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とつげき!家庭訪問!その1

私、希良元きららは普通の女の子!

でも、ある日突然ふしぎなちからに目覚めて魔法少女になっちゃった!

今日は、ロボットから助けた男の子と女の子に事情を説明するためにお家に来てもらったんだ!

でも私、お話苦手なの!ど~うしよう!

でも頑張るしかないよね!

悪いロボットからみんなを守るため、今日も一生懸命頑張ります!

 空気を引き裂くありふれたドアの音は、張り付いた静寂を打ち破り、ここまでの緊張を打ち破るのには十分すぎる働きだった。


 「遅れてごめんね~」


 と笑いながら部屋に足を踏み入れる彼女___自称神様の魔法少女でロボット疑惑もわいている希良元きららという名の少女はその幼くも時々威厳を感じる姿を見せて...


 と、そんな情景描写をしようと扉のあるソファの後ろを振り返った俺の目の前には、なんとびっくり声の主はいなかった。

 ありゃ、確かに声はしたんだが...またあのテレパシー的な何かでからかっているのではないかと脳をかすめた俺に追加で迫る状況は確実にドアが開く音は聞こえたということである。あの神様透明にもなれるんじゃないか?今までの摩訶不思議な出来事を考えると十分にありえる。これから何が起きても、もう怖くないね。


 「ほぅらここだよここぉ」


 ほら今度は後ろから声が聞こえる。しかも耳元から。きっと透明になっている間に後ろに回って耳元で声を出しているに違いない。そう思うと少し耳がムズムズしてきた。しかし、どう考えても動機が意味不明だが、まぁこの世には意味もないし、考えるだけ無駄なこともたくさんあるだろう。きっと今回もその一つだ。そうだ、もう何も怖くない。昨日よりも心の余裕を感じる。確実に成長してるんだ、俺。

 そこで、心に余裕が生まれた俺様はここで一つ、反撃してみようと考えるわけだ。

 振り向いた瞬間に少し小突いてみよう。

 できるだけ偶然を装って。

 当たっちゃいました〜感。

 よし、いくか。

 あくまで冷静に冷s


 「そこかァァァァァッッッッ!!!!!」


 バチィーンッッ!!


 いっっっっっっっったぁ!?っと溢れる感情が抑えられず、思ったより強く叩いてしまい左手の甲が硬式ボールが当たった時のようにジンジン痛む。

 だが不可解、更なる不可解は俺の大切な左手のことなど意にもかえさず、脳に直接ダウンロードされる。

 そう、俺のそこまで強いわけでもなく弱いわけでもないレフトハンドが吹き飛ばした対象である少女の姿がどこにも見えない。いや、見えないのは透明化で説明がつく(?)が、心なしか感触もあの時感じた人肌のようなものじゃなかったような...かといってロボットって感じじゃないし...何というかそう___


 「いてて...まさか初手でぶん殴られるとは...。これに関しては私も悪いけどさぁ」


ぬいぐるみのような、ふわっとした...


 「もー、人じゃなくても痛覚はあるんだからね?」


いわゆる、人形的な...


 「まぁお茶とかこぼれなかったし良しとしようか」


 「お人形さん...?」


 またいつの間に起きたのだろうか、ルビーが耳元で呟く。

さっきまで綺麗に整頓されてティーカップ以外微塵の埃すら見当たらなかった机。


その上には、可愛らしいお人形さんが腰に手を当て、元気に立っていた。


 「だが、女の子に暴力は良くないと私は思うね」

 

 と、胸を張り当たり前のように話す。


お人形さんが

立っていた。

しゃべっていた。

動いていた。


ふぁ?


…ふぁぁぁ?


 空気の静寂を打ち破り、またもや同様を隠せない声を出したのは紛れもない俺だった。


 「あ、、、ああぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?」


 「うわぁ!びっくりしましたぁ!ってえ、、、ええぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?!?」


 ルビーも異常事態に気づいたのか、俺に続いて素っ頓狂な声をあげる。


 「ふっ、ふふふ。あっははははは!」


 そんな慌てふためく俺たちを見て目の前で仁王立ちしていたお人形さんはそのままの姿勢で笑い出した。その間も俺たちは変わらずポカーンである。


 「いんやぁ新鮮な反応で嬉しいねぇ。殴られたのは痛いけど君たちが面白いから今回はチャラにしといてあげよう。しっかし...ふふっまだ驚いてるし...ふふふ!」


 「いやいやいや驚くしかねぇだろぉ...」


 またもや理解できない状況が押し寄せてくる。最近世界のありとあらゆるイレギュラーが自分と遭遇し過ぎではないだろうか。謎の少女の次はお人形さんか...今日一日で二回目。もうこれ以上俺を驚かせないでくれ。心臓がいくつあってもたりない。


 ここで一旦状況を整理してみよう。


 「えっと君は...」


 「もちろん、君の命の恩人の神様さ」


 「神様かはさておいて…」


 まぁ予想通りさっきまで草むしりをしてた自称神様だったわけだ。着替えるってのは形態変化するってことだったんだな。もう思考停止して勝手に納得しておこう。


 「なんて考えている君にしっかり私から説明してあげよう!」


 …また心が詠まれた。まぁ好都合だ、言葉にしなくてもいいなんて。話の進行が早いから助かる。


 「そういうプラス思考、嫌いじゃないよ」


 「ええっと…どういうことですかぁ…?」


 テレパシーで会話してるせいで何もわからないルビーは話の内容も相まって混乱が止まらない。しかし仕方ないんだ。ルビーはこの会話についてこれないから置いてきた。さぁ、話を先に進めよう。


 「ちょっとぉ、そういうの良くないんじゃない男子ぃ?」


 とは言ってもですねぇ、こいつはAIのクセにたまにかけ算を間違えるような阿呆なんですよ。そんなやつが人類を超越しすぎてるこの会話についてこれるんですか?


 「ん~AIはこの時代じゃとっくに人類を超越してる気がするんだけどね~あっでも掛け算間違っちゃうのは演算においてちょっと致命的かもね~」


 「ふぇぇぇぇぇごめんなさいぃ...んん?何でお人形さんがそんなこと知ってるんですかぁ...?」


 ほれやっぱりダメそうじゃないか。そろそろ尺伸ばし感あるから早く進めようぜ。


 「ルビーちゃんも大変だねぇ...こんな持ち主で...困ったらこのお人形さんか昨日会った魔法少女のお姉さんに相談するんだぞ☆」


 「何かわからないけどお人形さんは良いお人形さんですね!」


 面倒な話になってきたな。俺は堪忍したように「はぁ」と溜息を一つ。


 「わかった。一緒に聞こうルビー」


 「えぇぇぇぇ急に零斗さんが優しくなってますぅ!今日はみぃんな優しいですねぇ」


 やっぱこいつダメだわ。


___


 「えっと…つまり…」


 「まぁ私って形態によって性質が代わるから実質魔法少女とロボットと人形と神様のハイブリットなんだよね!」


 「すぅ…すぅ…ふふっ…シュークリームがたくさぁん…」


 「つまり…つまり…」


 「君たちが最初に見たのは神様的性質と魔法少女的性質とロボット的性質を持った私ね!」


 「すぅ…ん~れいとさんとらないでくださいぃ~……すぅ…」


 「性質自体は他のと平行して使うこともできr」


 「ちょっとまてぇ!!!!」


 「ふがぁ!うぇえ!?…シュークリームはどこぉ?」


 「びっくりしたぁ!ねぇ人が話してる時に遮っちゃいけないって習わなかったのかい?」


 「いやごめん…ごめんだけどちょっと待ってくれ…」


 自称神様による事情説明が始まり早二時間。さすがにここいらで口を挟まないわけにはいかなかった。


 「俺も悪い…俺も悪いが!」


 「どうしたんだ少年?便所か?便所なら玄関n」


 「違う、そうじゃない…」


 「それともあれか?お茶が口に合わなかったか?」


 「いや、この紅茶すんごく美味しい…美味しいけど…」


 「私も飲みたいですぅぅ...」


 ちょっと時間が欲しい、理解する時間が。切実にそう思うだけなんだが。さぁどう伝えようか。

 と、思っていた所に差し込まれた一言。


 「はぁまだ話してたんだ…やっぱり説明向いてないのでは...?」


 「おぉ?言うなぁ咲樹ィ?」


 そこに立っていたのはお盆を持つ少女。先ほど謎の瞬間移動でお茶の間をざわつかせた、いや、ざわつく暇も無かったのだが...同い年ぐらいの女の子だった。


 「そろそろ説明も終わったころかと思えば...まったくもう少し簡潔にまとめてほしいものです」


 「いやねぇ、私だって長々話したいわけじゃないんだよ?でも話さないといけないことが山ほど...」


 「そんなこと言って、開始1時間ぐらいで既に脱線していたでしょ?」


 「ぐっ...よくわかってるじゃない...!」


 先ほど自称神様は、この子のことを咲樹と読んだ。それがこの子の名前で間違いないだろう...しかし、ここまで長々と話しておきながら、なぜが何もわかっていない。理解力の問題だというのなら俺を嗤ってくれ。それはまったくの事実だ。

 この状況も、目の前の自称神様の名前も。

 なにもわかっちゃいない。


 「はぁ...しかも長々話しといてまだ名前すらも伝えられてないの...」


 「あ、忘れてたわwww」


 「草生やしてないでさっさとそこの...えっと確か零斗君だっけ。」


 「あ、はい。その通りです。」


 「零斗君に説明してあげたら?」


 「へいへい...じゃあ改めて!」


 対面の椅子に座るお人形さんはドシッと立って胸をはる。耳元でルビーが唾を飲んだ音が聞こえた。


 「私__希良元(きらもと)きららは魔法少女でロボットで神様の普通の女の子!♪」


 目一杯のウインクとジャンプとピース。それはまるで、二次元空間からそのまま出てきたような、作られたもののような光景だった。


 「そしてそこの子は___」


 「自己紹介ぐらい自分でできます。はい、私の名前は希良元咲樹(きらもとさき)


 希良元咲樹と名乗った同い年ぐらいの女の子は、お人形__きららを指さし、そう言った。


 「この人の、娘です」


「はい☆私の娘です♪」


…もう突っ込まんからな。

ふぅー...やっとちょっとは物語が進みそう...

うん?しるべからのメッセージが来てるよ!どれどれ...

『はい、四か月失踪していました。すみません...ちょーっと色々ありましてねぇ...っていうのは言い訳なんですけど。まぁこれからは定期的に出せたらなとは思います』

失踪ってのがよくわからない...居なくなってたのかな?それとも逃げてたのかな?

まぁそれはさておき、

マジカルキラキラリン!明日もいい日になぁれ!

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