもキリがない

っていうかもっといろいろな魔法とか近距離戦しよ?

ワンパターン過ぎるよ!(同じ事の繰り返しがこんなにも精神的にきついなんて・・・)

「ぐあ!」今まで散々殴られてきた腹部にまたも衝撃が走る。今回も雨宮さんに殴られた!って事ではなく相手の火の玉が遂に俺に当たった。ただそれだけの事である

たった一撃、威力は雨宮さんの打撃と同じくらいか。それでも体力を消費した体では立つ事が出来ない

「何食らってんのよ!馬鹿。早く立ちなさいよ」

雨宮さんは一瞬だか相手から俺に気持ちを、視線を移した

「雨宮さん!後に」

だが時すでに遅し。俺の言葉が言い終わる頃には雷を纏った杖で雨宮さんを叩いた

「このくらいの電気じゃ意識は飛ばないだろ?まあ動けなくはなるだろうがな」

そう言って雨宮さんの体に触り始めた

「何すんのよ。変態!」

「おいおい。俺たちの目的は手紙だぜ?別にお前ごときに興味はねえよ。お!あったあった」

遂に手紙が奪われてしまう。

取り返そうと体を起こすが思うように動けず這って動くようになってしまった

「なんだ、まだ動けるのか。おとなしくしてればよかったのによ」

軽く杖を振った。

それだけで俺の手と足が凍る

「それでおとなしくしとけよ。安心しろ後でゆっくり殺してやるからな?」

「貴方達その手紙を返しなさい。それは大切な物なのよ」

「大切だと?内容も知らないんだろお前。なんで大切って分かるんだよ」

これには俺も魔隷さんと同様の疑問を抱いた。こんな姿じゃなんとなく聞き辛いんだよね。っていうか余り見て欲しくない

「その手紙を私に預けた時の、手紙を書いてる時の真剣な、悲しそうな、嬉しそうな、そんな顔を見ればそれがどんなに大切かぐらい私にもわかるのよ。だから返しなさい!」

「返しなさいって動けない体で言われてもな~。そうかそんなに大切なのか。なら俺が手紙読んでやるよ。どうせお前らは殺すんだからな。冥土の土産って奴だありがたく聞けよ」

それじゃあよ・・・そう言って手紙を開けて読み始める


『親愛なる息子、双牙へ

元気にしていますか?お母さんもお父さんも元気です。双牙にはなぜ今更手紙なんか送るのか不思議に思いますよね?私達は今、命を狙われているのです。詳しくは書けないのですが、命を奪われる前に貴方に私達の思いを知ってほしいのです。と書いたところで私達の事なんて分からないでしょうね。

覚えているとしてもきっと魔法を使うなって約束だけでしょう。魔法の開発に関わっていた私達は魔法の怖さを知り、だからずっとそう約束をさせていました。私達には双牙が絶対に魔法が使えるようになると分かっていました。今の双牙はきっと魔法が使えてるでしょう。そして私達との約束も守っている事と思います。昔から優しい子でしたからきっと今もいい子に育っている事でしょう。最後にこれだけ言わせてください、

何もしてあげられない親でごめんなさい。双牙はもう一人で生きていける年頃です。だから自分の信じた事を自分のやりたい事を思いっきりやりなさい。貴方ならきっと立派な人間になれると信じています。頑張れ双牙

お前の父、魔桐谷キリヤ 貴方の母、魔桐谷サヤより』


「なんだよ、単なる息子への手紙かよ。何が大切な手紙だ、まあこれで俺たちの任務終了って事で報告に行くぞ!っとその前にこいつら殺さないとな・・・ん、何お前泣いてんだ?」

俺は泣いていた。今まで触れた事のない家族の温かさにふれ、俺を思ってくれている家族がいる事を知り、俺は!お父さんとお母さんが俺に出来る事を頑張れって言ってくれてんだ。こんなとこで泣いている場合じゃねえよな

「雨宮さん。先に謝っとくぜ!ごめんな。実は俺、魔法使い知ってんだ、それにお仕事ご苦労様でした。しっかり手紙届いたぜ!」

俺の手足を束縛していた氷が解けていく

「あんた何言ってんのよ。それに氷が勝手に溶けてく!?」

俺は立ち上がり、両親が付けてくれた最高の名前を言う

「俺の名前は魔桐谷 双牙!魔法使いだ!」

そう言いながら手を右手を前に掲げる。

掲げた右手の前に現れたのは、

「魔法陣!?しかもそれは召喚型の魔法陣じゃないの!何で?何で貴方が使えるのよ!」

そんなこと言われても使えるもんはしょうがないだろう。

そういやこれを実戦で使うのは初めてだな(人前で使った事もないけど・・・)

「それじゃあ、俺の魔法を食らってみな?」

その言葉と共にすさまじい轟音が響く!

当たりの砂煙が消えた時には魔隷達はすでに気を失っていた

「なんとかコントロールできたみたいだな、っていうかしたみたいだな」

初めて戦ったにしては結構うまくできた!・・・よな?

しかしやっぱり生きていたんだな、俺の父さんと母さんは!

「ちょっと貴方・・・まさかこの私を騙していたって訳なのよね~?最初かれ言っていればこんな事にはならなかったのよ?それに今何したの?」

嘘ついてたのは悪いと思うんだけどなー、魔法については説明がめんどいって言うかなんていうか

「まあいいわ。それじゃあ、改めて話したい事があるから話ができる所に連れてきなさい」

ナイス上から目線。こんな事があった後でも偉そうな雨宮さん。カッコいいぜ!

「分かったよ。俺んちでいいか?」

「お茶くらい出しなさいよ」

「はいはい、分かってますよ!」

こうして俺の初めての戦いは終わった。

しかしこれはこれから始まる激しい戦いの、ほんの序章に過ぎない事を俺は知らない







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